サンキュー・スモーキングのレビュー・感想・評価
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一番観れるほうだけど、人を馬鹿にするのは性分ですか
禁煙3ヶ月を経過して、副流煙も気にならなくなり、余裕こいてタバコの映画でも観ましょうかねと鑑賞。
おいおい、ジェイソン・ライトマン監督作品じゃねえか。
オレ、この監督嫌いなんだよ。
身近な不安やトラブルを「そいつだからこそ」のファンタジーにしてしまい、リアル感ゼロに仕上げる。その点はすでに巨匠の域。
この人の映画って見てハッピーになれます?
今回も「ジュノ」、「マイレージ・マイライフ」同様全く一緒。
雰囲気やセリフ、トークやキャラ設定などライトマンの色はわかる。しかし取り扱う題材があまりにも「おまえ関係ないだろ」って突っ込みたくなるほどのテーマを堂々と「ああ、関係ないね」と開き直って作っている作風がもう大嫌い。
最新作はシャーリズ・セロンのキティシャツが違う意味でヤバそうな匂いがしてきてドキドキですね。
情報操作やってんのは政府だろ!
ニック・ネイラーの論点のすり替えはお見事としか言いようがありません。それも口から出まかせを吐くんじゃなくて、ちゃんと計算されているところが憎い。営業マンなら誰しもロール・プレイングを経験するかと思いますが、要は切り返しの妙というやつで、相手の目先を巧みに操作することなんだと思います。TV討論会でもちゃんとすり替え話法を用意してあるんだし、咄嗟に思いついた言葉ではあれほど説得力があるものではないはず。
さすがに映画俳優を使ってタバコのイメージアップを図るのは問題ありましたが、結局をそれを実行したのはウィリアム・H・メイシー演ずるフィニスター上院議員でした。死の商人はいただけないけど、銃で死ぬ人間が年間1万人超なのに対して、タバコで死ぬ人は年間47万人というのはかなり強烈なブラック。交通事故で亡くなっても遺族は車メーカーを訴えるわけどもないし・・・こうやって考えてみると、パロマやナショナルやトヨトミが可哀想に思えてくるから不思議です。
この映画は決してタバコ業界の情報操作を皮肉っているのではなく、むしろ政府の情報操作の恐ろしさを訴えているのだと思います。喫煙なんてもちろん害しかないんだし、今更ドクロマークをつけたって吸う人は吸うんです。命を縮めることなんてわかってる。喫煙率が減ってきている現在においてもそんなことをしたら、単なる弱い者いじめにすぎません。タバコを敵にしてしまえば、ほかのあらゆる害のある食品を垂れ流しにすることだってできるし、世論をタバコに引きつけておいて知らないところで悪法をごり押しすることだってできるのです。まぁ、ノロウイルスでマスコミを騒がせて教育基本法を変えてしまうようなものですね。
話題のすり替え術もさることながら、最も面白かったのは、色仕掛けで近寄ってきてニック・ネイラーの本音を聞き出したケイト・ホームズ記者のエピソードです。一発逆転、どか~んと爆弾発言をする父ちゃんを見て「coooool」と息子に言わせるなんて最高です(場面は微妙に違います)。そしてニコパッチの恐ろしさ。あれだけ貼ったら死ぬのか・・・医者の処方箋が必要だというのも理にかなってます。
ディベート術、交渉術。日本人が見習うべきことが盛りだくさんでした。外交が下手だという日本もこのままだと危険だし、インターネットを媒体にして情報操作する輩も危険です。なんとかディベート術を身につけなければ・・・
【2006年12月映画館にて】
時事ネタが当時のままで掲載、お許しを
タイトルなし
タバコ協会の広報マンをアーロンエッカートが演じ、アメリカタバコ業界の裏側を描くブラックコメディ。アメリカならではの映画でテンポ良く軽快に、別れた妻の元にいる息子との絆も交えながら、タバコ業界は実際そうなんだろうとも思わせる、見ていて面白かった。
議論のすり替え
アメリカならではのコメディ。
プロットもそうだがテンポ(カットや早回し)も軽快。
「ダークナイト」のアーロンエッカートや「セッション」のJKシモンズが好演してます。
ジュースやマヨネーズのパッケージに「過剰な摂取はあなたの健康を害する恐れがあります」と書かれたら、売上は減るだろうか?
そんなに減らないよね。
車や飛行機の席に「重大な事故はあなたを死に至らしめるかもしれません」と書かれたら、皆電車に乗るのだろうか?
でも車乗るよね。
というお話。
だからタバコも無くならないと思うよ。
でも昨今の加熱式タバコでたばこ税減収のニュースを見て、税収構造が変わりそうだと思うのは私だけでしょうか。
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