真珠の耳飾りの少女のレビュー・感想・評価
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絵画を主題にした映画の中では最高峰
フェルメールの三十数点の作品から導き出された物語が素晴らしい
もちろん物語の全てがフィクションです
しかし彼の作品の登場人物が、その作品から見て取れる人となりとその人物背景が、説得力を持ったキャラクターとして実体化して映像の中で生命を得て、まるでジグソーパズルが完成したような物語を紡いでいます
もちろん真珠の耳飾りの少女のモデルとなるグリード役のスカーレット・ヨハンソンの白い美しさ、佇まいの似方は凄まじいほど
牛乳を注ぐ女のモデルの先輩メイド役も絵から抜け出たかのように体格、性格、立ち振舞い、言動
何もかもそのものです
いけすかない奥様役も真珠の首飾りの女そのものです
絵から伝わる彼女の人格がそのまま実体化しています
そしてワイングラスを持つ娘にワインをすすめる男も登場するのですが、まさに絵の意味が説く通りの行動や言動をします
そしてワイングラスを持つ娘の方は登場しませんが、彼女のこの先の運命も語られるのです
役者の似ていることは正に驚嘆するレベルです
フェルメールの絵画好きなら、作品の舞台となるアトリエ、その窓、机に掛けられたクロス、床の市松模様のタイル
それらが彼の作品と同じような光線の中で映像として写し出されたならば、それだけで感激せざるを得ません
さらには彼の作品製作の秘密兵器カメラ・オブスクラまで登場するのです
フェルメールの最大の特徴であるウルトラマリンブルーについても、それを購入し調合するシーンや、その色のターバンが登場するシーンがあったりとポイントをしっかり押さえています
(字幕が単に群青となっているのは残念な限りですが)
そして真珠の耳飾りに焦点を当てたエピソードを軸にクライマックスを迎えます
文字こそ読めないものの、光の中のいくつもの色を理解するグリードとフェルメールの間の芸術を介しての心の共振が、二人の手が触れるか触れないかのシーンで表現されます
そしてピアスの穴を耳に開けるシーンの官能さはどうでしょう
ピアスのシーンは処女の破瓜と出血の暗喩そのものではないでしょうか?
それゆえに彼女はすぐにピーターのところに走って抱かれたのだと思います
運河沿いの肉屋や肉屋の息子ピーターが飲んで遊んでいた居酒屋などの街並みのセットや美術も素晴らしいものがあります
フェルメールの家やアトリエだけでなく、17世紀のオランダの街デルフトを完全に再現してくれています
時代は1世紀ほど遡りますが、ブリューゲルやヒエロニムス・ボスの作品に見ること出来るのその時代の街の光景と市井の空気感が映画の中にあります
絵画を主題にした映画の中では最高峰と言える作品だと思います
2018年~2019年のフェルメール展ではこの真珠の耳飾りの少女は見ることは叶いませんが、本作を観て気分を盛り上げてから展覧会に行ってみてはいかがでしょうか
もしかしたら絵画の登場人物が貴方に話しかけ、新しい物語を紡ぎだすかも知れません
フェルメールがコリン
久しぶりの再視聴。フェルメール役はコリンだったんですね!若くてセクシーです。
とにかくスカーレットが透き通るような白い肌で美しい!純潔さが溢れ出ています。
肖像画の真珠の耳飾りの少女そのまんまです。
何と言ってもフェルメールブルーがとても綺麗。
ストーリーも美しく描かれており、まあ意地悪されたりしますが、ラストのが贈り物の包み紙がまたブルーとイエローで終始美しかったです。
絵画の世界
ひとつの絵からインスパイアされた作品。画家のフェルメールと絵のモデルの召し使いの少女の、なんとももどかしい関係。
このスカーレット・ヨハンソンの透明感のあるシンプルな美しさは、まさにこの絵のイメージにピッタリ。世界観はとても素敵。
ただ、凝り固まりすぎて動きがないかな…。時代背景や役柄上、敢えてだと思うけど。主人公の彼女が笑うシーンはほとんどなく、泣く時も怒る時も静か。ラストもなんとも。。。まぁ好みの問題だろう。
映画館でみたかったな
鑑賞前にはもっと芸術家のエゴみたいなのにふりまわされちゃう話かと思っていましたが、芸術家のリアルな苦悩がバックに描かれていたりしておもしろく楽しめました。
スカーレット・ヨハンソンの美しさや映画全体の雰囲気を映画館で堪能したかったなと思いました。
最後の修羅場での二人の間の空気がなんとも切ないです
恋愛とは違う二人の関係がにじみ出ていて心に残りました。
色や光、時間の流れ方が穏やか。 スカーレット・ヨハンソンの役柄とそ...
色や光、時間の流れ方が穏やか。
スカーレット・ヨハンソンの役柄とそれに伴う衣装が控えめなのが、かえって彼女の艶っぽさを引き出したように見えた。
心に残る作品
内容が面白いとか感動した訳ではなく、フェルメールや有名な画家が描く背景が映画になっているので、不思議な気持ちになれます
映画は見直す事は少ないのですが、この映画は繰り返して鑑賞してしまいました
色調や光がきれいで、静かなエロスを感じられる作品。スカーレット・ヨ...
色調や光がきれいで、静かなエロスを感じられる作品。スカーレット・ヨハンソンの透き通るような白さが際立っていた。もう少し、コリン・ファースの見せ場が欲しかったかも。
ミュージカル映画というものがあるのなら、絵画映画と呼ばれるものがあ...
ミュージカル映画というものがあるのなら、絵画映画と呼ばれるものがあってもよいのでは?この映画はフェルメールの展覧会に行ったことがあるかないかで、全く感想が違うだろう。
総合芸術
真珠の耳飾りの少女(2014-12-26)
★★★★☆
フィメールの真珠の耳飾りの少女は、なぜあんなにも人を引きつけるのだろうか。
何か見透かされたような目と言いたげな唇青と黄色の静かなコントラスト
その全ての魅力を最大限に引き出し、さらに多くのプラスアルファを加えたものがこの作品である。
スカーレット・ヨハンソンは相変わらずの美人であるが、この作品では色っぽさをましている。
口で口説くとか、身体であからさまな表現をしているとかではないけれど
だからこそなおさらの甘美な甘さが感じられる。
しっとりとした目つきだとか、髪を見られたときの表情だとか
共感してくれる人が欲しかったんだろうな
自分の妻に「そんなこと」と言われることを木にかけてくれる存在がどれほど貴重で且つ待ち望んでいたか
これは愛情だとか欲情だとか そんなレベルの欲求ではないのだ
1時間40分をかけて1枚の絵画を見ている感覚
最後にクローズアップされる真珠の中身に入ったように錯覚をした
瞳に魅入られている私は、また瞳の中に存在しているのだと
美しい。こんな映画好きです。
ずっと前から観ていなかった映画。
やっと観ました。
思いの外、美しい映画。
釘付けで観てしまいました。
スカヨハだったのですね。
ファンなのに気づかなかった・・・・・。
美しすぎるくらい美しい映画でした。
実際の運河は汚いのだろうでしょうが・・・
美術の謎に対する一つの解釈だが、ちょっと時間を持て余す
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
フェルメール作品を分析して、光がどの角度からどのように当たっているのか、絵はどのような状況を描いているのか、使われている絵具は何かなどということを明らかにする研究家がいる。この作品はそのような数々の研究成果を劇中にひっそりといくつも取り入れていて、美術好き・フェルメール好きな人には美術的観点から興味深い点もあるだろう。場面場面にフェルメール作品を意識したと思われる情景をそのまま映してくるのも、それらへの造詣が窺われる。
自分もフェルメール作品が好きで「真珠の耳飾りの少女」が収蔵されているマウリッツハイスをはじめとする美術館を見て歩いているので、その意味では再現された当時の生活と雰囲気も合わせて楽しめた部分もあった。
でも物語としてはそれほど大きなこともなくて、美的感覚を共有した大天才画家と少女の二人の一瞬の触れ合いと、この謎多き絵画誕生の一つの解釈だけ。実際は絵の中の少女が誰なのかは未だにわかっていないのでこれはこれでいいのだが、ちょっと時間を持て余し気味だった。
絵画のような映像です。
絵画制作秘話。
フェルメールは作品が少なく、生い立ちは謎に包まれている。が、彼の作品を探ろうとすると違和感がある。画中の男女にはいつもそれ以上立ち入ってはいけない秘密を感じてしまうのだ。この映画もそうだった。
画家と使用人の不思議な関係。決して恋愛では無いけれど、そこには色を混ぜて新しく作るような・・・化学反応が起きている。
この微妙な空気感を見事に演じきった主演の二人の演技がすばらしい。スカーレットヨハンソンは絵からそのまま飛び出したモデルのごとく、また口下手なフェルメールが耳飾りをそっと贈る優しさに最後は静かな感動を呼ぶのである。
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