きみに読む物語のレビュー・感想・評価
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でも知ってるかね?神の力は、科学の限界を超える
映画「きみに読む物語」(ニック・カサベテス監督)から。
さすがに、全米でロングラン・ヒットを記録した作品だけある。
久しぶりに胸が熱くなり、鑑賞後、傍にいた妻の手を握った。(涙)
病状の悪化を出来るだけ遅くするしか処方がない、
そんな「認知症」は治らない、と、私は知識として知っている。
それを、ある物語の読み聞かせを、献身的に繰り返すことで、
ほんの一瞬であるが記憶が戻った話、と言えば簡単だが、
その物語には、多くの心が動く会話、風景があった。
「認知症」の症状を告知されても、医師に向かって男性は答える。
「でも知ってるかね?神の力は、科学の限界を超える」と。
「愛は、不可能を可能にする」、そんな言葉に等しいのだろう。
この作品を思い出すには、相応しいフレーズだと思う。
部分的には、ラスト間近の夜の療養施設シーンが好き。
当直勤務をしているナースが、彼女に会いたがっている彼に呟く。
「今夜は会わせられないわ。お部屋に戻って。(義務的に)
私は、コーヒーを入れてくるわ。しばらく席を外すけど、
バカはやらないで」(私の知らない間に、会ったということにして)
映画だから、と割り切るのではなく、この粋な計らいが、私を喜ばせた。
また数年後、観直したいと思う作品のひとつである。
女性なら観た方がいい。男性は観ると後悔する。
なぜなら号泣しちゃうし、昔の過去思い出してぼーっとしてしまうから・・・。
それ位、印象が強く、脚本のプロットがしっかりしていた。音楽や、脇を連ねる俳優も良かった。何といっても一瞬一瞬の恋愛のエネルギーを表現した若きアリー役レイチェル・マッカダムズは素晴らしい。。全身全霊をかけて人を愛し、傷つく2人の姿を一緒に観た高校生の娘の方がドライに観ていたけど、自分の昔に投影してしまい涙が出そうでした。でも純粋な恋愛って日頃忘れてるし、なかなかみないこの世の中だからたまにはこういう映画っていいと思う。最後まで妻を娶ったノア爺さん、あんた大したもんだよ。おれにはできねぇ・・・・。
ライア~~~~~ン!!
ベッタベタの純愛物語は苦手なのですが、ここまで臆面もなくベッタベタだと逆に爽快。
アリー役のレイチェル・マクアダムスは童顔なので、思春期時代は溌剌として可愛らしいが、成長してから愛に悩む"大人の女性"の雰囲気が出せていなかったと思う。だいたい婚約している身分なのに初恋の彼にのこのこ会いに行くなんて軽率な女としか思えないし…なんでこの女をずっと思い続けているのか、ノアは初恋の思い出を自分の中で勝手に美化しているとしか思えないのだが。
2人が無事結ばれてから一気に老年期に話が飛んでしまうのも、男女が一生一緒にいるってそんな甘いだけのものではないと思うのだが。認知症の介護ってもっと過酷だし。
…とかつっこみたいところは多々あるのだが、それらを消し去ってしまうライアン・ゴズリングの長身と甘いマスクの魔力恐るべし。
やっぱり優しいニック・カサヴェテス監督
『私の中のあなた』のニック・カサヴェテス監督によるアメリカ(ハリウッド)らしいと言えばそれらしい恋愛映画。
しかし、純愛物のベストセラー小説が原作だからだとか、そういう肩書きはどうでもよくて、『私の中のあなた』同様、ニック・カサヴェテス監督の映画は、重いテーマを題材としながらも、どこか暖かく、観る者を包み込むような優しさを秘めている。
ただ単純に「あぁ素敵やな、こんな恋愛だったり、こんな老後もありなのかもしれないな」と、思いました。
相手役がアルツハイマーだとか、それだけなら韓国映画の「私の頭の中の消しゴム」とかで、全然泣けるんですよ。
「私の頭の中の消しゴム」は、アレはアレで素敵な作品やと思うし、大好きな映画です。
しかしこの映画に流れるテーマは、あくまでも365日手紙を送り続けたり、美しく若い時であろうが、老いて老けて見た目も変わり病気で記憶が無くなり自分という人間を忘れられようが、永遠に愛するという純愛、それだけなんですね。
アルツハイマーだとかは、結果でしかなくて、だから嫌いになるとか、そこに涙があるわけではなくて、そこにあるものは、溢れんばかりの一途な愛。
観ながら確かに涙もあるんやけども、観終わった後にあるのは、ある種の清々しさなんですよね。
潔いまでのアメリカ映画ぶりと言いますかね。
純粋に愛を読む男性に、純粋に愛を聞きたがる女性…
だからと言って、アルツハイマーという現実は変わらず、特に奇跡がおこるようなこともなく、その後に関して辛いことや苦悩もあるであろう含みを現実として捕らえて残しているんですよね。
泣けるとか感動できるとかは別物として、現実を優しく包み込む器量こそに、深く感銘を受ける映画でございますし、単純に素晴らしい恋愛ものの映画です。
また、レイチェル・マクアダムスが、美しい!
純愛もののラブストーリー系の映画が大好きという女性の方は勿論のことながら、男性が観ても全然イイ映画だと思うし、世代も問わないので、結局、老若男女問わずオススメできる映画でございます。
安心して泣ける純愛映画
老人養護施設で暮らす老女。彼女は過去の記憶を失っていて、家族のことですら判らないような状態になっていました。
老女の夫は、妻に「ある若い男女の物語」を毎日、読んで聞かせます。それは、良家に生まれた娘と貧しい青年の身分違いの恋の物語でした。そして、年老いた夫婦に、ある奇跡が起きます。
観ている方が恥ずかしくなるくらいのコッテコテの純愛映画です。
でも、ラストシーンは本当に泣けます。
観ていて「こんな夫婦になれたらいいなぁ」と純粋に思えた作品でした。良作です。
ただ、人によっては、若い娘と青年の行動が気になるかもしれません・・・。僕も、ちょっとだけ「え?」と思うところがありました。
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