力道山のレビュー・感想・評価
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あの力道山をカメレオン俳優ソル・ギョングが体重を28キロ増量して挑...
あの力道山をカメレオン俳優ソル・ギョングが体重を28キロ増量して挑んだ日韓合同作品。 知らない事も多かったし、ソル・ギョングの熱演も分かるのだけど、なんとなく大味感が否めない。中谷美紀の達観した妻役すらも、約束された大作としての道具に感じられる自分に空手チョップ!
力、力道、力道山。呼び方も様々だったが、どれが苗字でどれが名前なのでしょうか。力・道山、力道・山、もしくは姓名の区別がない芸能人のようなもの?もしかすると、“道”がミドルネームだったりして・・・
リアルタイムで力道山を観ているわけではないので、今まで知っていることはプロレス試合の最多連勝記録を持っていることや、刃物で刺されたにも拘わらず「俺は不死身だ!」と言って医者に診てもらわなかったという逸話だけです。彼が朝鮮人だったという事実は、この映画が韓国で作られたということで初めて知ったくらいです。『ALWAYS 三丁目の夕日』でもでてきた“アイーン”のような空手チョップと黒タイツ・コスチューム。街頭テレビだって登場し、敗戦後の日本人を元気づけたヒーローぶりがよくわかる映画でした。 「あれ、ブラッシーじゃない?」とか「あれは東富士よ」などと年配の観客の声が聞こえてきましたが、個人的にはさっぱりわからず「大木金太郎vsボボ・ブラジル」の映像が見れたらいいなぁくらいにしか思わなかったのです。ジャイアント馬場もアントニオ猪木も登場しないので、それほどのめり込めないんじゃないかと期待しなかったのですが、元柔道選手の井村とタッグを組んでシャープ兄弟と対決した試合には思わず拍手してしまいたくなるくらいの臨場感。試合の映像自体はそれほど多くないものの、緊張感が伝わり、知らぬ間に拳を握り締めていたくらいです。 先輩弟子からのイジメや窃盗罪の罠という迫害、相撲協会の審議会や新規プロレス興行にタニマチの会では朝鮮人だという理由で正当な評価を受けられない力道山。勝ち過ぎるということも弊害を生み、結局は夢の頂点にあったものは何だったのだろうか、と彼の心中は計り知れないことが多い。そして、伝記映画におけるステレオタイプのサクセスストーリーとは一味違い、成功なんて永遠に掴み取ることはできないという悲哀を描いているような気さえするのです。「なんで笑えるんだよ」という言葉が重くのしかかるエピローグに思わず感涙いたしまた。 日本語はかなり上手かったソル・ギョングですが、朝鮮人であることを隠し通せるほどの流暢さはありませんでした。が、公の場で語ることも少なく、テレビも普及してない時代だから大丈夫だったのかもしれません。それよりも普段は台詞の少ない藤竜也が喋りすぎたためか、朝鮮訛りが伝染したかのようなシーンもあったような・・・ 【2006年3月映画館にて】
史実かどうかは置いといて、1人の男の物語としては切なくも豪快で波乱万丈な物語です。
過去に何度もDVDやCS放送で見ていますが、映画館で観るのは初なのと、同じプロレスを扱ったドキュメント「狂猿」の上映後に観れるとあって、改めて鑑賞しました。
ただ、何故「力道山」をリバイバル上映したのかが謎w
個人的には嬉しいけど、流れで考えれば同じドキュメンタリー作品でプロレスを題材にした天龍源一郎さんの「LIVE FOR TODAY-天龍源一郎-」の方がしっくり来ると思うんですが如何でしょうか?w
で、感想はと言うと…良いね。
やっぱり面白い。
力道山の破天荒かつ悲哀に満ちた、立身出世の物語が描かれていて、力道山役のソル・ギョングの熱演と脇を固める中谷美紀さんや藤竜也さん、萩原聖人さんがしっかりどっしりと盛り立てて、作品を良質に昇華しています。
藤竜也さん演じる菅野会長は物語にビシッと芯が入った感じで引き締まり、中谷美紀さん演じる綾が物語に柔らかさと暖かさを醸し出していて抜群のバランスかと。
菅野会長の懐の深さとユーモア。可愛がっている力道山を苦渋の決断で手離す際の演技は流石の一言。
また、綾が勝つのを続ける事で肉体的にも精神的にも追い込まれていく力道山に対して「…負けてください」と言う台詞は胸にグッと来ますし、神社で撮った2人の記念写真が良いんですよね。
個人的にはプロレスラー役で出演している武藤敬司選手、船木誠勝選手、故・橋本真也さんが良い感じ。
武藤さんはレスラーの中で一番映画出演が多いと思われるだけに達者。船木誠勝さんは力道山の史実を紐解く中で最重要事項に入る、木村政彦さんをモチーフにした井村役を熱演。故・橋本真也さんは東富士をモチーフにした東浪役で出演しているが、劇中で東浪のプロレスデビューの会見時に「腹の出た奴はプロレスで成功しない」と言う力道山の台詞は「破壊王」のキャッチフレーズでプロレス界のトップを張った橋本さんに対してのちょっとした皮肉もあって面白かった♪
他にも秋山準選手やモハメド・ヨネ選手。外国人レスラーのシャープ兄弟役でマイク・バートンやジム・スティール、リック・スタイナーが出演しているので迫力があるんですよね。
当時は無い技も随所に出て、力道山が放った場外への「プランチャー」なんて多分力道山はやった事が無い筈w でもいい感じ♪
「史実を元に独自の解釈を加えて製作しており、事実と異なる場合がある」とのテロップがスタッフロールの最後に流れますが、あくまでも史実を元にしたフィクションと言う立場で製作した韓国側の立場から見た「力道山」の物語なんですよね。
なので、劇中では元未亡人である田中敬子さんは登場しないし触れられていない。
故・ジャイアント馬場さん、アントニオ猪木さんの力道山門下では一番有名とされるお二人は劇中では登場せず、同じ故郷の故・大木金太郎さんは随所に登場している。
中谷美紀さん演じる芸者・綾は力道山の内縁の妻がモチーフとの事。
藤竜也さん演じる菅野会長も力道山の後援会長の新田新作さんがモチーフで萩原聖人さん演じる吉町もモチーフとなった人物はいるかと思います。
ここでよく言われるのが「何処までがフィクションなのか? ちゃんと史実に忠実に基づいているか?」との事ですが、個人的にはそんなに史実に基づいているかは重要視していない。
既に殆どの方々が鬼籍に入っていて、様々な伝記や書籍なんかで描かれている内容もそれぞれの立場とそれぞれの見方で多少なりとも変わると思うんですよね。
勿論、事実を180度ねじ曲げるのは良くないと思いますがそれぞれの立場の意見を聞いていたら、絶対に統制は取れないし、多分全ての人が納得の意見は出ない。
絶対の真実は「当の本人達だけが知っている」と思うだけに映画化の際に多少の脚色は必要と考えます。
事実を事実として流すだけならば、ドキュメンタリー作品で良い訳で、この辺りは「QUEEN」のフレディ・マーキュリーの半生を描いた「ボヘミアン・ラプソディー」のスタンスと同じ考え方かなと思います。
今から思えば、おおらかな時代でいろんな事が緩かったとも言えますし、今より様々な差別なんかは格段に酷かったと思います。
でも、遠い異国の地から日本に渡り、相撲と言う国技に殉じようとしながらも様々な差別や偏見が満ちていた事は想像に固くないし、いろんな苦労は並大抵では無かったと思います。
そんな時に出会ったプロレスの種を撒き、日本国中を巻き込んだ一大ブームにまでのしあげた力道山は紛れもなく「日本プロレス界の父」である事は紛れもない事実。
素行の面でいろいろと問題はあったと言われてますし、周りの方々の苦労は並大抵ではないかと。
それでも日本のプロレス界の礎を築いた最大の功労者であることは間違いないし、戦後の敗戦国の雰囲気を一変するかの如く、外国人レスラーを次々と倒す姿は国民に勇気を与えたと思うし、伝説の街頭テレビに1万人以上が集まったと言うテレビの普及にも大きく貢献したと思います。
また、あの時代があったからこそ、プロレスは今日にも根付いていると思います。
様々な先人達の成功と失敗。功績と苦労から成り立っている事を考えると、過去を悔いるよりも今がある事を認め様と思う方が健全で精神的にと良いかとw
「力道山の伝記映画はこれまで幾つか製作されていますが本作では朝鮮人としての側面にスポットを当て、キャッチコピーに『日本人がいちばん 力道山を知らない』」はそれで良いかと思いますし、何よりもこの作品は1人の人間の人生のドラマとしても面白いと思ってますし、こんな波乱万丈で豪快な人が居たと言う事が切なくも痛快かと。
今から15年以上前の作品で、もしかしたらいろんな偏見もあるかも知れませんが、とりあえず興味があって、未鑑賞でしたら如何でしょうか?
結構お勧めな作品ですよ♪
ホントはもっと非道いやつ
韓国映画です。力道山の人生を映画化、だいたいは実話のようですが、本当はヤクザとのズブズブの付き合い、ヤクザの報復、暴力、力道山もほとんどヤクザでしょう。 井村は木村で、レスラーの船木が演じてます。 痩せてます。有名なシュートを力道山が仕掛けた試合です。 東富士役は、故人 橋本真也で、彼が力道山役でも良かったかと感じました。 この橋本真也も、柔道の木村と同じく、小川直也よりシュートを仕掛けられて、負けてます。 よく似た試合です。 昭和30年代の会場の雰囲気が三菱ののぼりで感じられます。 この映画、日本でなく、韓国で作ってたのがポイントでしょう。 現在の日本では、力道山は北朝鮮のヤクザ、アンタッチャブルな人物でしょうが、昭和30年代は荒っぽい時代でした。
監督の描きたかったテーマが少しボケてるかな・・・
朝鮮人として日本に渡り、苦労して席取りからプロレスのヒーローへ。
自分の様なプロレスファンにはふむふむとうなずけるようシーンもあり
非常に玄人向けの映画かもって思いました。故橋本真也や秋山、舟木とか現役のプロレスラーが結構出ていましたね。
ソル・ギョング、中谷美紀の演技は素晴らしいのだが、やはり韓国の俳優の付け焼刃的な日本語のセリフは聴いていて違和感を感じる。
無理して韓国の俳優にしなくても良かったのでは?
もうひとつ、違和感は中谷美紀のはんぱない、綺麗さ。
あの時代の女性にしては少し美しすぎますね。
戦後のぎすぎすした時代を生きてきた純愛を描きたかったのか?
それとも力道山の裏も含めた歴史を知って欲しかったのか?
ひとりの反骨の生きざまを見せたかったのか?
監督のテーマが少し見えづらかった作品です。
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