「ネガティブ→ポジティブ」千と千尋の神隠し JIさんの映画レビュー(感想・評価)
ネガティブ→ポジティブ
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全体を通し、ネガティブに見えたものが、実は良いものだと分かる、或いは良い面もあると分かる、という構造を徹底している。ハクや湯婆婆のような重要キャラは、ややひねりがあるが、やはりこの仕組みになっている。この構造は千尋の成長過程である。未知のものと出会い、はじめは恐れるが、良いところを理解して受け入れられるようになっていくという、実は子供の普遍的な成長だろう。
初めは新しい町や学校に気乗りしていなかった千尋。異世界での経験を経て、きっと新しい生活もポジティブに受け入れられることだろう。
そして言わずもがな、各キャラクターのデザインは面白いし、質感や空気感の表現は天才的。
宮崎さんの作品では、誰もが知っている「あの感じ」をとらえるのが素晴らしく上手いように思うが、それが特に極まったのがこの作品ではないかと思う。共感できる感覚が表現されているからこそ、内容に難解な点があっても、多くの人を楽しませられるのだろう。
余談だが、宮崎作品でよくある台詞、「いい子」が、今作は2回(かな?)もある。千尋が竜の姿のハクを「いい子だから」となだめたときは、流石にビックリした。
と、書いてはみたものの、宮崎さんのこの手の恐ろしく作り込んだ作品は、理解に深い知識を要する意図がありそうで、正しく解釈できる自信がない。
特に、ニガダンゴが全くわからない。なぜ千尋はそれが重要アイテムだと解ったのか?
考えすぎだろうか。
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