パフューム ある人殺しの物語のレビュー・感想・評価
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彼は天使なのか、悪魔なのか…
前々から気にはなっていた「パフューム〜」を鑑賞…ベン・ウィショーが素晴らしかった!
超人的な嗅覚の持ち主、グルヌイユ(ベン・ウィショー)。
フェロモンに誘われるがままにユラユラと群がる蛾を想像した。
初めて この上なく心地よい香りを放つ女性と出会ったが、彼の中の予期せぬ出来事により、女性を誤って殺してしまったことで、その香りを再現すべく 次々と女性を殺めていくが、その姿に余り狂気を感じなかったのは、グルヌイユの無垢な存在故なのか…。
人殺しなのに、何故か共感してしまう自分に恐ろしさを感じつつも、初恋の“香り”に全てを捧げ、その香りの様に 地上から消え去ることを選んだグルヌイユに、哀しくも心の平安を覚えた。
彼を食い物にした人間は、ことごとく命を落としていったけれど…一体彼は何者だったのだろう…。
芸術作品
再鑑賞。不思議な芸術的作品ですね。ウィショー君だからこの変態さも許せると言う感じですね。もうちょっとコミュ力があったら何も殺害しなくても香水作れたんじゃない?とかツッコミたくなりますが...。ダスティンホフマンが香水のついたハンカチをヒラヒラ〜ってするところ好きです。全体が薄汚れて汚い背景の中に、黄色いフルーツや赤い薔薇が鮮やかで美しかったですね。
聖と俗のさじ加減
むかしワインの仕事をしていました。
香りへの感受性の開拓。そして味覚を言語化する訓練。その中で出会った大著でした。
原作とこの映画作品は、香りそのものへの記述が少し物足りなかったかな。
大著から繰り出す壮大なドラマを経てイメージされる香りよりも、小さな紙片に綴るソネットのほうが僕は香りの表現としては好みです。
それでも興味深かったのは、グルヌイユの醜い容貌と臭気が民衆を争乱させる聖なる香りに隠されていた媚薬であった、ということ。
つまり、パフュームに秘められた屍の匂いや汗・体臭が実は人間の本能を虜にする隠し味なのだという事実です。
ワインのテイスティングの表現にも「革の匂い」「濡れた犬の匂い」なんていうのもあります。
「悲しみを流してくれる雨の香り」というお線香も・・・
《嗅覚》という原初の感覚は突然に古い記憶を呼び覚まし心にさざ波を立てる。これは誰もが思い当たる経験だと思います。
☆☆☆★★(1回目) ☆☆☆★★★(2回目) 《注意》かなり偏った...
☆☆☆★★(1回目)
☆☆☆★★★(2回目)
《注意》かなり偏った考え方をしています。
外国映画。特にヨーロッパ系の作品を観た時に、極まれにですが「これって、キリスト復活を願って製作されているのでは?」…と、思う事が度々有る。
…等とほざいたところで、キリスト教に関しては全く無知なのですが(-_-;)
この作品では、単なる連続殺人鬼の男の話で在りながらも、終盤で処刑されそうになる刹那。それまでに創り上げた渾身の香水の香りにより、多くの民衆が彼にひれ伏す。
更には彼がその香水の香りを一振りすると、全員が【愛と平和】の世界に包まれる。
そして産まれた土地で在るパリへと戻り、自ら飢えた民衆の餌となり消えゆく。
その瞬間にこそ彼は、人々の信仰の対象として記憶に残って行く存在となる…とばかりに。
思えばこの監督は、処女作の『マリアの受難』での強烈なグロ描写で世間を驚かせたが。その辺りは本編でのパリ編のグロさと対比して観ると面白い。
大体《マリアの受難》と謳っている時点で、キリスト教との因果関係が内包しているのは明白じゃあないのかなあ〜?…と。
『ヘブン』での効果的な俯瞰撮影では、まるで神の視点の様に見え素晴らしかった。
今回、久しぶりに『パフューム…』を観直した訳ですが。その2本が奇妙に混然一体となった快作になっている気がしました。いずれは再評価されて然るべき作品なのでは?と思います。
初見 丸の内ピカデリー
2019年4月6日 シネマブルースタジオ
処刑台で香水を振り撒くグルヌイユのシルエットがエスパー伊東に見えた
エロティックなブラックファンタジーなどと、この映画を形容する言葉を探そうとしてもしっくりくるものがない。冒頭の処刑判決シーンからも繋がるラストの性の饗宴が強烈すぎるからだ。“禁断のベストセラー”という名にふさわしく、750人の舞踏集団“ラ・フラ・デルス・バウス”による圧巻のパフォーマンス。夢にまで出てきそうです。
“香りを映像化した初の映画”などと謳っていれば、ある程度身構えてしまう。映画館へと出かける前にしっかり入浴して自分の臭いを消し、しっかり鼻をかんでおいて匂い映画を体感しようと意気込んでの鑑賞になったものの、夕飯に食べた焼肉も気になってしまうほど。しかし、最初は悪臭漂う市場の映像で攻めてくる。これが18世紀のパリの現実なのか・・・と、匂いを感じ取ろうという気持ちさえ失せてしまうのです。
ところが、主人公ジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)が香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に師事する辺りから、館内の空気も変化し出す。バルディーニがホワ~ンと妄想する世界では明らかに匂いが感じられた。『チャーリーとチョコレート工場』のチョコレート効果よりも短かったけど、この一瞬の感覚が忘れられない。グルヌイユが最初に出会った赤毛の少女の匂いは想像も出来ないのですが、全体的には匂いを体感するよりも想像力を与えてくれる映画でした。
パリの貴婦人のために香水を調合して成功を収めた部分はほんのわずか。それよりもグルヌイユが自分の欲望のために運命の香りを保存することが大きなテーマとなってくる。彼を惑わせたフェロモン。それを保存するためには蒸留法ではなく冷浸法が必要と教わり、学ぶために向かったグラース。町の周りにはラベンダー畑。ラベンダーの香りによってタイムトラベルすることなく、彼は女性を殺して匂い収集を始めるのだった・・・(なぜか女性は処女じゃなきゃダメみたいだったが、最初に売春婦を使って実験するという徹底ぶり)
連続殺人の展開は、グルムイユに体臭が無いという特異体質や何キロも先の女の匂いもわかる超人的能力によって緊迫感はさほどなかった。しかし、無表情で次々と殺すことに悪意がないところはさすがに怖い。完全なフェロモン・コレクター。マッド調香師。捕らえられても、自分の欲望のために出来上がった香水をふりかける・・・さすが、エスパー・グルムイユ。
視覚と嗅覚
ベン・ウィショーは適役だと思った。でも一気読みしてのめり込んだ原作の興奮は映画からは得られなかった。小説冒頭でこれでもか、これでもかと延々と描かれる悪臭の世界は読んでるだけで気分が悪くなるほどで、その中に生まれ落ちる主人公ー不気味な赤ん坊ーというのが効いている。読者も当時のフランスの真っ只中に居る気になって、リアルにいろんな匂いや臭いや香りが渦巻く。視覚が脳内嗅覚の世界を弱めてしまうのか、映画に向いてないテーマなのかなあ。話はすごく面白いんだけど。
なりたい者になれ!!
長いですが、大人の絵本のような抜群の雰囲気を楽しむ映画だと思います。自分が、なりたい者になるのに生まれや常識、時代、雇用情勢は関係ない事が伝わってきました。師匠に認められるシーンが個人的にはピークでした。
変態の話かと思ったら…
特殊な才能を持つ変態の話かと思ったら、人間の姿を借りたイエスキリストのアンチテーゼ的存在でした。
はたまた、人間の欲深さを解放する為に送られた者なのか。映画界の快挙ともとれる宗教画的大衆乱行シーンは、シュール過ぎてどういう気持ちで見ていいのか分からなかったな。
人々に性欲を解き放った時、この匂いを漂わせれば国王も言いなりにできる言わば神的存在にもなれたのに、その瞬間は初めて匂いを留めておきたいと願った彼女と愛を分かち合えたらばと涙を流し、1人の人間として決して愛されない悲しみを感じているのが印象的だった。衝動で匂いを狩る無垢なモンスターが、初めて人を愛する事を知ったシーンともとれるかな。
正直、人知を超えた存在ではなく特殊な能力を持つ無垢な変態の話で完結してもよかったな〜と個人的には思った。
兎にも角にも、最初の数分で吐き気を催しそうな出産シーンに大衆乱行シーンといい色々な映画を見て来た私でさえ仰け反る様な衝撃的で美しい図ばかりで新鮮でした。
最後がかなりがっかり…
サイコパス主人公。出だしから飽きることなく順調に話に引き寄せられていきました。
最後どーなるんだろう?!っと期待していたのと、他の映画に比べて長い時間の映画だった故に、見終わった後は納得がいかず、
あー時間がもったいなかったかも…とゆう気持ちになってしまいました。
意外にグロテスクなシーンが無いので目に焼きついて気持ち悪くなる。とゆうことはなかったです。
途中まで良かったのに最後になっていきなりツッコミ所の多い映画です。
処刑されるはずの犯人がなぜ貴族のような格好で登場したのかも謎です。
いきなり最後、魔法使いのような完結にするしかなかったのでしょうか?
おとぎ話を望んでこの映画を見始めた訳ではないので主旨が脱線してしまって残念でした。
純粋な狂気
モノローグが多くて映画だけど、物語も相まって本の読み聞かせみたいだった。
不思議な感じ、どう観たらいいかイマイチよく分からなかった。
主人公に肩入れするわけでもなく、悪いヤツだけど、変な性癖を持った故の悲しい運命とも見れるし、純粋故の狂気とも捉えられるし、主人公は何だったんだろうと考えている。
これ以上ない香水を作って満たされると思ったら満たされりどころか、誰にも愛されない自分に嫌気がさしたのだろうか…
ダスティンホフマンと香水を作る所が一番ワクワクした。
ラスト前の処刑シーンは圧巻だった。
・・・純粋過ぎるが故の、残虐さ。
産まれながらにして、ずば抜けた嗅覚を持つ男。
彼は、香りの保存方法を知りたいと渇望し、
やがて、有能な調合師と出会う。
だけど、彼が保存したいと思っているのは、
美しい女性から発する香り、体臭だった。。。
・・・純粋過ぎるが故の、残虐さ。
香りは、想像するしかないのが、すごく残念。
特に最後の、凄まじい数の人々を虜にした香りなんて、
いったい、どんな香りだったのだろう・・・?
そうして! ダスティン・ホフマンが出ていた!?(≧∇≦)
今回、観たいリストの古い方から借りて来たのだけれど、
正直、どうしてこれを観たいと思ったのか全く覚えていなかった。f^_^;
だけど、判明。
ダスティン・ホフマンが、出ていたんだ。
だから、観たいリストに入れてたのかぁ。(^w^)
そしたら、ハリー・ポッターのスネイプ先生(アラン・リックマン)も出ていた!
魅惑の香り
どことなくお伽話を思わせる絵作りと進行。話自体は突拍子も無いトンデモ話なのだが面白かった。匂いが無いから愛され無かった的匂い絶対主義をスルーして見れればw他者に受け容れて欲しかったんだね。愛は己を満たす為のものじゃない。ソドムとゴモラもびっくりなラストシーンは圧巻。
狂気が満ちている
すごいです。
発想やばいです。
久々に狂気に満ちている映画見ました。
ラスト数分、狂気の渦ですよ。
余計なことを排除して
ひたすら1つのことを描き続ける潔さが、
この主人公そのものでした。
確かに、エンターテイメントとして、
ハッピーエンドかアンハッピーエンドかを期待して見たら
なんだよそれってなるかもしれませんが、
ここまで潔い映画はそう無いような気がします。
映画の殆どが拷問のパッションくらいの狂気です。
殆どしゃべらない主人公がすごく良いです。
普通の映画に飽きた人には良いと思います。
ステータス全振り男の一生
ある能力値にステータスを全振りしつつ生まれてしまった、1人の男の話。
シリアスとギャグの間を全力で突っ走ってる感じの映画だったように思う。ひとことで言うと、シュール。笑
序盤こそ「ある人殺しの物語」の名にふさわしいサスペンスだったけど、中盤〜後半にかけてのスーパーストーキングタイム&謎乱交パーティは展開の凄まじさと無駄に力の入った演出(狙い通りなんだろうけど笑)が相まりシュール過ぎて爆笑してしまった。
まあ、シュール部分は副産物で主題は違う所にあるんだと思うけど。笑
内容に関しては、ジャン・バティストは香りの保存方法を発見出来るのか?というワクワク感や、ローラ(とお父さん)はジャンの魔の手から逃げ切れるのか?というハラハラ感が常に続いて、常に緊張して楽しみながら最後まで観る事が出来た。ストーリーがちゃんと作り込まれていて、観る人を飽きさせない映画だと思う。
ストーリーも良かったけど、雰囲気も結構好み。童話を読み聞かせるような語り口のナレーションと、リアルかつどこかファンタジーのような舞台装置・映像で、世界観に没頭できる。
安定して楽しめる映画を観たくなった時に、また観るかもって感じの映画。
これは、観て良かった。笑
ここまでシュールな映画,めったに出会えないよ
高校生の時にみました
結構記憶に残ってます。
究極の香りってのが完全にキーなわけで
その香水を完成させるために必要な綺麗な女の人を殺害していくのです。
なんか究極の香りで狂った市民がみんなで乱交してた。
ちょくちょく想定外なことが。
最後は主人公が神すぎて想定外。
でもここまでシュールな映画,めったに出会えないよ
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