劇場公開日 2004年6月5日

「律儀なチョ軍曹!!・・・飴玉買ってきてくれたのね」シルミド SILMIDO kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0律儀なチョ軍曹!!・・・飴玉買ってきてくれたのね

2018年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 死刑を免れ成功報酬を得るという目的のために過酷な訓練を耐える元囚人たち。暗く、重く、悲しい実話なのだ。国家権力に振り回されて、人間の尊厳さえも奪ってしまう軍隊を推測も含まれるが如実に語っていると思われます。

 残忍とも思えるほど厳しい訓練を受ける兵士を映し出す前半は、それほどいい出来の映画じゃないと感じたのだが、途中から重大なポイントに気付いてしまう!誰に感情移入しようかな~と凝視すると、訓練兵の名前がわからないのだ!・・・そう、この名前に関するテーマがかなり大きく、殺人マシーンとしての人間、暗殺集団の彼らにはアイデンティティが与えられていないことを表現していると感じさせます。そして、その個性の象徴“名前”がラストに結びつくという伏線の素晴らしさを痛感しました。

 しかし、KCIAがもっと残忍であるという事実や、実際の684部隊はもっとひどかったという裏話、人質に対する無神経な扱い、思想がイマイチわからない点などを考慮すると、減点要素も大きい。それでもかなりいい出来なのですけどね・・・

kossy