「アラカルト気分で観てください」スイミング・プール あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
アラカルト気分で観てください
フランソワ・オゾン監督はフランス人で、フォワグラや羊チーズのような味わいのある映画ばかり作る人です。全部の映画を観たわけではありませんが、観た作品すべてには生と死のコントラスト、さらにどちらかというと死の調味料の方が強い、観てて気だるくなってくる映画ばかりつくります。
本作も同様。しかし他と違うのは、今作はアガサ・クリスティっぽいサスペンス仕立てなのです。
療養でイギリスの初老作家が訪れたフランスの友人宅で出会うフランス人の若い女性(これがすごくキッチュでいい)が、不意に犯した殺人を二人で隠ぺいしようとする筋立てです。そしてここからの展開が摩訶不思議になり、最後は結局あの殺人はなんだったの!?という感じで終わります。
こじんまりとした作品ながら、主演の女優陣が素晴らしい。
気だるい時に、疲れさせない展開で、じんわりと時間が流れていき、それでいて思ったほど残らない消化のいい映画を観たい時に最適です。好感のもてる一品作品。
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