スカーフェイスのレビュー・感想・評価
全80件中、41~60件目を表示
3時間近いけれど、少々消化不良なところも
ストーリー的には「予定調和」。主人公が成り上がっていく時のセリフに「信念」「信条」のようなものが多くあるが、それについてはとても納得できる。
ただ、このような流れにありがちな、「堕落」していくポイントをどう描くのかはやはり難しい。すでに時間的には長い本作だが、もう少し丁寧に表現しても良いと感じた。
The world is yours
キューバから反カストロ主義者として追放されたトニーモンタナという青年がアメリカで成り上がろうという一人の人間のキングオブコメディ。
またこの青年が必ずしも悪と言い切れないところが味がある。やってることは凶悪だが彼には彼なりの美学があって、決して無関係の人間、子供には手をかけないという信念を貫く。そして自らの妹を溺愛するがあまり最終的には彼の相棒すら手にかける。権力を握る前は純朴な青年そのもので惚れた女の前では照れ笑いをし、家族の見舞いまでする。
ボスを消して大金を手にし事業にも手を出すが、豪邸に対して彼自身がちっぽけな存在に見える風呂場のシーンは彼存在そのものがとても空虚なものであると認識できる。
作中で何度も目にする「World is yours」とは誰に対してのものなのか。それは恐らく自分の妹に対しての感情だろう。母親から絶縁を強いられ、それでも妹になけなしの金を渡したり、悪い男から力ずくで奪い返し説教をしたり。彼は妹に対しての感情は過保護なまでに強い。そしてマニーという成り上がりの仲間を殺してまで妹を守ろうとする。それは単なる兄と妹という肉親のラインを超えるような愛憎を伺わせる。その結果は妹が兄に対して自分を欲しているんだという誤解を産んでしまった。
彼の純粋なまでの愛は度重なる破滅を招き、「世界は君のもの」という言葉の下に死体と化してしまうのは諸行無常を感じるが、生き様は十二分に感じられた。
アルパチーノ祭
欲に塗れるな。
トニーモンタナ
ならず者の誕生と最期
これを見ると、アメリカ人がメキシコ国境に壁を建設しろと言う動機が少しわかる。キューバから犯罪者が大量に流れ込み、治安が悪化したというイメージは間違いではないだろう。
しかし、この映画は、麻薬の売買で財産を築く主人公の口から、アメリカ社会の真っ当に見える人たちが、実は数限りない悪事に関係しているにも関わらず、その責任を流れ者のならず者に全て押し付けているという歪みを代弁させている。
暴力に次ぐ暴力で、気が休まらない映画ではあるが、明確なメッセージ性を感じる作品だった。
妹が兄の思いを理解できないところも、非現実的なようで意外とリアリティがあって没頭できたところがある。下品な言葉遣いばかりなのに、不思議と下品さをあまり感じなかった。
圧倒的なアルパチーノの存在感
あんたの手が触れたものはみんな腐っちまうんだよ!主人公の母の言葉だ
肥大化した自我が周囲のもの総てを押し潰す
精一杯背伸びした余裕無さ
ほんの少しでも体に触れられたり、反論されたら破裂したかのように攻撃する
この主人公の性格の理解が半端ない
これを100%以上演技に変換して、最早役者としてのアルパチーノではなくトニーそのものに成りきっており
観ていてアルパチーノを観ているのだという感覚を失うほどだ
映像はデパルマ監督の美しい世界そのもの
音楽はジョルジオ・モルダーの80年代サウンドそのものキラキラ感
オリバー・ストーンの密度とテンポを兼ね備えた素晴らしい脚本
そこにこのアルパチーノの名演技だ
アクション映画、ギャング映画の金字塔と断言できる
ギャングスター
アルパチーノの異様な存在感
アル・パチーノの一人舞台!!
主人公が小柄なので絵的にも違和感を感じましたが、逆に小柄なのに自己肯定感や上昇志向が非常に強く、それは自分にはない部分なので参考にするべく注目しながら観ました。序盤からボスを軽視して、誰かをリスペクトするという事もなくずっと同じ調子なので、個人的には熱い内容ではなく、尺も長いため他人には薦めづらい映画だと思います。一人では成り立たない事業なのに、ビッグになってもずっとチンピラ時代の相棒一人とのやり取りが続きますし、成り上がりの高揚感も弱く、薄っぺらさを感じます。映画と言うより、アル・パチーノの舞台劇だと思った方が楽しめると思います。
マイケルと全然違う!
全80件中、41~60件目を表示