ミリオンダラー・ベイビーのレビュー・感想・評価
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見方によって正反対の結末
客観的事実としては、マギーは頑張りに反し父以外の家族からも愛を受けられず金づる扱いされ、フランキーはファイターが自身を守れる試合をさせられない悪夢を繰り返す。2人で尊厳死を選ぶ真っ暗な展開。
主観的事実としては、マギーはボクサーとして無傷で成功する事以上に、飢えていた父娘の愛を選び、最期には手にできた。フランキーもマギーをファイターとして育てながら、マギーを娘の代わりとして父になれ、モーガンフリーマンの一件以来トレーナーとして及び腰な気持ちも忘れられた。レモンパイが本物の味になるにつれ、モ・クシュラを2人とも得た。
傍観者と当事者で得る印象が全く違い、両面のかけ橋の役目をモーガンフリーマンがしている。モーガンフリーマンは経験も踏まえて、常に最良の道しるべをマギーに示すが、マギーが主観的に選択する描写が印象的だった。現実的な描き方をできるからこそ、見方によって、残酷とも幸せとも代償が大きすぎるとも取れる作り方がクリントイーストウッド監督のすごさなのだなと感じた。
やるせない
宗教や文化によってこの映画は賛否が大きく別れると思う。とても考えさせられる映画だった。
あまり多く書くと映画の内容に大きく触れてしまうため詳しくは言えないが、やるせなくもどかしい気持ちになる映画だった。しかし、自分が同じ立場なら、同じことしてほしいし同じことをしていたと思う。
フェミニズム
後半が意外な展開!これまで"男のプライド"を描き続けてきたイーストウッド監督が、それを女性に置き換えたことに驚きを隠せませんでした。彼の劇中での役は、『パーフェクト・ワールド』の時と同じく、主人公の姿に圧倒され、葛藤する人物。女性が軽蔑視されるボクシング界を舞台にしたのは、フェミニズム的な思考だと思います(しかしこの表現は、必ずしも正しいとは言えない)。
"プライド"を捨てきることができないヒラリー・スワンク演じる女性ボクサーの姿をみて、彼は生命と生き様について考え始めます。そして下した決断は…
ポエムのような展開です。それはつまり、本作の主題に繋がることなのですが、これはネタバレになるので伏せておきます。
イーストウッド映画は、いつも渋くて深いです。
見直したら泣けてきた
映画のタイトルは、人間で言えば顔のようなもので結構大事だと個人的には思っている。このタイトル見たとき、てっきりアメリカンドリームの女性版ロッキー映画じゃないかと思った。劇場で初めて観たとき、途中まではそんな雰囲気もあったのだが、途中から安楽死問題になって面食らってしまって、普通なら想定外の展開は非常に気にいる展開なのであるが、この映画に関してはそのショックが大きかったせいか、余り面白くない印象になってしまった。
ところが最近レンタルで見直したら、まったく印象が変わってしまった。結末を知っていることでこの映画をいっそう考えさせる結果になってしまったのだろう。
マギーはボクシングジムに通うため、ウェイトレスをしながら、客の残したものをこっそり持ち帰って食べたりして貯金をして、日々トレーニングに励んで、ときには朝3時半に起きて海辺をランニングしたりと、ボクサーになるには歳をとりすぎていると言われても、けなげに自分の夢に向かって努力している姿を見ると、彼女の悲惨な結末を知っているだけに涙が出てくるほど切なくなってしまった。
それにしても、改めてクリント・イーストウッドはいい役者だと思ったし、モーガン・フリーマンも渋い演技とナレーターも良かったし、ヒラリー・スワンクもこの役柄にぴったりと言う感じがした。三人の名演技で完成させた傑作だ。
映画通向け?
超名作なので、少し期待しすぎていたかもしれない。そして実際にボクシングをやっている人間からすると指導のシーンでちょくちょく細かいことが気になった。Eastwoodの作品という感じであまり明るいシーンはないので、あまり普段映画を観ない人には向いてないかも。ただこれは低予算・短期間の作品なのであくまでそれも考慮して評価すべき。キリスト教の思想やアイルランドという歴史的な点に通じている人なら、より楽しめると思う。
ボクシング映画ではなかった
女性ボクサーのサクセスストーリーだと長い間思っていたが、いざみると違った。これはボクシング映画ではなく、ボクシングというものを通してみる血を超えた愛の話なのだと思う。
ヒラリー演じるマギーが成功し、タイトルマッチに挑むところまでは正直そんなにひきこまれなかった。そこからの展開がこの映画の本当に言いたかったことのような気がする。
見事に筋肉質のボクサーになりきったヒラリースワンクは見事だった。試合中の獣のような表情は鬼気迫るものがあり、圧巻。クリントイーストウッド演じるトレーナーも、頑固親父のような印象から少しずつマギーに対して心を開く感じが見ていて微笑ましかった。
後半は気づけばぼろぼろと涙がこぼれてしまうほど、現実にこれでもかというほど叩き落されるマギーが見ていてつらかった。
ひたむきに頑張ってきたものに待っていた現実と何も頑張って来なかった家族への現実。腹立たしさとやるせなさが募った。
あれだけの反則を繰り返したチャンピオン、そして最低家族。このへんの描写がちょっとやり過ぎ感があった。「いかにも悪役」という感じで、わかりやすいととらえることもできるかも知れないけれど。そしてラストが唐突に訪れたので、もう少し余韻があったもよかったかなと思う。
思っていたのとは違う
クリント・イーストウッドの不器用な優しさと
モーガン・フリーマンの包み込むような優しさ…
どちらもよかったです。
予告などを観た影響で
先入観が入ってしまったのかもしれませんが
うーん…という感じです。
楽しめる部分もあるのですが
最終的にはちょっと自分の好みと違いました。
とりわけ好きではないけど
嫌いでもない感じです。
まぁまぁ
貧困層で育った31の女性が、ボクシングジムに、コーチをつけてくれと頼みに来る。
過去の苦い経験などから女は受け入れないとボスはいいながらも、
熱心さに負け、
マネージャーをすることに。
徐々に頭角を表し、ついには、プロに。
貧困に苦しむ母や兄弟のために、家を買いったが、家より金がいいと思いの外裏切られてしまった。
ボスがいるから、私にはボスしかいないから、とボクシングにあけくれ、勝ち続ける。
そして、ついには
イギリスの世界タイトル戦にまで到達。
しかし、相手の汚いやり方で、負けてしまう。
しかも、その戦いで、脊椎損傷。半身不随になってしまう。
ボスは、その事実を受け入れられず、必死に看病するが、医者も匙を投げる。
家族は、見舞いに来たかと思えば、お金のことだった。
希望を見出せないまま、時間が過ぎ、
ここまでしてくれたボスに人口呼吸器を外してもらうよう頼む。
考えた末、それを決行。
2度と二人はジムに戻ることはなかった
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