劇場公開日 2001年7月20日

「ステイホームから抜け出した坊・・・」千と千尋の神隠し kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

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4.0ステイホームから抜け出した坊・・・

kossyさん
2020年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 バブルがはじけていっぱい潰れたテーマパーク。その残骸の一つがこの町だ。『もののけ姫』なんかに比べると、かなりテーマ性は薄くなってるので、大ヒットした理由もよくわからないままのめり込んでしまう。とにかく序盤で両親ががつがつ食って豚にされたことが、人間の「欲」というものを戒めようとしている気がしてならない。

 なにしろ、吉原遊郭のような、特殊入浴風俗のような、神様専用の不思議な風呂屋。初めて観たときには、子供向けと思わせておいて、ソープ嬢にさせられる不運な少女の物語だと思ったくらいでした。なにかとこじつけると、これは資本主義社会の醜い部分を描いたものであるとも思えるし、湯婆婆による独裁的巨大企業に迷い込んだ少女の成長物語ともとれる。名前と奪ってしまい、個人の価値や権利を全て企業の犠牲にさせる。最下層の者は奴隷並に扱われる封建体制の国なのだ。これを突き詰めていくと、ハクの存在なんて他国の王族を拉致して洗脳された人間のように思えるし、湯婆婆は世界侵略を押し進める大国主義の独裁者なのかもしれません。

 そんな設定の奥深さを子供たちにはわからないように、仕事に対する千尋の成長ぶりを描いた作品にするいつもながらの手腕にもビックリです。カオナシや湯婆婆などというキャラが印象深いけど、三つの頭が凄かった・・・・置物にほしいくらい。

 カオナシというのは株で大儲けした成金なのだろうか。宮崎勲監督本人に言わせれば、人間の誰しもに潜んでいる欲望(特に金銭欲)を具現化したものらしいから、電車に乗ったときに搾取され続けて廃人と化した労働者の影みたいな人たち(自殺説もある)を見て、自分の本来の姿を感じ、心が優しくなったのかもしれません。

 「油屋=遊郭」論争とか、千尋とハク兄妹説とか、色んな意見も飛び交う作品でもありますが、そのメタファー論が飛び交う要素を作り上げた監督の手腕も見事。あまりにも都市伝説が多いのもこの作品の魅力なのでしょう。

 公開時には観なかったので、今回の再上映に感謝。細かい部分までくっきりと映し出される綺麗でファンタジックな映像を満喫しました。「回春」なる文字も堂々と書かれていたし、やっぱりそっちなんだよなぁ・・・

コメントする (コメント数 6 件)
共感した! (共感した人 18 件)
kossy
ゆり。さんのコメント
2020年7月2日

これ観た時は??だらけでした。さすがkossyさん。

ゆり。
グレシャムの法則さんのコメント
2020年7月2日

ぎんこさん、フォローありがとうございます。生〝ビール〟とは書いてなかったのでなんとなく気になりました。

グレシャムの法則
kossyさんのコメント
2020年7月2日

ぎんこさん、ありがとうございます!

kossy
ぎんこさんのコメント
2020年7月2日

最初の飲み屋街の、のぼりにありましたね

ぎんこ
kossyさんのコメント
2020年7月2日

そんな台詞ありましたっけ?(汗)
なんだか探せば色々と見つかるんでしょうけど、やっぱり子どもたちも観る映画なので露骨なものはありませんよね。

kossy
グレシャムの法則さんのコメント
2020年7月1日

私は『生あります』になぜか心拍数が上がりました😀

グレシャムの法則
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