「ヒトラーの評価」白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 ヒトラーの評価

2025年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

少し前に「ヒトラー~虚像の独裁者」という本で「白バラ」抵抗運動のことを知り、本作を観ました。歴史を俯瞰してみることでわかることもあれば、逆にわからなくなることもあるように思えます。演説の名手であったヒトラーが語る様々な嘘(勿論、すべてが嘘ではないわけです)を暴露できるだけの情報や証拠をもっている人間は、当時殆どいなかった中で、「白バラ」のビラにはナチズム運動の嘘を暴く内容が記載されていたようです。しかしながら、この兄妹に賛同する人は極少なく、ショル兄妹を密告した大学教員を学生らは称え、ゾフィー・ショル(ユリア・イェンチ)が裁判当日にギロチン処刑された日には、3000人ものナチ学生同盟のデモが行われ、政府への忠誠を表したそうです。アウシュビッツのことも、ドイツ敗戦も知っている今では理解できない当時のドイツ国民を包んでいた空気感をこの映画で感じることができました。近年、ヒトラーに対するドイツ国民の評価が変わりつつあると冒頭の本に書かれていました。SNS上の断片情報やフェイクニュースに溢れかえる今、真実を正しく理解することの難しさを思い知らされます。

赤ヒゲ