ミリオンダラー・ベイビーのレビュー・感想・評価
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一瞬の花火のようなヒラリー・スワンク
前半は一生懸命ボクシングに打ち込むヒラリー・スワンクが確かに輝いていた。
彼女の純粋さ、ひた向きさに周囲の人々も突き動かされていく。
そして、深まる師弟関係。まるで親子のような絆。
そんな二人だからこそ、最後にあの選択をしたのだろうと思います。
主人公にとって、人生とは輝くもので有りたかったのだろうと…。
そして、それを理解しているクリント・イーストウッド。
心に右ストレートを打たれた様な映画でした。
ただのボクサー映画ではない
この映画の構造を考えると、完全に2つに分けられると思います。前半と後半で、ムードもテーマも全く異なる。もちろん一貫している部分もありますが、そういう意味では本当に多くを訴えかけようとする映画だなと思いました。
マギーがフランキーの指導で腕を上げていくのが最高でした。相手を一瞬でKOしてしまうシーンなんか、正直スカッとしましたよね。何があっても諦めない、そんな姿が描かれています。
マギーとフランキーの出会いは本当に運命的でした。マギーは家族のことをずっと想っていたけれど、その想いは結局一方通行だった、それはフランキーの娘への想いと同じです。フランキーが本当に途中からマギーのことが娘のように思えてきて、そのように愛す姿が描かれていましたが、本当にその点はこの映画の魅力的なところの1つです。
徐々に心を開いていくフランキーが、愛らしいというか、人間らしくてよかったです。
イーストウッド自身にもたくさんの娘がいるので、彼女らもしくはその中の誰かのことを想ってそんな脚本を書いたりしたのかなどと想像したりしました。
そして、マギーは事故に遭うわけですが、、まぁとてもとても、、最後まで悲しい物語です。
ああいう時って、主人公は必死に強く生きようとしたりするのですが、この映画の場合はあっさりと自らの命を絶とうとしてしまいます。でもそこから、マギーの人生が見えてくるんですよね、、。
「モ・クシュラ」の意味を聞いたマギーは本当に嬉しそうでしたが、間際のあの笑顔が、悲しくも印象に残りました。
またフランキーが神父に、自分はマギーに対してどうするべきか問うシーンがありましたが、そんなところから安楽死の是非を問いかけてもいるような気がしました。
イーストウッドが監督と主演をしているこの作品。彼のメッセージが色んなところに表れている作品だと思います。
光と影
光と影のコントラストが、物語とリンクしている気がした。
いつものクリント監督作品とは少し違う、説明し過ぎない映画の印象を、本作品には受けた。
たった一時であっても、どうしてもやりたいことを、全力でやり遂げた彼女(主人公)は、後悔なく一生分を生きたように思う。
彼女の夢に、彼女と一緒になって戦ってくれた恩師二人との出会いだって、とても幸運な巡り合わせだと思う。
人生なんてこんなもの。と諦めるのは、間違いじゃない(私自身、直ぐに諦める性格ですし。)けれど、周りがどんなに反対しようと、自分のやりたいことに一心不乱に向かって、挑み戦い続けた彼女の姿は眩しい程に輝いてたし、何よりも『生きてる!』って躍動感を、強烈に感じる。
刹那的な思考かもしれないけれど、今やりたいことは、今やらなきゃ、二度とトライするチャンスは、やってこない。
いつ何が起きて、誰がどうなるかなんて、誰にも分からないのだから。
実直に生きている人の姿は、なんて清々しいのでしょう。
光輝いていたリング上の時間は一瞬だとしても、主人公の人生は、とても幸せな一生のように思う。
主人公の要望を聞き入れたトレーナーも、あのあと直ぐに主人公を追ったんだと(個人的な見解)思う。(注射器が二本あった事から、主人公の分と、自分の分の注射器。)
いつか話したカフェの中で、第二の夢について語り合ったあの場所で、主人公との再会を待っているかのような、窓ガラス越しにトレーナーの姿を映して終わるラストも、ロマンたっぷりで大好き。
これはすごい!
ルック ◯
シナリオ ◯
アクター◯
デプス◯
ラスト◯
オススメ ◯
やっぱり、ボクサー系の映画は面白い。
ラストは泣いちゃいました。
これはオススメできます。
一生懸命生きている方に見ていただきたいです。
役者さんたちの演技力に驚いた。
またもう一度見たい。
たまたまテレビでやってて見たんだけど、すごかったね!まさかこんないい映画に出会えたのはラッキーだった(笑)
アカデミー賞4部門とってるけど、アカデミー取りにくい作品だったんだなー、けど取った。すごい。
後半あたりは暗く、考えさせられたな、監督の心情を考えて見たら辛いな。
ラストだっていろんな考えがたくさん出た。何が正しく、これで良かったのかと。
全てが良い
男の様な女性ボクサーの娘役マギーことヒラリースワンク。
不器用な父親、クリントイーストウッド。
ナレーションも含め全てを受け止める母親の様な中立的存在モーガンフリーマン。
この三重奏の演技、脚本、音楽、ファイトシーン、撮影方法の全てが素晴らしい。
かつ、本作の要旨は永遠に人が避けられない死。
この作品の序盤で誰が尊厳死について考える映画だと思っただろう。
誰もがボクシングがテーマの映画だと思って観はじめる。
が、想定もつかないテーマを突然、後半で観客に投げかけてくる。
しかも重い雰囲気たっぷりの撮り方で。
で、あぁボクシングは前戯だったのかと気づく。笑
私はクリントイーストウッド監督作品が好き。
何故って、観た気がするから。
映画代、1800円分の重厚感充分。
人の幸せとは、生きるとは、人生の意味を語りかけてくる。
最後の病院のシーンは胸がえぐられる様な悲しみと安堵を感じずにいられない。
それまでの2人のやり取りが親子みたいで、たまらない。
この作品は、相手を選ばず大人なら、どの人にも観てほしい作品です。
あぁ生きてるうちに一度で良いから会ってみたいなぁクリントイーストウッド監督…
見方によって正反対の結末
客観的事実としては、マギーは頑張りに反し父以外の家族からも愛を受けられず金づる扱いされ、フランキーはファイターが自身を守れる試合をさせられない悪夢を繰り返す。2人で尊厳死を選ぶ真っ暗な展開。
主観的事実としては、マギーはボクサーとして無傷で成功する事以上に、飢えていた父娘の愛を選び、最期には手にできた。フランキーもマギーをファイターとして育てながら、マギーを娘の代わりとして父になれ、モーガンフリーマンの一件以来トレーナーとして及び腰な気持ちも忘れられた。レモンパイが本物の味になるにつれ、モ・クシュラを2人とも得た。
傍観者と当事者で得る印象が全く違い、両面のかけ橋の役目をモーガンフリーマンがしている。モーガンフリーマンは経験も踏まえて、常に最良の道しるべをマギーに示すが、マギーが主観的に選択する描写が印象的だった。現実的な描き方をできるからこそ、見方によって、残酷とも幸せとも代償が大きすぎるとも取れる作り方がクリントイーストウッド監督のすごさなのだなと感じた。
やるせない
フェミニズム
後半が意外な展開!これまで"男のプライド"を描き続けてきたイーストウッド監督が、それを女性に置き換えたことに驚きを隠せませんでした。彼の劇中での役は、『パーフェクト・ワールド』の時と同じく、主人公の姿に圧倒され、葛藤する人物。女性が軽蔑視されるボクシング界を舞台にしたのは、フェミニズム的な思考だと思います(しかしこの表現は、必ずしも正しいとは言えない)。
"プライド"を捨てきることができないヒラリー・スワンク演じる女性ボクサーの姿をみて、彼は生命と生き様について考え始めます。そして下した決断は…
ポエムのような展開です。それはつまり、本作の主題に繋がることなのですが、これはネタバレになるので伏せておきます。
イーストウッド映画は、いつも渋くて深いです。
見直したら泣けてきた
映画のタイトルは、人間で言えば顔のようなもので結構大事だと個人的には思っている。このタイトル見たとき、てっきりアメリカンドリームの女性版ロッキー映画じゃないかと思った。劇場で初めて観たとき、途中まではそんな雰囲気もあったのだが、途中から安楽死問題になって面食らってしまって、普通なら想定外の展開は非常に気にいる展開なのであるが、この映画に関してはそのショックが大きかったせいか、余り面白くない印象になってしまった。
ところが最近レンタルで見直したら、まったく印象が変わってしまった。結末を知っていることでこの映画をいっそう考えさせる結果になってしまったのだろう。
マギーはボクシングジムに通うため、ウェイトレスをしながら、客の残したものをこっそり持ち帰って食べたりして貯金をして、日々トレーニングに励んで、ときには朝3時半に起きて海辺をランニングしたりと、ボクサーになるには歳をとりすぎていると言われても、けなげに自分の夢に向かって努力している姿を見ると、彼女の悲惨な結末を知っているだけに涙が出てくるほど切なくなってしまった。
それにしても、改めてクリント・イーストウッドはいい役者だと思ったし、モーガン・フリーマンも渋い演技とナレーターも良かったし、ヒラリー・スワンクもこの役柄にぴったりと言う感じがした。三人の名演技で完成させた傑作だ。
映画通向け?
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