ミリオンダラー・ベイビーのレビュー・感想・評価
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VS クリント・イーストウッド監督‼️最終12ラウンドまで‼️
この作品はボクシングを通じて描かれる一人の女性ボクサーと老トレーナーの残酷で崇高な人生のドラマ‼️ロサンゼルスで寂れたボクシングジムを経営するフランキーは、ジムに入門したいマギーという女性ボクサーを一度は拒否するが、やがてコーチすることに。マギーはメキメキと頭角を現し、連戦連勝。遂に反則技で名高いチャンピオンの "青い熊" ビリーと戦うことに。優位に試合を運ぶマギーに、ビリーの反則パンチが命中、コーナーにあった椅子に首を打ちつけ、マギーは全身不随になってしまう・・・。全12ラウンド、2時間13分‼️我々は監督クリント・イーストウッドの多彩な攻撃によって、見事リングに沈められてしまいます‼️モーガン・フリーマンの語り、ナレーションによって展開し、イーストウッド自らが担当する素晴らしいジャズの響きが、この重厚な物語(試合)を一生忘れられない、そして一生残るであろう痛みとして我々の身体に刻んでくれるのです‼️フランキーはせっかく育てたボクサーに他のジムへ移られ、そんな時に入門してきたマギー。娘とも絶縁していたフランキーはマギーに娘の姿を重ね合わせたのでしょう、熱血指導が実を結び、マギーが次々と対戦相手を打ち破っていく‼️試合のシーンのカタルシスや、フランキーとマギーの交流が印象深い前半は、まるであの「ロッキー」を彷彿とさせる素晴らしさで、イーストウッド監督は的確なジャブを観客に打ち込んで来ます‼️マギーが疎遠だった母と妹に家をプレゼントするも、「生活保護が打ち切られる」と、逆に文句を言われるシーンのマギーの表情‼️切ないです‼️そしていよいよチャンピオンへの挑戦‼️チャンピオンは反則技で有名な "青い熊" ビリー‼️このビリーに扮するルシア・ライカは実際のプロボクサーで、見るからに憎たらしい顔つき‼️そのビリーがラウンド終了直後に放った反則パンチでマギーが首を骨折、全身麻痺になってしまう‼️この強烈なストレートパンチでイーストウッド監督は観客を絶望のどん底へと叩き落としてくれます‼️完治の見込みがないマギーは家族からも見放される‼️ボディーブロー効いてます‼️安楽死の手助けをフランキーに断られたマギーは舌を噛み切って自殺を図る‼️かなりボディーブロー効いてます‼️フランキーが友人エディに泣きながら心中を語るシーン‼️イーストウッド情感むき出しの名演技‼️ボディーブロー効きすぎてフラフラ‼️そして夜中に病院のマギーの元へ行くフランキー‼️「いいね?」と問うフランキー。涙を流して頷くマギー。フランキーがマギーへ贈ったガウンに綴られた言葉「モ・クシュラ」の意味。「愛する人よ。お前は私の血」‼️そしてマギーにキス、呼吸装置をOFFにし、アドレナリンを注射するフランキー‼️トドメのカウンターパンチで完全にKOされる観客たち‼️ラスト、姿を消して戻ってこないフランキー‼️ひょっとしたらマギーの後を追い、天国で二人でレモンパイを食べてるのかもしれない‼️そんな想像を抱かせる、美しすぎる試合の幕切れ‼️勝者はクリント・イーストウッド監督‼️
慟哭
映画館で観ていてラスト、嗚咽が込み上げて
どうしようもなかった。
それほど悲しいラスト。
3回目の今も、ラストを知りながらも改めて観る。
マギー(ヒラリー・スワンク)が不幸な女性で不幸な人生を送った
・・・そう思えなくなりました。
マギーはフランキー(クリント・イーストウッド)のおかげで
幸せな瞬間を
たくさん味わい、最愛の人にその人生を終わらせてもらった
幸せな女性だったのではないか?
そう思うようになりました。
31歳ではじめたボクシングで、世界王者の一歩手前まで昇り詰め、
父のように慕うフランキーと二人三脚で世界中を試合して周り、
栄光を少しは手にした人生。
望んでいた何者かになる夢が少しは叶った人生。
ボクシングジムのオーナーのフランキーは、女の子(ベイビー)の
マギーを一人前のボクサーに育てて、しかも娘のように愛する。
マギーの尊厳死の場面が残酷すぎると、アメリカでは論争が起きたとか。
敬虔なカトリック信者のフランキーにとっては、何より辛い決断だった
と思います。
それにしててもマギーの実の母親と兄弟姉妹。あまりにも愚かで・・・
そして最後の試合で終わりのゴングがなったのに殴りつけて
首をへし折った対戦相手を許すことは出来ない。
この悪役の憎々しさに胸が苦しくなるほどでした。
それにしても名作。
忘れられないです。
おもてたんと違う
話題作やけどイーストウッドもボクシングも興味ないから
見ようと思ってはずっと放置してたのをやっと鑑賞
え?嘘やろ?
どっかで挫折があるやろなとは思ってたけど、
こんなバッドエンドなん?!?!?
一生泣いてた
奇しくもマギーと同い年でひたむきに前に進もうとする彼女の闘志が私の背中を押してるように思えて勇気が出たのにこんな結末なんて
フランキーが教会に通い続けてたのは神様を信じたかったからなのかな
孤独で家族に恵まれず裏切りにあってもいつか報われいつか救われると
人生の素晴らしいところも絶望も映し出す響く映画だった
家族の絆。愛するという事に闘いを重ねた物語
内容は、アメリカ🇺🇸にある赤字続きの下町ボクシングジム🥊に、二人の老トレーナーがいた。そこに遅咲きの女性がボクサー志望で入所する事から物語が始まる。彼女・ダンと老人トレーナー・フランキーのボクシングサクセスロードに心温まり悲しみに包まれる作品。印象的な言葉は『でも生かす事は殺す事だ。どうすればいい?』ダンが脊椎損傷の怪我をし自身の頑固さから闘い続ける結果視野狭窄に陥る時に、主人公フランキーが牧師に葛藤を相談する台詞を愛するという事の一端を見た様な気持ちを抱きました。惜しみなく無条件に与える事の限界を伝えたいとの気持ちが伝わりました。印象的な状況は、隻眼老トレーナー・スクラップの存在感とオフ台詞の語りの重さが凄く耳に残りました。ボクシングの魔力🥊限界を超えた苦痛に耐え続け闘い続ける。自分だけが見る夢に全てを捧げる力を存在から感じさせられた役作りは圧巻です。印象的な場面は、やはり"アイラのロードサイド食堂"での一場面。カウンターでレモンパイを前に二人の心が通い合うシーンは美しくカタルシスの解放を感じました。最後の病室のキスシーンと同じ様な嬉しくも切ない気持ちにさせられました。時折流れるクラッシックギターのBGMも非常によく全体を纏めていた様に感じます。最後に全体を包括的に表してある台詞も良かった。『ボクサーは頑固者だトレーナーに服従しない。間違った事を信じ込んでいて、それが自滅を招く事も分かっていながら最後まで信じ続けるのが真のボクサーだ』。結果ダンの娘との確執は不明なままで消化不良ですが、疑似家族としての心の絆を求め合う物語は"モ・クシュラ"の言葉に集約されて諦観と開放感と静寂に包まれて気分良く楽しめました。
いい意味で想像と違った
普通のボクシング映画かと思った。
半分くらいでまさかガラッと変わるとは、、
モーガン・フリーマンが良い味出してた。
元々ボクシングに興味あったが、この映画を見てやりたくなったような、やりたく無くなったような🥲
やるとしても顔NGなとこがいいな、、笑
けっこうズッシリくる映画だから気軽に見て良いえいがではない。
なぜかボクシング映画は良いものが多い。
ザ・ファイターしかりサウスポーしかり。
あとチョイ役のアンソニマッキーとマイケルペーニャも良かった。
アイリッシュアメリカン
フランキーがマギーに授けるガウンは、アイルランドを象徴する色である緑であり、そこに記された「モ・クシュラ」という言葉は“愛する人よ、おまえは私の血”という意味のゲール語である。これは、フランキー、マギーともにアイリッシュアメリカンであることを示唆している。
アイリッシュアメリカンとは、アイルランドに出自を持つアメリカ人のことで、約3,600万人のアメリカ人がアイルランド系であると自認している。初期の移民は警察官、消防士、軍人などの職業についていることが多いが、これは移民としては後発だったために命がけの危険な仕事にしかありつけなかったという歴史的事情に起因している。血気盛んなアイルランド気質ともマッチしていたらしい。
ボクサーとトレーナーという職業もその系譜に連なるかもしれない。中西部の田舎町からやって来たマギーはうらぶれたロスアンジェルスのボクシングジムを経営するフランキーにトレーナーになってくれと願い出るが、女性ボクサーを育てる気はないと断られ続ける。しかし、ジムを一緒に切り盛りする親友のエディは彼女にボクシングの才能を見出し、またフランキーも彼女の真摯な態度に心を動かされたため、弟子入りを了承する。マギーの才能は徐々に開花していき、プロボクサーとしてデビューを飾るまで至った。連戦連勝で勝ち進むマギーにある日100万ドルの賞金が掛けられたタイトルマッチが用意された。しかし、対戦相手は卑怯な手を使うことで知られるボクサー。彼女は試合で全身不随という大怪我を負うことになってしまった。
マギーの家庭環境はあまりにも悲しい。大怪我を負う前にはファイトマネーで家族のために一軒家を購入したが、母親から生活保護が打ち切られると文句をいわれ、全身不随になってリハビリ施設に移ってからも家や財産を横取りされそうになる。愛情や思いやりは微塵もない家族にマギーは深く傷つき絶縁を突きつける。
「モ・クシュラ」の意味を人生の最後に知るマギーの笑顔が忘れられない。この言葉は実の親子以上に固い絆が芽生えたマギーとフランキーの間にのみ成立した。ラストに呆然自失した。
言葉もない
観よう観ようと思いつつ20年近く経ってしまった。
何となく避けてきた理由としては、監督が主演をはる作品に少々抵抗があることと、ヒラリー・スワンク主演映画は、「ボーイズ・ドント・クライ」でこれまた少々トラウマになっていたということ。
観終えてと言うか…観てる途中からすでに「言葉もない」としか言いようがない。モーガン・フリーマンが見舞時に呟いたセリフそのまま。
間違いなく良い作品だと思うが、個人的にはあまりに残酷過ぎて、やはり「言葉もない」。
この映画を評価している
人はとっても多いのですね。
映画としてとてもよい作品なのでしょう。だからこその高い評価だと思います。
ただ、この映画の根本に流れる考え方を、こんなにも多くの人が支持していると考えると、私はとてもこわくなりました。私が彼女の立場だった時、あるいは彼女の恋人の立場であった時、あるいは彼女の親の立場だった時にも、多くの人は「主人公の行動は正しい」と考えるのだと思うこわさです。
いろいろな考え方を自由に表現できるのが映画のよいところです。ですから、この映画そのものを否定しているわけでも、この考え方に賛同する人を否定しているわけでもありません。
このレビューを読まれていやな気持ちになられた方。申し訳ありません。
思いがけず考えさせられた
ハングリー精神で勝ち上がるサクセスストーリーかと思って見ていたらテーマは違うところにあり、思いがけず考えさせられた。
もしもマギーが家族に恵まれていたら同じ決断をしただろうか?家族が彼女を献身的に支える意志を示していたら?
この物語に登場する人物はみな社会的弱者だ。貧困、身体的または知的障害、家族と疎遠で身寄りがないなど問題を抱えた人。尊厳死について議論するときにまず考えるべきはこういった人々のことではないか?作品は問いかける。家族や経済的に恵まれている人が自分自身の人生の選択肢の一つとして死を選ぶのではなく、死を選ばざるを得ない人に尊厳死をすすめるような社会でいいのか。
暗いテーマだが、最後姿を消したダンのその後に思いを馳せながら余韻に浸った。
作品の内容について何の前知識もなく観た。途中まで女性ボクサーのサク...
日本人には語れない
ボクサー映画でもなければ、尊厳死の映画でもない。
血のつながりと愛の映画でもない。
映画を見た後、少しだけ歴史の勉強してみた。
新大陸を求め、アメリカに渡った最初の民族はイギリス(イングランド人)だ。
その後、フランス。そしてオランダ、ドイツなど。
イギリス人やフランス人は先住民であるインディアンを排除しアメリカを建国した。
その後、アイルランド人移民が入ってくる。
先に入った英仏はその後に来たアイルランド人やイタリア人を差別し
迫害する。
※アジア人(中華系)や黒人(アフリカ系)が入ってくるのは、さらにその後。
故郷アイルランドではイングランドやスコットランドからの植民地化が進み、
新天地アメリカでは迫害を受ける。そんな因縁を持つ民族。
それがこの映画のバックボーン。
憎きイギリス(青のイメージ)青い熊ビリーは汚くズルく、
そして強い「完全な悪」として描かれる。
一方、主人公マギー=アイルランド(緑のイメージ)は、
我慢強く努力を惜しまない「モ・クシュラ」として描かれる。
その二人がアメリカという地で激突する。
しかし、突然悲劇が訪れる。
2人が選んだ結末を否定する意見も多いが、
アイルランド人のほとんどがカトリック信者で
あることが深く関係している。
敬虔なカトリック信者ではない日本人には
理解しがたい。理解しようとしてはいけない。
と、思う。
そうした背景があってこそ、
アカデミー主要4部門受賞に意味がある。
アメリカのアメリカたる権威「アカデミー賞」受賞に
意味がある。のだ。
とかいう、私の浅い知識を差し置いても
キャラクター設定、物語のテンポ、人間関係の描写など
さすがイーストウッド監督と言わざるを得ない傑作で
あることは間違いがない。のだ。
壮絶なストーリー、メッセージ性にも感動
寄り添える優しさ
絶望をもっと楽しもうよ
僕とはイデオロギーが合わないので、低評価せざるをえない。これでは、安楽死賛成を訴えているとしか解釈できない。現実はそうせざるを得ないのだろうが、何か別の答えを映画で訴えて貰いたかった。イーストウッド監督が好きだったが、少し幻滅した。絶望を楽しむって言う結論はないのか?尊厳死は一番現実的だと思うが、絶望の中で生きている方々も沢山いる。
少女終末旅行に絶望をもっと楽しもうよ。って言葉がある。その言葉の方がよっぽども癒やされる。この映画を見ても何も癒やされる事は無い。彼女の境遇に涙して [私はそうでなくて良かった。]って事だ。この映画で僕は絶対に泣きたくない。また、そう言った境遇の方々は絶望なんてしていない。ずっと強いはずだ。生きる事に希望している。ボクシングに勝つことだけが人生じゃないのだから。
こんな風に終わらないで欲しい、と思ったのに終わってしまった。それで余計に頭から離れない。ずるい映画だ。
少し気になる点がある。
キャストと前半の勢いあるサクセスストーリーから予想もできない訴えかけられるような後半。ここはかなり感情も揺さぶられ、色々なことを自分に重ねて考えさせられた。
ただ、前半のボクシングの試合。ほとんどが一瞬で終わっていたのに対して後半の病院シーンは何となく締め方が分かってからも長くないかな?
個人的に後半にここまで時間を割くならば、前半の試合シーンを躍動感溢れる長時間ファイトにして、昂らせて欲しかったなと思ってしまった。
あとは試合シーンでのBGMもかなりチープで、笑ってしまったところがある。もう少し何とかなりそう。青い熊ビリーとマギーの家族があまりにも酷すぎて切なさよりも憎しみが勝つ点からも名作と言われる所以は理解できなかった。
それでも前半のバイト中客の残飯を持ち帰るほどの貧困ながら、一直線に夢に向かって努力するマギーが印象的で、後半の変わり果てたマギーの姿とプライドを捨てて生きるよりも死を選択するシーンには感動した。尊厳死をテーマに人々に訴えかける点は一度この映画で体感する価値はあると思う。
薄っぺらい印象
俳優陣の演技は素晴らしい。特に主演のヒラリースワンクが輝いている。
しかし次の点で薄っぺらい印象。
主人公マギーの成長が順調過ぎてドラマが感じられない。従って勝ち取った成功が軽い。最終盤でどん底にたたき落とされるが要因はシンプルに対戦相手の邪悪さによる物で、外的な不可抗力というか、マギーの内面が反映されていない。成功した人生のまま終わらせるため自死する、という結末が、前述の成功が軽いためか、呆気なく感じる。
また、マギーの家族の描き方が、生活保護受給者=クズ人間という安直なステレオタイプになっており、違和感を禁じ得ない。これによりマギーの人物としての背景に深みが出ていない。
なんとなく、勧善懲悪的な悲劇のヒーローショー的で、薄っぺらく感じた。
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