千と千尋の神隠しのレビュー・感想・評価
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2歳の子どもは泣いた。
「お父さんとお母さんが豚になっちゃった」と。
2歳の子どもにはすごいインパクトだったに違いない。それからずっと「元に戻る?元に戻る?」と質問攻め。映画どころの騒ぎじゃない。
現代風刺を含んだ物語。千尋の成長譚。
神様は温泉入っていい気持ちになる。世俗の垢を落として本来の自分に戻る場所。
ノスタルジックかつエキゾチックな風景と、山百合が揺れる草原。水辺を気持ちよさそうに滑る電車。
そこを千と、坊と、カオナシが進んでいく。自分を取り戻す、少し暗くて水面を潜るような静かな気持ちの良い時間。
自分の名を取り戻す。それは自分の核を取り戻すこと。自我の目覚め。
両親の与えてくれた世界で生きて、母にすがりつかなければ前に進めなかった子どもが、
やってもらうばかりではなく、与えることを知って、両親以外に自分を支えてくれる存在に気付き、自分を取り戻して、自分の世界を自分の足で歩き始める。
王子様に助けられ導かれて、自らも王子様を助ける。幼い恋の芽生え。
なんていう緩急の見事な話。
ここでのレビューを拝見。いろいろな意見があるものだ。だからレビューをやめられない(笑)。
と、様々に想いを馳せて観るものの、
ああ子どもをこんな風に泣かせてはいけない。あさましい姿を見せてないいけない。この映画を観ると必ずそんなことを思い出し、襟を正したくなる。
「元に戻る?」2歳の子供の必死の訴え。それが一番心に響いた。
親はこれを子に見せられぬはず。
父母への大人への拒絶と甘え、職業への不安と根拠無き自信、異性同性嗜好定まらぬ性交渉への恐怖と焦燥。
少女の脈絡無き悪夢を和洋悪趣味空間に塗りたくる変態的力作。
少女の性産業を舞台に選ぶ国民的作家、宮崎駿の露悪思考。
親はこれを子に見せられぬはず。
だから支持。
倫理的に受け入れられなかった
最近、鬼滅の刃に歴代興行成績を抜かれそうというニュースを読んで、子供の時以来にまた鑑賞してみたが、あれこんなものだったっけ?というのが正直な感想だった。
というか、子供に対する過酷な強制労働や名前を改名させるといった人格否定など、現代だと色々コンプライアンスに引っ掛かりそうな描写が序盤は多くて少し疲れた。
名前を奪って人々を支配するという全体主義的な世界観も好きになれないし、大衆から言語を奪い理想の全体主義国家を作ろうとするジョージ・オーウェルの小説「1984」をどこか彷彿とさせる。
まあ一応最後までみたが、よくわからないキャラクターが何人か出てきて、よくわからないまま気付いたら終わってた。
全体的に何を言いたいのかがまったくわからん。
ただし、音楽だけは素晴らしい。
何度見ても発見がある
映画館で号泣しました。
幼少期からこの作品を何度も見たことがありますが、20歳をすぎてから見たのは初めてのように思います。
大人になって見てみると、今まで気付いていなかったメッセージ、千尋の成長に涙が止まりませんでした。
今回気づいたメッセージは、今の私へのメッセージであり、人それぞれ受け取るものは違うでしょう。
それが、この映画の魅力です。
また次見る時に感じるものは何かが楽しみです。
そして、映画館で鑑賞することができ、とても幸せでした。
やっぱり凄い。
この作品の面白いと思うところは、日常からの非日常である。
もののけ姫等の作品は終始、非日常であり、感情移入がしづらい。その点、千と千尋はまずしっかりと日常があり、徐々に非日常に変わってゆく。その過程が面白い。
そういう意味では、最初の方にこの作品の面白さが詰まっていると思う。
映画館で見ると違う
映画館で見るのは多分初めてです。
家にDVDがあり、それで何度も見ていました。
ストーリー、セリフはもうほぼ覚えているくらいです。でも、今回映画館で見て、新鮮な感じがしました。それは、久石譲の音楽と、足音、風の音などの小さな音です。目を閉じるとまるで本物の音に聞こえるくらい、どの音もリアルでした。今でこそ、細部の音までこだわるアニメ映画はありますが、公開当初はこんなにも鮮明なアニメ映画はなかったでしょう。これがジブリなんだなと思いました。
映画館は半分キャパでもほぼ満席。こんなにも愛されるジブリ作品を、映画館で見ることができてほんとに幸せでした。
千尋の純粋な勇気と優しさ
映画館での再上映で小学生のときぶりに見た。
改めてすごい映画だなと思う。アニメーションの美しさ、緻密さ、音楽のきれいさ、どれを取っても引き付けられる映画だと思った。
特に、千尋の勇気と優しさに心打たれた。大人となった今見ても、両親が豚になっているシーンは怖いなと思ったし、あの状況に自分が置かれたらと思うと、正直ぞっとする。
それを、まだ幼い千尋が、最初は驚き戸惑うものの、すぐに勇気を出して立ち向かっていく姿にすごいなと思った。一度腹を決めてからの真っ直ぐな千尋の振る舞いには、何か訴えかけられるものがある気がした。
大人になった今、スクリーンで観ることができてとてもよかったと思う。
もうひとつ別の世界があるような鑑賞後の感じ
宮崎駿監督ジブリの11枚組セットを購入した中に入っていたので、初めて観た。
山のトンネルを抜けるとそこは魔法の世界。大きな館のような銭湯を舞台に、両親を豚にされてしまった少女が両親を人間へ戻すために奮闘する。そして、命の恩人であった少年との出会い。
数々の奮闘劇を経て、トンネルに戻ると、何事もなかったような人間の世界。もうひとつ別の世界があるんではないかと思わせてくれるような鑑賞後の不思議な感じがした。
タイトルなし
1度あったことは忘れないものさ
思い出せないだけで
魔法で作ったんじゃ何にもならないからね
最初はまともに挨拶もできなかった千尋が終盤にはハキハキと礼儀正しく振舞っていて、その成長した姿にハッとした
最後「振り向かないで」と言う台詞にはどんな意味があるんだろうか
大人になってから見直すと色々と響くシーンが多かった
映画館では初。
色々記憶が蘇ってきた。
リアルタイムの時は確か中学生。
周りの友だちはこぞって何回も劇場に足を運んで感想を言い合っていた。
なぜかその時は、ジブリを観に行ったら負け。という思春期ならではのわけのわからない気持ちで意地でも行かず、のちにテレビ放送とレンタルで鑑賞した記憶のある作品笑
内容も、公開がもののけ姫の次だったということもあって「どこか気持ち悪いおどろおどろしい作品に違いない。」そんな風に思って見てたことも思い出した。
それは一部うじゅるうじゅるした物も出るし、多腕のグラサンやおっきい婆さん出るし、絶対そうだ!って思って見てたからなんだけど。そんなことは全くなく気づいた頃には心の中で号泣してた。
遅いかもしれないけど映画を見て感情が高まるのを教えてくれたのもこの作品😭😭
当時恥ずかしすぎて誰にも言えなかったことも一緒に思い出した笑
とにもかくにも初見から15年以上ぶりで、映画館では初見。
思い出補正がたくさんかかっているとは言え、大人になってから改めて見れて良かった。
ほぼ記憶が薄れてるとは言え、断片的には覚えてるし、大きい画面での迫力に押され全く同じシーンで感情の高ぶりをまた感じた笑
映画館を通じて擬似的にあの頃にタイムスリップした感覚が味わえて本当に良かった、面白かった。
あ、これは作品のレビューというよりただの思い出話だな笑
強いて言えば昔感じられなかった曲と最後の余韻は秀逸。キャラクターごとの感情の間をあの頃は感じられなかったけど今改めて感じられて良かったです!
一生に一度は映画館でジブリを
キャッチコピーにまんまとハマりました。
これだけ映画を観ていてもジブリを実はあまり観れていませんでした。映画ファンの中でジブリのテーマが出ても無言で頷いてみるくらいで正直ちんぷんかんぷんだったのが実情。
千と千尋は流石ジブリの金字塔。しかしテーマ性は思ったより薄く。あえて言うなら千尋の成長を描いたファンタジー。カオナシや湯婆ばなどキャラクターも跳ねてます。しかし両親があの程度で豚にされてしまい、それを救うために10歳の少女千尋が勇気を持って奮闘するって物語。どちらかと言うと子供向けのストーリーと思わせといて大人も満足させるのがジブリの真骨頂です。
個人的ですが凄い感動したわけではないが観てよかった一生に一度の映画でのジブリでした。
大人になって見たら……ド名作じゃないですか!
ナウシカ、トトロ、ぽんぽこと比べるとそこまで好きでもなかった作品。
なんであんなに人気なの?と思ってた。
大人になって見たら……ド名作じゃないですか!
特に帰りのトンネルで千尋が母親にしがみつく描写。
あれで映画の意味がグルっと変わる。すごい。
いつも成長した千尋を見て終わるから、見るたびに序盤の千尋で”こんなに幼かったっけか?”と驚きます。見事な書き分け方。
と同時にただの成長物語じゃないんだなぁと。
非日常を必死に生きる少女の物語。
複雑かつわかりやすく”人間のあり方”を説いているエンターテイメント。
いままでと違う環境に入って、弱音を吐く暇もなく必死になって。
経験したから芯から変わるとは限らない。
でもその時間は決して無駄にはならない。
大学生、社会人……自分の経験に当てはめても”あ、わかる”って部分がいっぱいある。
やー、すごい作品です。
ナウシカがチコの実で、もののけ姫がコダマがラストカットなのに対して、今作はトンネルから遠ざかってくだけのカットで終わる意味。
世界観と絵のパワーは神がかってますね。どのカットもそのまま名場面になって鳥肌。
特にカオナシはどう転んでも良い絵になる。色んな意味を持つ。
SNSがまったくない時代に、寂しがり屋で他人の言葉で誇示する”カオナシ”を描いてるのはすごいとしか言いようがないです。
各々のキャラがそれぞれの優しさを見せてるのも素敵。
ほんと良い映画。
本作が日本の歴代興行収入一位なのは誇らしいことです。
客(神々)の騒ぎっぷりや後半のネズミとハエドリのコメディタッチはディズニーみたいだなぁと。
一点だけ気になるとすれば千がオクサレ様の件から一気に成長しすぎてるとこかなぁ。ちょい違和感を感じました。
wikiを読んだら制作側もその点は議論されてて、その上で「○○○○の物語でもある。一本で二本分の映画」と書かれていて……ふむ、納得。
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