劇場公開日 2004年7月17日

スチームボーイのレビュー・感想・評価

全22件中、1~20件目を表示

4.0スチーム・ボール

2025年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

感想

2004年公開時大友克洋先生の本作品の存在は勿論知っていたが、当時の所在地は遠隔地の山中であり地理的理由から映画館に行く事が一度も無い年であった。それから21年。本作の世間での風評や評価、あるいはテレビ放送等にも全く触れる事なく過ごしてきた。今回たまたまVODの作品欄に名前があったので何の前触れもなく鑑賞した。

19世紀の英国産業革命の礎を担った蒸気機関の発明。機関運動の源となる蒸気の圧縮と解放による巨大エネルギーの生成と動力伝達のための機械要素が独創的に創造された世界に於いて、政治経済権力制覇を目論む謎の軍産複合体組織の存在。片や権力制覇を阻もうとうとする自由民主主義者との熾烈を極めた闘争など、明解で古典的な経済主導権争いが主要なテーマとなっており、更に動力伝達のための機械要素に究極の美学を求めている大友イズムの炸裂している映像表現である。

話はどこか懐かしいレトロスペクティブな超空想科学映画の程を成してはいるが、映像技術的にも勿論かなり面倒なプロセス経て創造され描かれている表現はレジプロ気質の自分の感性にどハマりしてとても楽しむことが出来た。面倒くさい程に拘りを持って制作されている大友先生らしい作品である。

ストーリー
世界中を探しても一部の極特殊な場所のみに存在する鉱石から抽出した揮発誘爆性の高い液体に強力な圧力を掛け続けて水の何千倍もの高圧力を発生させる。さらにその圧力に耐えうる容器を多大な犠牲者を出しなからも3つだけ創りあげる。その名もスチームボール。3つが一体となり強力な機械装置動力システムが完成するのだが、第3番目のスチーム・ボールの行方を巡り開発者達が敵味方に別れての大争奪戦が繰り広げられていく。

映画の舞台もアイスランドから当時はロシア領であったアラスカを経て1866年のロンドン万国博覧会会場という現実の場所や歴史的イベントをメインに据えている。登場する機関類や兵器などは現実には存在しないものだが、我々の世代が子供の頃から読み耽っていた戦記物と多くのB級空想科学小説の内容を豊かな創造性とすぐれたデザインワークスによって咀嚼した感のある自由でオリジナリティ溢れる映像と物語が展開される。さらに当時緑がまだ数多く残されていた産業革命勃興期のマンチェスターの住宅地や街の風景が緻密に美しく描かれており、秀逸な美術と機械装置の動きの不思議なコントラストが物語を引き立てる。

観ている方も大興奮でかつてのディズニーの「海底2万哩」1954「地底探検」1959 に始まり「アルゴ探検隊の大冒険」1963 「シンドバッド黄金の航海」1973 、「地底王国」1976に至っては初鑑賞時に大感動した「鉄土竜」の蒸気機関主体のメカニカルデザインが鮮烈に記憶に残っておりこの頃のB級特撮大冒険活劇を彷彿させる出来映えが素晴らしい。

本作のキャラクターについて
全ての登場人物に馴れ合いのない頑固な性格をあてがい、各登場人物はたとえ親子関係であっても自分の主義主張は曲げずに容易ならざる心理と行動をもって展開する姿が描かれる。
これは19世紀頃迄の西欧白人社会の間で至極普通の人間が正しいと考えた民主主義に元づいた基本的人権の尊重、個性の尊重であり、ある意味多様な人格の個性を認めていくという許容の精神の現れである。様々な考え方の中からベストオブベストの思考や政策を模索する行動を作品中に表現している。協調圧力・精神的抑圧が強く、個人の主義主張や考え方、行動を制限してしまう東洋の日本人的な社会思想の感覚では一概に理解できない感覚をあえてデフォルメして描いているのだ。

本作を観て各キャラクターが自分勝手で話が纏まっていないと感じた方は広義な意味で世界、特に英国の中世以降の民主主義思想の成り立ちや近現代、産業革命時代の白人社会構造における、科学発展の歴史の再確認を今一度する事をおすすめする。何も知る事なく単なる限定的で民主主義自体も150年程の歴史しかない狭く画一的な政治思想や人権思想等の世界観を持つ日本人的な発想と感想では括る事の出来ない各分野に於いての深い世界観が本作には描かれている。

⭐️4

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Moi

1.0何もかもが中途半端で、やりたい事や見せたい気持ちの衝動が空回りしている駄作。

2024年6月15日
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「産業革命時代のロンドン」というリアルな世界設定と、「空想冒険活劇」としてのファンタジー要素のバランス配分がどっちつかずで中途半端。

すべてのメカのメイン動力に蒸気機関と言う「縛り」があるせいで、どうしても良い意味での派手なアクションにならず、全体的に"こじんまり"としてしまっている等、とにかく全体的にハジけ切れていないと言うか、ノリ切れていないと言うか、演出にも、メカデザインにも、ワクワクさせられたり、驚かされるモノがほとんど見当たらない。それに加え、画面の"色合いの地味さ"が視覚的なテンションの盛り上がりを阻害する要因にもなっている。

アクションシーンでは、空を飛び回る主人公には弾丸も巨大アームも何ひとつカスリもしないという、古臭く、リアリティの無いご都合主義の連続であり、すべてが何処かで見た事のある凡庸なアクション演出のオンパレード。

科学の脅威の象徴として出てくる「スチームボール」も、単に「蒸気を高圧縮してあるだけの玉っころ」と言うだけでは、そこまで危険物扱いするほどの説得力に欠けるし、「飛行石」のような謎や幻想性も無し。

最大の見せ場であるはずのスチーム城が浮上するシーンに至っては、ただその場に浮かんで地上からの集中砲火の的になっているだけで、ラピュタ城のような「禁断の力」を解放する時のような"凄み"や"迫力"を何も感じない。

主人公のレイにも魅力が無く、その行動原理にもパズーのような明確な目的意識が無く、戦争や科学の何が悪くて何が良いのかを考えることもないまま、ただなし崩し的に騒動に巻き込まれているだけ。

ヒロインであるスカーレットの存在理由も薄く、居てもいなくてもストーリー展開にほとんど何も関係していない、ただの傍観者でしかない存在。高慢ちきな「お嬢様」というキャラも狙いすぎて、ただイライラさせられるだけで、個性付けを失敗している。

鈴木杏を始めとする声優陣にも違和感があるし、プロを使わない必然性が分からない。決してヘタではないが、メインキャラを任せられるほど上手くもない(特にじいさんのセリフ棒読みがヒドい)。

アニメーションの映像レベルは高いものの、不遜な事を言わせてもらえば、日本の漫画・アニメ界の頂点のひとりである大友監督が何年もかけて製作する以上、デッサンが優れているだの、描画が細かいだのは越えて当然のハードルのはず。

映画制作において監督自身が「オレはこれを描きたいのだ」という、表現の衝動がただ空回りしているだけで、エンタメとして不完全で中途半端な作品としか言い様が無い駄作。

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Fate number.9

3.0スッキリしないのはなぜだろう。

2024年5月13日
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鑑賞方法:TV地上波
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Bluetom2020

3.5タイトルなし(ネタバレ)

2024年3月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

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いのしし

4.0いやいや、この時期にコレは凄いでしょ。

2023年10月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

今でこそCG普通にアニメに使われてるけど、1990年代末期にコレは凄いわ。結局何度も頓挫しかかり10年近くかかって公開が2009年。24億かけて11億しか回収出来なかった失敗作ですが大友氏とスタッフのこだわり、何人もの屍の上に聳え立つスチーム城は流石の完成度です。大友の仕事に参加して後悔したく無い技術者の意地、今見ても素晴らしい、全く古さ感じない。DVDで見てしまったが映画館でみるべき映画でした。

さて話しは割とシンプルで、父と子の科学に対する考え方の違いで喧嘩になり、間に入ってしまった孫の話です。
科学が持つ二面性を家族に置き換え正解が無い事がメッセージで、その判断を孫と視聴者に託してます。
声優はメインを俳優陣で押さえていますが私は全く悪いとは思わなかったです。どっかで聞いた声より先入観無しで聞けて好きです。

テーマは上記のように難しいのですが話はシンプル、でも宮崎氏みたくキャラを濃く描かないから記憶に残りずらいかな。女性キャラのイマイチ感は大友氏のもはや特徴です。期待してはいけません。
あとスチームパンクと言う世界観が受け入れられない人はダメかも。

私はかなり楽しめました、チャンスが有れば映画館で見たいと思ってます。

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masayasama

5.0スチームボーイ

2023年6月19日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

知的

面白かった。

凄いシーン満載でしたね。

スチーム城が空を飛ぶシーンとか圧倒的なスケールです。

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Y&M

4.0スチームボール

2022年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公の少年は、父と祖父が作ったスチームボールの争奪戦に巻き込まれる。
相棒のようなお嬢様が面白く、戦いのシーンもよくできている。
ただ、時間をかけすぎたのか勢いが・・・。

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いやよセブン

4.0ストーリーがわかりやすいので観やすかった。 様々な蒸気機関がワクワ...

2022年6月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ストーリーがわかりやすいので観やすかった。
様々な蒸気機関がワクワクする。
そして映像が綺麗。街の情景や、蒸気、空、細かい部分まで素晴らしいです。
大きな力を持っていても、その力をどう使うのか。人間の欲の深さだったり、理想だったり、希望だったり考えさせられました。

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よっしー

2.0確固たる機械描写が最大の魅力、曖昧な人間描写が最大の難点

2022年3月21日
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Elvis_Invul

0.5極限のつまらなさ

2020年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

いくらドラマチックに盛り上げようとしてもネタが蒸気機関だと無理がある。
みどころはどこ?
歴史物?開発ドキュメンタリー?
アニメで表現する必要性は?
大友克洋が、製作期間9年、製作費24億円,作画枚数18万枚で描く空想冒険活劇と聞き期待して観たがビックリするほどつまらない。
どんだけ金をかけて大量の作画で作っても物語自体がつまらなければ何もならない。

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漣音

4.5圧倒的独創性

2019年9月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

知的

大友克洋監督の最新作の情報を得て、いてもたってもいられず、今作を再視聴しました。

とにかく、背景、人物の動き、テンポ、設定、音響、そのすべてが見事としか言いようのない、傑作です。俳優陣も、力量のある方たちを起用していて、違和感もなく、明らかに、今作から十五年が経過した今よりも、質は高いと言わざるを得ません。

これだけの書き込み量、アニメーション力、演技力が、現在のアニメ業界にも継承されていることを、切に願います。

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ユージーン

3.5スチーム(蒸気)を観よ!

2019年5月2日
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蒸気の描写を見るだけで価値がある。

公開時に小学校低学年だった息子と観に行った。AKIRAが家にあったので、息子も大友さんファンに。
そして子どもの目には、とてもワクワクする映画になっていたようだった。

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CB

4.0アニメ映画としてはとてもレベルの高い作品。 世界観は良いのだけれど...

2018年9月14日
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アニメ映画としてはとてもレベルの高い作品。
世界観は良いのだけれど、物語に勢いがなくキャラクターが薄い。
1本の映画としてみると悪くはないけど良くも無いという感想。

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coffee

5.0スチームボーイ

2018年7月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

難しい

圧倒的なスケールですね。

スチーム城が蒸気を噴出しながら動くシーンは圧巻です。

ロイド博士の「エディ」と呼んだ所が吹いた。

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Y&M

3.5科学を信じて

2018年3月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

楽しい

興奮

長編アニメーションとしては『AKIRA』以来となる大友克洋監督の2004年の作品。
公開時は『AKIRA』のような作品を期待したのか、ファンからの反応もイマイチ、興行的にも不発に終わった。
が、月日が経って久し振りに見てみれば(多分劇場で観て以来)、大傑作!とまでは言わないが、“空想科学冒険活劇”としてそれなりに面白い。

謎の発明“スチームボール”。
それを巡る争い。
少年の冒険。
THE王道!
大友克洋もただ純粋にサイエンスとアドベンチャーの娯楽活劇を作りたかったんだと思う。
『AKIRA』みたいな作品が大友克洋、と期待するのはこちらの勝手、酷な事でもある。
映画監督は自分の作りたいものを作ればいいのだ。

作画力はいつもながら圧倒的!
メカニックなどは緻密でディテールまで拘り抜き、中でも空飛ぶスチーム城は蒸気の質感共々圧巻!
また、19世紀のイギリスの街並みも素晴らしく、雰囲気も醸し出す。

ストーリーやキャラ描写がちと弱いのは否めないが(お嬢様がウザい…)、メッセージ性は充分。
科学とは、何なのか。
人類の夢であり、英知であり、力であり、財産であり、富である。
が、それが戦争に使われる不条理…。
科学は戦争の為の武器でしかないのか…?
また、主人公の少年レイにとっては、科学を巡って祖父と父が対立してるのも辛い事だろう。
暴走する父と、それを止めようとする祖父。
単純にどちらが善悪じゃない気もした。
父も戦争の兵器の為に科学を使ったのではなく、ただただ科学の力を証明したかったのだ。
しかし、それが時に世界を脅かす…。
そんな中でレイは、悩みながらも、純粋に科学を信じて…。

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近大

3.0クリスタルパレスが。

2017年12月15日
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クリスタルパレスをアニメで描こうと言う、試みがすばらしい。レトリックな世界観と現代SF的なストリーのマッチングもなかなか見ごたえがあります!!

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ハワイアン映画道の弟子

3.5戦争で猛威を振るう兵器。または子供を喜ばす遊園地にさえなる。その原...

2016年2月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

戦争で猛威を振るう兵器。または子供を喜ばす遊園地にさえなる。その原動力がスチームであったりと色々な単語が出てくるし、展開も絡んでくるが見ていてわかりやすい。素直に楽しめたかな

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ユージン

3.0スケールが大きいくせに小さい

2015年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

もっと冒険活劇を想像していたのに終始倫理の話になってしまっていて、少し物足りなかった。

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ちかし

2.5期待されるのも大変

2015年5月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

もう10年も前になるのか…当時の僕はアシスタントをしていて漫画家を夢見る青年だった。
当然のように大友克洋のファンで、CMを見て新作が観れるぞ!クオリティもやはり高そうだ!ポスターも格好良いぜ!と思って映画館で友だちと観たわけだが、見終わって何とも、無言で映画の話はしなかったというか避けた記憶がある。
期待が高すぎたのかなぁと感想として10年持っていて、久しぶりに子どもたちと見たのだけど、絵も背景も大友さんらしくて大好きなのだけど、キャラクターと設定が弱いんじゃないかと思ってしまう。子どもたちには難しくて、大人にはスチームって…と思ってしまうのではないか?他のアニメでは魔法や人の力を超えた物が主軸にあるのに弱過ぎると思ってしまい、
かなり時間をかけて調べて細部にまで拘った時代背景とそれに合うギリギリのリアルなファンタジーに感服すると同時に物足りないと感じる矛盾が生じてる気がする。

キャラクターで目立つのはおじいちゃんとヒロインだと思うのだけど、ヒロインがヒロインらしくなく(可愛くない)、いてもいなくてもいい存在で主人公はもっと男の子っぽい声でもっとやんちゃな方が良かったんじゃないかと思う。

それでもやはり細部の拘りや背景、キャラクターの表情やシワや動きは観て勉強になる。というか好きだ。

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