「当たり前に起こりうることの怖さ」それでもボクはやってない nanana828さんの映画レビュー(感想・評価)
当たり前に起こりうることの怖さ
人が持つ様々な種類の感情の琴線にびんびんと、触れてくる。
そういう脚本、ストーリーの映画って、いい映画なのかな、と思う。
この映画は被疑者の視点から痴漢事件冤罪を描いていて、当然被疑者に感情移入する。その点では、誰がどう考えても不当にしか見えないことが世の中こんなに往々にして起こっている・なされているのか、という怒りと恐怖を覚えた。
しかし一方で、もしこの事件を新聞で読んだとしたら?と考えてみる。映画にも織り込まれていたように、被害者感情に共感してしまう自分を容易に想像できてしまう。
日本の司法の構造として、いつ冤罪が起こってもおかしくないという現状を、絡み合う複数要素を分かりやすく提示し、シンプルに簡潔に、映画を纏め上げている。
加瀬亮が良い◎
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