十二人の怒れる男のレビュー・感想・評価
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これ以上に好きな作品はない
いわゆる裁判もののドラマや映画は、とりあえず見る
その原点である作品です
裁判のシーンも殆ど無く、陪審員が閉じ込められた暑苦しい部屋の中で、淡々と進んで行く作品
正直、キャスト以外はどれだけ低予算なんだ?
と訝りながら、引き込まれてしまう
最初に見たのは、小学生か中学生の頃
起訴されれば、ほぼ有罪
報道や噂に流される思考
水は低きに流れ 人もまた、低きに流れる
真実を見極めようとすれば、自ずと見える筈
「疑わしきは罰せず」けれど
疑わしという事は、有罪の可能性がある
それでも、流れていく水の流れを
どうにか留めようとするたった一人の意思は
濁流さえも清んだ湧水へと導いて行った
司法とは、こうあるべきだ
偏見や歪みを乗り越えて、正しい道を
示すものであるべきだと
この映画は教えてくれる
法に関わる全ての人に、定期的に見て貰いたい
傑作
何時観ても何度観ても文句無しの名作。狭くて暑い部屋でただおっさんが議論してるだけなのに。いやだけじゃないけど。完璧な脚本。そしてこの作品を日本人の文化や性質に見事に置き換えて別の戯曲を書いた三谷幸喜もまた天才。
新参者のハマった落とし穴。。
とても面白かった。大多数が有罪という中で、議論のみで陪審員たちが無罪に転じていく、事件の描写も、法廷での論争も見てないけど、議論だけで事件の経緯も分かりやすく、白熱するやり取りも見応えありました!
が!なんというか、新参者が陥りがちな「あるある」と言いますか、実は目に止まったものから順番に映画を見ていった結果、「ロシア版十二人の怒れる男」⇒「十二人の優しい日本人」⇒本作という順に鑑賞してしまい、なかなか本作の斬新さやオリジナリティを正確に評価できない感じになってしまいました。。
特に、「十二人の優しい日本人」とは、出てくる登場人物の性格や言動がかなり似ていて、もはや新しい作品を見たという感覚自体が希薄でした。。しかも、「十二人の優しい日本人」は、陪審員が日本人で、日本人である僕には、こちらの方が見やすく、登場人物の心情も理解しやすいので、「十二人の優しい日本人」の方が面白かったと感じたのも正直なところ。。
なんだか古典名作に対して失礼な鑑賞となってしまい、恐縮至極でした。。新参者として、古い作品を鑑賞する難しさを改めて感じました。。
人間の心だけを描いた映画
・個人的な感情のメガネをかけて世界を見ている
・ラストに泣けた
・本当は被告に情があったが、息子を憎む気持ちでそれを否定していた
・そして自分のなかに抑え込んでいた愛を認めた
・なんで自分を大切にしてくれないのかという怒りの奥に、ものすごい純粋な人間の愛がある
・愛は湧いてしまうもの。誰もそれをコントロールはできない。
・民主主義の映画
・誰もが何を言ってもいい権利がある
・大事なのは、言っていることが、嘘のない言葉かどうか
・それを最後はみんなで見つめた
・葛藤している、だらしない、だめな、自分勝手で、わがままで、誰かを蹴落としたくて、そんな大丈夫じゃない人間模様をただ描いている。
これを映画にしたのはすごい
これを映画にしたのはすごい。
一部屋の中、見たわけでもない裁判の内容を、陪審員の面々が、思い出していく。思い出して、本当に有罪かを問い直す話し合いを延々と続ける、それだけの映画。
それを100分弱もの間、見ていられるかという話だが、これが、あっという間というくらいに短く感じる。
終わってみれば、スラムで起きたこの殺人事件は、乏しい証言にもかかわらず、日頃から品行の悪い息子による殺人と、かなり恣意的に決めつけられた判決だったのではないか、と明らかになる。最後は全員が確信を持って、「有罪とするには十分な証拠がないので無罪」と一致する。
たった一人が、「人の生死がかかった判決だから、(決めつけないで)話し合いましょうよ」という姿勢を貫いたからこそ得られた結論。
彼も、決して無罪の確信があったのではなく、「何か違和感がある」というのをそのままにして判決を出すのは嫌だ、という思いしかなかったという事実。
ためになって、面白い映画を、観た。今後も、ずっと残る映画なのだろうな。
アメリカ男子の縮図
色んなタイプのアメリカ男子の人間模様。名前は出てこないけど、一人一人個性が面白く、結末は予想出来ていても、各々の気持ちが次々に変わりゆく様は興味深かった。
同時に陪審員裁判の恐ろしさ、「疑わしきは罰せず」・・・考えさせられました。
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三谷幸喜がやりそうな映画だなぁと思っていたらリメイク?パロディ?やってるんですね。こちらも観たいと思います。
ググってみたら真犯人は〇〇の息子だ!と出ていましたが、深読みしすぎ?!だなぁ・・・
今見ても色褪せない、新鮮さすら感じる作品
ネットで面白い映画を探していたときに、名作だと名前が挙がっていたので視聴しました。
「白黒映画か」「60年も前の映画か」と、どこか斜に構えて観ていました。
しかし、観ていくうちにどんどんと引き込まれていき、最後まで全く飽きることなく観てしまいました。
12人のオッサンが暑苦しく雁首揃えて議論するだけの映画なのに、何故こんなに面白いのか。汗だくで熱弁する12人のオッサン達が何故こんなにも魅力的なのか。
「古い映画だから」と偏見を持たずに、騙されたと思って観てみてほしい。本当に面白いから。
めっちゃくちゃ面白い。
最後まで会議室から出ずに、ここまでの臨場感を作り出す役者陣のすごいことすごいこと。テンポからキャラクターから演出から何から何までめっちゃくちゃ面白い。
思慮分別の大切さ、感情的であることの愚かしさがよくわかりました。
舞台を見ているような作り、密室劇の神髄
始めて観たのは30年以上前高校生の頃。3本立てのうちの1本でお目当ての映画ではなかった。
ところが登場人物も少ない白黒の映画にあっという間に引き込まれ、二転三転する男たちの意見に、無罪なのか有罪なのかドキドキしながら見た記憶があります。
その後何度か見返してこの映画の素晴らしさが改めて分かったような気がします。
まず俳優たちの演技が素晴らしいですね。それぞれの人の個性が際立っていてアメリカ人のことをそんなに知らない私でも、実際にこういう人物がいそうと、すんなり受け入れられました。クールでありながら正義に対する情熱を持っている8番(ヘンリーフォンダ)は何よりかっこよかった。
演出は最小限の情報を小出しにすることで、観客の想像力を掻き立て、そのあとの展開が気になり前のめりにさせる。こういった手法は映画作りでは基本的なことかもしれないが、ここまでシンプルに作って成功している例は、未だ見たことがないですね。(下手をすれば序盤で観客が興味を失ってしまうリスクがある)
それから計算しつくされたカット割り。時には長回しがあり、いつの間にかスッとカットが入っていたり。舞台を見ているときの観客の視線を意識しているように感じられる。
密室劇の金字塔
社会派監督で知られるルメット監督の出世作
密室劇と言えば誰もが本作を挙げる映画史上に残る名作中の名作
ほとんどのシーンが12人の陪審員が殺人事件の判決を決める小さな部屋だけ
それでいながら私達は画面から目を放せない
凄まじい集中力で観客をラストシーンまで牽引してみせ、カタルシスまで与えてくれるのだ
絶対に観なければいけない映画のひとつだ
男たちの激論
DVDで鑑賞(字幕)。
殆どのシーンが陪審員控室で進行し、少年による父親殺しの裁判の判決を巡る陪審員たちの議論が繰り広げられました。
議論を交わす中で陪審員たちの背景が浮かび上がる構成が良く、密室劇・会話劇ならではのドラマが見応え抜群でした。
陪審員8号だけが無罪を主張し、固定観念を捨て去り理路整然と組み上げられていく彼の推理によって、徐々に他の裁判員の意見も変化していく様がスリリング。
陪審員8号の熱意に心打たれました。陪審員への取り組み方も様々な面子に粘り強く語り掛け、自らの想いを籠めた推理を元に議論を展開する姿がカッコいい。
証拠物件を精査し、凝り固まった視点を解きほぐしていくことで、新しい事実が浮かび上がりました。意識を変えることで見えていなかったものが見えて来る…
※修正(2023/07/03)
飽きない名作
名作中の名作。
役者の自然な演技とか重くない程度の緊迫感がたまらん
それぞれ十二人の男性の「個性」が全然それぞれと違っていて、
ちゃんと「個」が出ていて素晴らしい。
十二人もいるとひとりくらい忘れそうなのに全員普通に顔(名前)が出て来る(笑)
陪審員制度、始まってもうどれくらい?やりたい!絶対やってみたい!仕...
陪審員制度、始まってもうどれくらい?やりたい!絶対やってみたい!仕事もサボれるし(笑)しかし、周りでやった人とかあんまりいないなあ、なぜだ?
陪審員制度啓発はこの作品一つで十分。
話し合い、始めは酷いもんです。遊んでるやつもいる。早く終わって帰りたい奴もいる。どっかの職場の会議みたいです(笑)
ストーリーが進むにつれ、どんどんのめり込んでいきます。いい加減だった人を含め、意見が変わっていく過程が面白すぎます。そして結末は…
必ず見るべき名作です。ドラマや演劇でもあるようです。それだけ話が面白いんです。
教訓
・議論はなるべく感情的にならぬよう注意しなければならない。しかし、場面によっては感情が効果的なこともあり。バランスが難しい。
やはり話が上手な人は得ですね。この映画は正義なのだが、口の上手いだけの弁護士とかにたぶらかされる場合もいっぱいあるんだろうなと、ちょっと制度への疑問も感じたりもしました。
私生活でもおおいにありそう。真実を見抜く冷静な判断力を身に付けたいものです。
一言の重み。
父親殺しの容疑の少年の命をかけた判決の行方は12人の陪審員たちの手の中に。一室の中でのやり取りを描いた一作。
言葉によって紐解かれていく真実。
多数派に立ち向かう一歩と堅実に踏みだす2歩目。
淡々と進む作品ですが、目と耳を研ぎ澄ましてしまいあっという間の時間でした。
緊張感の果てに流れる音楽も秀逸でした。
初めてのモノクロ作品。いつの時代においても共感のおける一作なのでは。
シンプル
内容はとてもシンプルですが、とても楽しめるし為になる作品でした。
証拠を反芻して意見を言い合うだけなので密室での会話劇ですが、舞台でいいのでは?と思える映画もありますが、これは映画だから良いのだと思います。
まず冒頭ののスムーズな登場人物の何気ない会話でキャラクターがわかります。
そして議論が始まると実際に議論をした際のあるある、偏見、思い込み、強弁、放棄、人格攻撃、論点のすり替え、ずれ、事実と意見の混合、根拠の無い主張などなどが各キャラクターに合わせて繰り出されます。
そして前提のずれ。
無罪というのは映画冒頭や主人公が言っているように「殺していない」ではなく「殺したと確信できる根拠がない」ということで、
「どこまでを確かであると見なして共有し、
どこからが意見の相違となるか」
を合意しようとしただけ。
他の陪審員は徐々に根拠が曖昧なことに気づき、自分の意見に自信がなくなったり苛立っ行く様子が表情や態度に表れてきます。
悪態をつかれた主人公が心配された時に返した「(あの人は)普通の人ですよ」
上記のようなことは会議などで本当によく遭遇するもので、自分の意見通すのに必死で、客観的には分からない事が多いですものねぇ(自身も含め^^;)
天気や扇風機などの演出で議論の白熱、暗礁に乗り上げた感じ、終わったあとなどの晴れやかさが伝わってきます。
謎ときとして観してまうとさほど驚くようなものではないですが、観るべきものはたくさんあると思います。
自戒のためにも繰り返し見たくなる、そんな映画でした。
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