誰も知らないのレビュー・感想・評価
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YOUが役にはまりすぎてて、嫌いになりそう笑
なにげなく見始めたら、目が離せなくなってしまった。
セリフは極端に少なく、子供たちをただその状況に追い込み(説明し)、その動きを静かにカメラでおっていった感じ。
手の先とか、足の先とかだけをフレーム内におさめた画がとても雄弁で、印象的。
ありえないと思いたい設定だけど、本当にあった話。
その子供たちの生き様をあれだけリアルに描き切ったのがすごい。
どこまでも健気で純粋で。
兄弟がいたから踏ん張れたんだろうな。
一人だったら、もっと絶望して、ひねくれると思う。
母親への不満が爆発しないのが不思議だったけど(もちろん、不満も不安もあるんだろうけど、恨みという形で爆発しない)、子供っていうのは、それくらい無垢に、本能で母親を愛してるものなのかもしれない。
誰も知らんぷり
あってはいけない
“誰も知らない”を変え続ける
私は児童養護施設で働いている。
自分で自分のことを専門家と言うのは恥ずかしいが、
専門家の端くれの私から見ても、素晴らしい作品だ。
本作は2003年の作品である。
今から17年前の作品であるにも関わらず色褪せないのは、
フィクションでありながら、
2003年当時の現実に通じるものが描かれ、
2020年現在の現実にも通じるものが描かれているからだろう。
さすがに2020年現在では、
学校に通わずに頻繁に街中をふらふらしていたら、
近隣住民が虐待通告し、児相が関与するだろう。
2020年現在でも、行政機関の関わりを拒絶し、
児相が親子分離の措置を取らない範囲で、
シングルマザーが夜の仕事に行き、
上の子どもが下の子どもの面倒を見ている現実はある。
そういう上の子ども、下の子ども、それぞれのたくましさ、けなげさが
本作品では見事に描かれていた。
とても感心したし、感動した。
私たちに何ができるかは分からないが、
まずはそういう子どもが2020年現在でもいる現実を直視し、
関心を持ち続けることだろう。
タイトルは、“誰も知らない”だ。
まずはこの現実を変え続けなければならない。
痛烈な作品。
劇的なシーンは無くとも、ドキュメンタリーを思わせるような、淡々と進みながらも、恐ろしく、胸が締め付けられるような作品だった。是枝監督の中でも、かなり尖っている作品だと感じる。俳優陣の過度な役作り、台詞などもなく、衣装や映るもの全てがリアリティに溢れ、息づかいや臭いまでもが伝わってくる。周りの社会は彼ら兄弟姉妹のことを誰も知らない、勝手に生きて、死んでいく、無関心。恐ろしくて、これが日本なのかと思うが実話ベース。生んだら生みっぱなしという、母親放棄、責めても仕方ないのかも知れないが、やるせない。この後、どうやって暮らしていくのだろう。遅かれ早かれ、保護されてほしいが、目を瞑ってはいけない日本の現実を見れた。
問題を知り、何かを感じとり、何かが自分の中で変わる それをやるのは観客たる私達なのだ
こんな怖い映画はなかった
いままで観た中で一番怖くてトラウマになった映画は野村芳太郎監督の名作「鬼畜」だが、それをも上回った
恐ろしく、そして胸糞がわるい
しかし、不思議に涙がでない
明のように心が麻痺してしまった
観終わってしばらく呆然として何も考えれずにいて、寝床に入っても寝付かれない
ゆきちゃんの可愛い見上げる顔と大きな目が消えなかった
その時になってやっと泣いた
鬼畜は1978年の映画
不倫相手に産ませた三人の子供を父がそれぞれ殺したり、捨てたりする物語だった
家族ゲームは1983年の映画
核家族化した日本人の家族は家族の役割を演じるゲームと化しつつあることを描いた
台風クラブは1985年の映画
それでは最早両親すら登場しなかった
ネグレクトされている少年も登場した
核家族は更にすすんで、バラバラの人間が一つの家を共有するだけになり、子供達は子供達だけで台風の夜を過ごすのだ
本作の元になった実際の事件は1988年に起こった
それを予告していたのだ
この事件は台風クラブでの予言を遥かに超えていた
そして本作はその事件を扱って2004年に公開されたのだ
しかし現実は本作をよりも更に超えて来た
2010年大阪2児餓死事件を覚えている人も多いだろう
親と子がバラバラになるだけではない
本作のゆきちゃんと同じ3歳女児と、それより小さな1歳9ヶ月男児の二人をマンションに鍵をかけ閉じ込めて1ヵ月帰らなかったのだ
これは明らかに殺意をもった子供との関係だ
この事件は2013年に「子宮に沈める」という映画になっているという
恐ろしくてとても観る勇気がない
そして去年2019年には野田小4女児虐待事件が起こった
小4女児が両親の虐待が原因で死亡した事件
女子は反省文をかかされ、子供の字で「許して下さい」と書いてあったという
学校の先生も彼女の虐待の訴えを真面目に取り合わなかったのだ
見殺しにしたのだ
本作では「誰も知らない」だった
無関心でいた
それが最早今では親が子供を殺す、それを先生は「知って」いて、それでも助けない社会にまで来てしまったのだ
これこそ「鬼畜」ではないだろうか?
今私達の社会は鬼畜の社会になり果ててしまった
自分の住む同じ町内、同じマンション、同じ小学校のどこかで同様の事件がまた繰り返されるかもしれないのだ
友人の家はしつけが厳しいが大丈夫なのか?
隣の家から勉強しなさい!との金切り声がするが大丈夫なのか?
余所の家の話だけではない
我が家の小さな子供達もやがて大きくなり独立を果たして、いつしか結婚もして出産もするだろう
果たしてその時娘は、息子は、その子供を虐待をしたりしないだろうか?
いや下手をすると自分がそうなりはしないか?
不安がぐるぐると渦巻く
遠いどこかの異常な事件では無く、いつすぐ近くで、いや自分に直接関わるかも知れない時代なのだ
本作の監督の視線はその現実の行方を見つめる
批判も怒りも主張もない
ただ本当に起こっている、放置出来ない問題を見つめる
目をそらさずに見つめる
そこには正義を振りかざしたりする姿勢はない
問題を知り、何かを感じとり、何かが自分の中で変わる
それをやるのは観客たる私達なのだ
素晴らしい傑作で、世界的映画賞が与えられて当然だ
みんなが知っている
これが是枝監督の原点か
始まりからどこか普通じゃない家庭。お母さんが近所にちょっと出てくる...
あたり前のことがあたり前でない。
芸術的に美しい柳楽少年達
綺麗でエキゾチックな目が素晴らしい。見終わってから色々と考えさせられた。是枝監督はあの母親をどう思っているんだろうか。私は母親の苦悩も理解できる。子供を4人産んだのは理解できないが、何かしら思うところがあったのだろう。子供達の前では胸を張り、長男には特別に接し、長女には女性扱いをし、小さい子達には楽しく可愛がる接し方は、よく子供達を見ているし、立派だと思う。無責任ではあるが、明るい姿しか見せず、負の姿はこの世から無いものとしている。子供が自分たちのやり方で過酷な現実を必死に乗り越え、胸を張り歩く美しいラストが、目に焼き付いている。
と色々勝手に行間を読んで考えてみたが、監督は一番何を言いたかったのか分かりにくいのと、途中少し長いなと感じたので☆4つ。
無関心の恐怖
大人の出演は少なく、主に子供たちだけで進んでいくストーリーが斬新!話が本題に入るまでが長くて、是枝監督好きではなかったら挫折していたかも。
ネグレクトの母親、その子供に対するステレオタイプが剥がれました。私のイメージとは違い、母親からの愛情はちゃんと感じるし、暴言や殴るなどの行為は全くない。子供たちも驚くほど、とてもいい子に育っている。家できちんと勉強をし、家事育児をこなしていて、善悪の区別もある素敵な子供…。
初めは隠れるように生きていた子供たちが、オープンな生活を始めても気にかける人が全くいない事に驚愕。と、同時に主人公の明が付き合う「普通の家の子供」も親からの無関心が感じられました。その親たちからの関心があれば明たちの存在に気づけたかもしれないのに…。
コンビニ店員や隣家はどう思ってたのだろう。実際の状況まで想像が及ばなかったのかな。
無知故に、そんな悲惨な状況になってるなんて想像付かなかったのかもしれない。誰かが何かしてるだろう(だから、自分は何かする必要はない)と思ってたのかも。
この映画に限ってはラストが予想が付かず(王道が通用しない)最後は祈るような気持ちでした。
大衆的には好かれないラストだと思いますが、問題提起として満点で、まさにタイトル通りのラストでした。
【朗らかな笑顔を湛えつつ、育児放棄の自覚ない母親の姿に戦慄した作品】
けい子(YOU)の子供達(最初1人、だがトランクから二人出て来て3人)の長男、明(柳楽優弥:誰もが知っている、今作でのカンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞)の気丈で、健気な姿が忘れられない。
出生届も提出されず、社会的には”存在すら認められていない”3人の子供たちが、いつ帰るか分からない母親を待つ姿。電気も水道も止められた狭いアパートの中で・・。
悲愴な状況を、遠目の固定アングルを多用した(特に、子供たちの公園での洗濯、洗髪シーンが印象的である。)トーンで淡々と描く是枝監督の斬新なカメラワーク及び秀逸な脚本に圧倒された作品。
<”誰もが知っている” 是枝監督が世界にその名を知らしめた記念碑的作品>
<2004年8月9日 劇場にて鑑賞>
この子達を守りたい!救いたい!そんな映画でした
なぜ、観たいと思ったのだろう、あたし、、、。
観たことに後悔もないけど、重い。
切なくて切なくて、、、そんな心になる映画でした。
かなり前に観たので、おぼろげではありますが、今でいう、いわゆる虐待の要素もあるのかもと考えてレビュー入れてます。。。
親として、、、子供を守るのは当たり前だと思っていた。。。でも、今の時代ひっきりなしにニュースでは虐待されて亡くなる子供たちの話題は絶えず、、、今、この時間にも傷つけられている子供がいるのかなとも思ったりする。
生きる為に、幼い子供の奮闘や葛藤、母親との会話の中での笑顔は、心に残っています。悲しい。。。
そして、苦しいんだ、あたし。。。
切なくて切なく、心が痛む。
どんな母でも、子供にとって母親。
消して忘れることのできない映画である。。。
あたしは精神病になり、ひと月は保護室にいたので幼い2人と離れた生活を過ごした。
会いたいとか、ひと月はあまり記憶もないのでただ生きていた、、、?生かされていたというか、、そう思う。
退院出来た時心に誓ったのは、偏見の目が家族に向かないように体調が悪くても、身綺麗にして明るく振る舞うことに専念してきた。友達は全て切った。
子供達、家族を守る為必死になって。。。幸せ。
幸せは 守るべき人がいる事で
自分が生きている証でもあると思う!!
上手く言えなくてごめんなさい。。。
ただ、観れば気付くことがあると思います。。。
それだけ、、、伝えたいことは。
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