劇場公開日 1958年3月1日

「騙されても快感が押し寄せるミステリー映画の傑作」情婦 Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5騙されても快感が押し寄せるミステリー映画の傑作

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

アガサ・クリスティとビリー・ワイルダーが生んだ映画の宝物。ミステリアスに登場するマレーネ・デートリッヒの唯一無二の存在感。この謎の女性に翻弄されながら着実にタイロン・パワーを擁護する巨体の老弁護士チャールズ・ロートンの貫禄の演技力、ヒッチコックに勝るとも劣らない演出技巧を披露するビリー・ワイルダーと、すべてがラストのどんでん返しの為に練られ精緻に組み立てられたミステリーの傑作品。演技巧者ではないタイロン・パワーまで名演を残す。デートリッヒは「間諜X27」に並ぶ代表作。負い目を持つ年上の美しき人妻、この難役を他に誰が演じられよう。最後、アットと騙された観客が、結果的に被告人デートリッヒの証人になれる、本編の語り口の巧さ。お見事です。

Gustav
マサシさんのコメント
2022年11月30日

悪女だけれども悲しい。
ユダヤ系のビリー・ワイルダーを指名したマレーネ・ディートリッヒに何か考えがあったのかと思っています。

マサシ
everglazeさんのコメント
2022年11月2日

列挙された作品の中では本作だけ観ておりました。作品別に俳優さんも評価されていて素晴らしいです。

everglaze