深夜の告白のレビュー・感想・評価
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これは間違いなく一級品だ。
不倫相手の人妻から、夫の保険金殺人を持ち掛けられた保険外交員。2人は協力して、列車からの転落事故死を偽装する。しかし、同僚の敏腕調査員キーズが疑いを持つ。
物語は、銃で撃たれた保険外交員が告白する、回想形式で進む。実にスリリングな進行と、引き締まったタイトな演出で、最後まで存分に堪能させるところが凄い。
倒叙ミステリーであり、フィルム・ノワールの最高峰であり、不倫の末の保険金偽装殺人というのも、公開当時(1944年)の社会的な価値観に照らすと、非常に画期的で野心的だったし、それを全てこなし、見事なまでの傑作に仕上げている。
悪女を演じたバーバラ・スタンウィックの熱演が光るし、性格俳優で知られるエドワード・G・ロビンソンの好演も印象深い。極めてよく練られた、冷酷かつ痛烈なスリラーだし、後世に多大な影響を残している。これは間違いなく一級品だ。
ちょっと不満足だな
99%ぐらい面白かったけど最後の締めにキレがなかったかな。 それに これは Amazon に強く言いたいのだが 映画が終わるか終わらないかの寸前の時に次の映画の ネクストアップっていう宣伝を入れるのやめてほしい。 あそこの数秒間は感慨がこみ上げてくるタイミング、感動している部分なのであって商業主義がそれを台無しにしてしまっている。この作品の点数が低くなったのはそれが とても大きい原因かもしれないよ
ストーリー 全体は サスペンスに満ちていてとても面白かった。 最初は主人公の男が、女たらしっぽくて憎たらしく見えていた。それがだんだん見え方が変わってくるのがいい。 相手役にしてもしかり。そして何と言ってもキーズ役が良かった。この辺を中心に配役ががバッチリはまっていた。ラストの一分前までは非常に良かった って感じかな。
ワイルダー先生、初期の大傑作
映画史上、フィルムノワールを代表する作品と言われています。
ヒッチとは別のタッチのスリラーとサスペンス、簡単にいえばヒッチからユーモアやオトボケを削除したような雰囲気、だからこそフルムノワール的と言えましょう。
倒叙的に冒頭に犯人を明示して、犯人の告白と事件の経緯を交互に並行して話を進めるスタイルは無駄なシーンを排除してソリッドな映像表現に徹しています。
探偵作家としてすでに著名だった初老のRチャンドラー先生の初稿に対して、当時30代だったワイルダー先生は「この本はクソですね」と台本を叩き返したそうです。
チャンドラー先生も「ビリーはクレイジーだ」と言い放って半年の脚本作成では終始イライラの絶頂にあったようです。
チャンドラー先生も偏屈ですから、偏屈者同士の神経をすり減らす脚本作りだったようです。
【美しくも恐ろしい人妻に誘惑され、その夫を殺害した保険営業を生業とする男がたどる転落の運命を描いたサスペンス。】
■保険会社の営業担当ウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)はある時、保険の更新に訪れた邸宅で人妻フィリス・ディートリクソン(バーバラ・スタンウィック)と出会う。
その美貌に魅了されたネフは、夫を亡き者にして高額の保険金を手に入れようとするフィリスのたくらみに協力する事を決め完全犯罪計画を実行するが、彼の思惑を越え、計画は破綻していく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ネスの同僚の保険調査員キーズ(エドワード・G・ロビンソン)が、”俺の心には小人が居る。”という台詞が前半から度々使われるが、その言葉が同僚のネスに向けられることになる後半の緊迫感が凄い。
ー ネスがキーズに全て見抜かれていると悟った時の表情や、実は彼は全てを見抜いておらず、そこからのネスの行動がハラハラしながらも面白い。
そして、無実の罪を被せられそうなフィリスの義理の妹ローラの元恋人ニノ(ナント、フィリスは彼にも手を出している。)にキーズが告げた最後の彼の善性在る言葉もグッとくる。
・ディートリクソンの後妻フィリス・ディートリクソンを演じたバーバラ・スタンウィックの、美しいが夫、ディートリクソンの妻をも殺していた事が判るシーンはとても怖い。
ー 悪魔的な、頭のキレる犯罪者であるが、彼女も最後の最後にネスを隠していた拳銃で撃つが、止めを刺せずに泣き崩れるシーンは絶品である。
愛が、彼女の悪魔的行為を止めたシーンである。-
<今作は、所謂、倒叙形式のサスペンスであるが、作品構成及び前半と後半の雰囲気の違いを音楽で表した演出も素晴らしい作品である。>
フィルム・ノワール最重要古典‼️
わが敬愛するビリー・ワイルダー監督、最高傑作の一本‼️この作品はジョン・ヒューストン監督の「マルタの鷹」と並んでフィルム・ノワールの代表作とも言われています‼️保険会社員のネフが保険の更新に出向いた邸宅で、後妻のフィリスに誘惑されて、二人で傷害保険の倍額条項を満たすための計画殺人を実行していくが・・・‼️もう、ホントにワイルダー監督の天才ぶりが全編に満ち溢れていて、一瞬たりとも目が離せません‼️白のバックに松葉杖をついた男のシルエットがこちらに歩いてくるオープニングクレジット‼️ゾクゾクさせられます‼️一転、猛スピードで夜の街を爆走するカーショット‼️そして車から降りたネフが、テープレコーダーに事件の真相を語り始める回想形式でのストーリー展開‼️ウーン、巧み‼️あまりにも魅惑的な台詞「時に殺人はスイカズラの花のような香りがする。俺にどうしてそれがわかっただろう」‼️考えつきませんよ、フツー‼️自己中で冷血なのに、魅力的すぎるバーバラ・スタンウィックのファム・ファタールぶり‼️とんでもない悪女かと思わせといて、最後はネフを本気で愛してしまう‼️何とも言えない、男心を刺激しまくる映画史上サイコーのファム・ファタール‼️ネフが被害者に化けて列車に乗り込むクライマックスも、思わぬ邪魔者というか先客がいたりして、息詰まる緊張感の連続です‼️そして成功したかに見えたところから、破滅のプロセスへ一直線‼️ギャング映画でならしたエドワード・G・ロビンソン扮する調査員キース‼️ただならぬ目つきでネフとフィリスを疑い、経験を活かした推理を展開、二人を追い詰めていくキース‼️ウーン、不安、怖い‼️その不安が頂点に達した時、悲劇が起きる‼️重症を負ったネフ‼️タバコの火が無くいつもネフに火をつけてもらってるキースが、ネフに火をつけてやるラストシーンも唸らせる‼️またブラインド越しに射し込む光による光と影の横縞模様の照明効果‼️ホントにモノクロ映像は美しい‼️そして一番は、暗くじめじめした気分でネフとフィリスを描き、人間の深ーい闇をえぐり出して、リアルな迫力を生み出すワイルダー監督の素晴らしすぎる演出‼️ホントにスゴい‼️尊敬‼️もう、ひれ伏すしかないです‼️
ヘップバーンもモンローもまだ現れていないか!だから、この映画つまらないんだ。
元祖火曜サスペン○劇場だ。チープすぎる。まぁ、完全殺人なんて、あったらみんな真似するから、わざと話を面白くアレンジしているのだろうが。少なくとも、傑作ではないと思う。
深夜に告発する必要があったのか?
何をやりたくて?最後の行動が理解出来ない。
そもそも、計画に問題がある。展望車というくらいだから、客が二人以上いた場合どうするつもりだったのだろう?煙草文化の時代故、展望車は二人以上煙草を吸っている可能性が高い。
レイモンド・チャンドラーの脚色が入っているとの事だが、雰囲気はバードボイルド風だが、本格推理映画とは言えない。矛盾があちこちにある。
保険殺人に至る強烈な動機が無い。まさか、アンクレットがそれなのか?
娘のローラの方が、綺麗だと思ったが。
少なくとも、人生を駄目にしてまで、惚れる様な相手では無いと思う、また、ワイルダーも、彼女をそんな美人で魔性の女には描いていない。たから、ワイルダーの演出不足と思う。少なくとも、ヘップバーンやモンローを使った方が良かったと思う。そうか、ヘップバーンもモンローもまだ現れていないか!だから、この映画、つまらないんだ。
ここから、完全ネタバレが含みます。
追伸
僕も傷害保険に入ったのに何故骨折したのに、請求しないのか?気になった。案の定。完全にネタバレ。
1940年代「フィルム・ノワール」映画及び悪女ものの傑作であり代表作として名高い本作。期待した程にはのめり込めなかったが、ビリー・ワイルダーの話術の巧みさにはやはり感心させられる。
①監督4作目ということで1950年代に全盛期を迎えるその演出力がやっと花開き出したところ、というところかなァ。翌年『失われた週末』で沢山の賞を取っているし。でも『サンセット大通り』(1950)に比べるとまだまだという感じかな。②「松葉杖」の映画である。冒頭のタイトル→キャスト→スタッフと紹介される間に松葉杖をついた男が画面の後ろから前に歩いてくる。『Double Indemnity』(倍額保証保険)とは関係無さそうだし、沢山あるこの映画の説明文・批評・解説に「松葉杖」のことは特に書かれていなかったしで、“?”と思っていたが、犯人が“完璧!”と自画自賛していた計画にキースが初めて綻びを見つけたのが「松葉杖」だっので“成る程!”と唸らされた。映画の冒頭で既にトリック崩しのタネを見せていたとは。さすが演出に遊び心のあるビリー・ワイルダーである。③回想形式で主人公(或いは事件の探偵や保険調査員)が犯罪の初めから終わりまでを辿っていく手法は『市民ケーン』の手法を「フィルムノワール」が取り入れてから一般化したとのことだが(この辺りの事情は山田宏一著の『映画的なあまりに映画的な美女と犯罪』(廃版になったかしら)に詳しい)、この映画もその一つ(他にも『郵便配達は二度ベルを鳴らす』『殺人者』『farewell, my lovely』等々、そして極めつけ死者が回想する『サンセット大通り』)。④1930年代にはコメディ映画での主演男優としてクローデット・コルベールとのコンビで人気を博したフレッド・マクマレィが女の色香に惑わされて殺人を犯し自滅する男、同じく戦前はコメディ映画・恋愛映画・人情映画で人気を博したバーバラスタンウィックが稀代の悪女を演ずるということで別の意味で話題になったのでしょう。で、そのバーバラ・スタンウィックですが、ルックス的にあまり好きなタイプではないのでフレッド・マクマレィがあんなに直ぐに魅せられるのが共感できない。それで予想していたほどこの映画にのめり込めなかったんでしょうね。でも流石に実力のある女優さんだけあって冷酷・非情で計算高いな女ぶりは凄みはありました。横で殺人が行われているのに表情ひとつ動かさない冷血ぶり。初めて会った男に「今まで日光浴していたの(つまり、真っ裸だった、言って男の欲情を誘っているようなもの)」とアッケラカンと言ったり、着替えた後階段を降りてくる時に先ず脚と足首に付けいているアンクレットチェーン(最初は娼婦の間で流行ったものらしい)を映し出すカメラ。男は直ぐにアンクレットチェーンに魅せられてしまう(足フェチか?)。フレッド・マクマレィは初めて屋敷を訪ねたのであり、バーバラ・スタンウィックもこの時点では罠にはまる男かどうかわからない筈だったので訪ねてくる若い男にいつもこんな風に迎え入れるだとしたら何と計算高い女!男に対しても必要以上に微笑みかけたり媚びたりするのではなく、値踏みするような目で見据えるだけ。巣にかかる男をまっている女郎蜘蛛のような女ですな。現代の感覚で言えば徹頭徹尾冷血非情な悪女でいて欲しかったが、最後マクマレィを撃った後生まれて初めて愛を知ったと言って死んでうくのは、当時のハリウッドとしては最後に改心するというのがなければ許されなかったせいでしょうね。犯罪者たちは映画の最後で必ず罰せられなければならない、という一種の倫理コードがあったのでしょうね。まあ、良し悪しかな。⑤E.G.ロビンソンは流石に上手い。軽妙な演技に終始しているようで、26年間の仕事がもたらした経験・知識(その裏にある人間の欲望・愚かしさ等への洞察力)の年輪を感じさせる貫禄が素晴らしい。
魅惑の美女に翻弄
チャンドラーが脚本参加しているが、美女に惹かれ、マーロウと逆に妖しい人妻になすすべなく翻弄される。主人公が見境なくのめり込んでいくプロセス、気持ちの揺れがが描けている。他愛もない保険金殺人なんだけど、ゴシップ記事的に引き込まれて行く感じが良い。
あのレコーダー。映画で観るの初めてだけど、技術史的に為になった。日本でも使われていたのかなあ? 博物館でも見慣れない気がする。
傑作と言われているが
ビリーワイルダー監督作品の中でも三本指に入るほど有名な本作。
初期の作品らしいが、自分の好きな彼のテイストとはまた違う魅力だった。
始まり方から終わり方まで、細部まで抜け目なく完璧な脚本は
やはり素晴らしい。
傷害保険の魔力
フレッドマクマレイ扮するパシフィック保険営業のウォルターネフが殺人の告白をするシーンから始まる。保険の更新をしようと立ち寄った顧客のところで、ご主人が不在のところバーバラスタンウィック扮するフィリス奧さんに更新の案内をしたら傷害保険を聞かれた。同僚のキースは不正請求にならないよう気を付けていた。フィリスに有頂天になったウォルターは、夫に内緒で死亡時に5万ドルが倍額出る保険の話をした。でもウォルターはいきなり殺したいのかとも言った。
男は皆スケベだが、独身のウォルターは美人妻を何とかしたいと思ったんだろうな。さらには夫を殺したい妻の信念を感じ取ったのかな。共通の目標を持ったふたりは実行するために夢中になり、ふたりの絆は深くなる。愚かにもアリバイ作りにも必死で努力する。ここまで危険を犯すのは、やはりバレなければ保険金殺人が如何にうまいかと言う事なんだろうね。なかなか面白かったよ。
「深夜の告白」の進化形が「情婦」か?
たまたまNHKBS放映があったので、
大好きなビリー・ワイルダー物として
昨年に続いて鑑賞。
因みに私のワイルダー物の一押し作品は
「情婦」と「アパートの鍵貸します」です。
さて、何故この作品が面白いのかは、
様々な解説を読んで、
これまで散々流行った保険金殺人事件物の
元祖ストーリーだったためと理解出来た。
ただ、あえて言えば、
意外な展開を優先し過ぎたか、
フィリスがザケッティを具体的にどういった
役割のために、
どのように仲間に引き入れたか、
また、ローラを裏切っているザケッティを、
ネフは彼に何故温情をかけて
彼女に連絡させようとしたのか解らない等、
説明不足が多々ある。
また、あれだけの感の働くキーズが最後まで
ネフに疑いを持たないのは、
友情が邪魔をしてしまったとしても
不自然と言えば不自然だ。
むしろ、ネフが犯人と推理して、
自首を促そうとして
証人に会わせたりしていた、
との設定の方がラストの友情シーンが
更に生きて来ないだろうか。
ザケッティやローラのようなサブキャスト
を最終盤できっちり生かしてきて、
かつ描写上の不自然要素が無いのが「情婦」
で、「深夜…」からのワイルダーの進化を
感じさせる作品だと思う。
もちろんワイルダー特有のユーモア要素
についての進化は言うまでもない。
冒頭、主人公の回想形式でストーリーが始まるところはサンセット大通り...
冒頭、主人公の回想形式でストーリーが始まるところはサンセット大通りを想起させる。
録音機はどんな仕組みになっているのか。
キースに好感を持った。
終盤、女の言うことが信じられなくなってくる。
とても面白い
女の「私は人を愛したことがなかった」というセリフにぐっとくる。このような自分の負の側面を自覚してうつむいているのに、行動は全く改めることなく、地獄へ一直線なところが切なくて最高だ。
家に保険会社の小柄なおじさんが来ているところに、女が訪ねて来てドアの裏に隠れる場面はさりげないのにものハラハラする。小柄なおじさんの抜け目ない感じが怖い。女もヤバそうな感じがむんむんしてキャラが立っていて面白い。
原題の本当の意味は「犯罪は二人でやると、二倍危険」
これは大傑作!
というかビリー・ワイルダー監督作品に外れ無しです
脚本がまず面白い
撮影も雰囲気が有って気品まであります
タイトルバックの松葉杖の男を逆光でシルエットで写すその映像でもうこれは面白いぞ!と分かります
台詞がスクリューボールコメディばりに応酬されるキーズとの会話はお見事
エドワード・G・ロビンソンは素晴らしい俳優で、彼の出演作品を追いかけたくなりました
社長が上着を着てないと彼に文句を言うと、礼服が必要とは知りませんでしたと口ごたえしたり、部屋から出てきたらタキシードが要るなとか吹き出しそうです
しかし、喜劇風味はそれくらい
あとは徹底してフィルムノワールとファムファタルの世界です
スイカズラの花言葉は「愛の絆」
誰との絆?
ファムファタルたるフィリスではもちろんない
それはキーズだったと思います
キーズの安物の葉巻にウォルターはいつも火を付けてやる側です
もちろん会社の立場は彼が上です
それでも、彼とは仕事で互いに認めあって、尊敬し信頼し友情を感じている強い絆があったのです
だから彼は冒頭で会社に戻り告白をするのです
それはまるで愛の告白のようです
そしてラストシーンでのキーズの胸に抱かれて彼の最期の一服は、キーズが初めて彼に火を付けてやるのです
愛の絆だったと思います
フィリス役の悪女ぶりは凄い演技力で、目の色だけで背筋が凍りました
ザケッティとウォルターを互いに憎しみ合わせて、殺し合いをさせる目論見であったはずですが、結局不発に終わります
最終的にはどちらか生き残った方を、自分が殺す算段だったのでしょう
スーパーで落ち合う際に、彼女が店に入った直後にザケッティが通り過ぎます
フイリスがなにかしら理由をつけて彼を呼びだして、スーパーでウォルターと落ち合っているのをわざと見せる作戦だったのも知れません
しかし不発に終わったのでしょう
犯罪の綻びは、ウォルターの完全犯罪だけでなく
フイリスの犯罪にも綻びが生じていたのです
彼女の殺人計画はこのスーパーのところから綻び始めていたわけです
キーズの言うように、犯罪は二人でやると、二倍安全でなく、二倍危険だったのです
倍額補償特約という原題は、じつはこれに掛かっていたのだと思います
グレンデール駅からパロアルトまでは、約500キロ
東京大阪間ぐらいの距離感です
いまでも鉄道が走っていて、調べると所用時間9時間とありました
独特の構造がおもしろかった
モノクロ。かなり古い映画で、観るべきか少し躊躇したが、観て良かった。ビリー・ワイルダー監督は多分初めてだ。コメディなどではなく、サスペンス。コメディ要素は全くない。
深夜に誰もいないオフィスに入ってきて、友達か上司あてにテープレコーダーに「告白」を吹き込むところから始まる。
自動車事故についての保険が主題になっている映画である。
本作タイトルの原題が意味する「倍額特約」とは、途中でセリフで説明があるのだが、もし交通機関(汽車)での事故での負傷だった場合、倍額が保障されるというもの。
そもそもこの時代に自動車を持っているものは富裕層のみだったはずだが、だから富裕層むけの物語になっているのだと思う。
保険と保険金殺人についての映画のため、ややこしいかと思ったが、私にも大筋は理解できた。
自動車保険の更新を頼みにきた営業マンが、その家の奥さんに誘惑され、旦那を殺す計画を立案する。
そして計画を実行するのだ。その際の連絡方法がユニークだ。喫茶店や公園などではなく、営業中のスーパーで立ち話をするというもの。
サブストーリーで、その家の娘が、ある男に恋をして家を出てゆくという話がある。
社長、上司、目撃者などでてきて、話は二転三転する。
ラストは、女を殺し、会社に戻って全てを告白する男。
メインの筋はそんなにむずかいものではないが、どういう背景でこの映画がつくられたのか考えてしまう。
何だこれ、めちゃくちゃ面白い。 ある男が自分の罪を告白するというス...
何だこれ、めちゃくちゃ面白い。
ある男が自分の罪を告白するというスタイル。つまり犯人は最初から分かっています。不倫絡みの保険金殺人、これもまあありきたり(当時は相当衝撃だったようです)。
なのにめちゃくちゃ面白い。如何にこの犯罪が暴かれていくか。そして徐々に判明していく登場人物の真相。友人と愛人のニアミス等、ドキドキする場面も多数。
ウディ・アレンが「史上最高の映画」と評す本作、古いですが絶対見るべき作品です。
年代物の頁が少し色褪せた小説のような作品
モノクロの映像で、具体的な場面が省略される
事で、よりイマジネーションが膨らんだ。
無駄のない会話劇に魅力を感じた。
終盤、女性が密談の為にスーパーを訪れた
場面で、車を降りた女性の後ろを通過した
男性が、娘の恋人役の俳優さんと激似 👀
通行人としても出演??
NHKBSを録画にて鑑賞
保険金殺人
邦題にあるように独白調の犯罪もの。原題の方が興味深いものがある。保険金殺人という考えがこんなに古くから存在していたことにも驚きだ。事故、自殺、殺人と推理するのが面白いだけで、スタンウィックの悪女ぶりもイマイチ。娘ローラ役のジーン・ヘザーが綺麗だ。
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