劇場公開日 2002年2月2日

「ハネケ、不快で観ていて落ち着かない気持ちにさせる天才。」ピアニスト maduさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ハネケ、不快で観ていて落ち着かない気持ちにさせる天才。

2023年9月7日
iPhoneアプリから投稿

ハネケ、不快で観ていて落ち着かない気持ちにさせる天才。
ファニーゲームほどの、強烈さはないけど
人間を生物と捉えて観察する冷たい目線はヨルゴスランティモスへの影響を感じる。
(ファニーゲームと聖なる鹿殺しはかなりの近似性があるし、籠の中の乙女はピアニストに似ている)

説明的な部分が少ないのに、ここまで人間を追い詰められるのが、すごい。
ハネケの好きなところは、男である女であるとゆう前に人間とゆう属性であり、人間も動物であるとゆう
冷めた平等さが心地よく。
不幸や不満や暴力を前にしていかに人間が無力で
愚かなのかと体感できることと、そんな無慈悲な映画なのに人間が美しく写されてる所。
とくに男女それぞれの美しさが、いわゆる普通の異性愛的表現から離脱してる感じが良い。

エリカの異常さと、自らを守る為に作った壁の厚さと、
妄想と現実の乖離への絶望が全て描かれているのにびっくりした。男性のハネケが何故ここまで理解して描けるのか、、、観察と想像の賜物なのか。

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madu