マスター・アンド・コマンダーのレビュー・感想・評価
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Complimenting Your Intelligence - A Rare Gem
Weir presents a narrative that can be deconstructed as a Hollywood epic adventure film while putting us on deck with a crew in a way that feels convincingly like we are in real history. Crowe plays a captain on a royal mission at odds with his crew, and we muse on Western culture's origins in the Commonwealth realms of Europe breaking off into New World settlements. Swashbuckling dialogue ahoy.
【英国人らしいユーモアとズルさ】 私掠海賊ってそもそもイギリスが始...
【英国人らしいユーモアとズルさ】
私掠海賊ってそもそもイギリスが始めたことなのに、本作ではしれっとフランス私掠船を悪役にして「単騎果敢に立ち向かうイギリス海軍!」みたいに物語を紡ぐオマ言うっぷりが、もう最高でした。
劇中曲も全部、ボッケリーニ(伊)だったりバッハ(独)だったり、敵国の作曲家の作品ばっか。
いいね~、このトボけたズルさ、とってもイギリスっぽい(笑)。
随所に挟まれるネルソン提督ネタも素敵。
オーブリー艦長が、士官候補生の少年にネルソンの伝記をプレゼントするシーンは胸が熱くなるし、
ネルソンの名言を丸パクりして「奇襲に勝機あり」と演説し、クルーたちがゲラゲラ笑うところも楽しいわ♪。
そしてエピローグの自虐性。
四角四面に生きていない英国人の矜持を嗜む黒い快作!
指揮官の哲学
個人評価:3.7
19世紀初頭の海の上の戦争。その迫力を描くと共に、艦長という指揮官の生き様が深く描かれている。船員の命を預かり、また命を懸けさせる指揮官の背中をリアルに描く。ラッセル・クロウにハマり役の主人公像だ。
子供も乗船し、大人と同じ思想で、他国と命のやり取りをする時代背景は、少なからず驚かせる。
戦争映画だけではなく、指揮官の哲学の掘り下げ。ピーター・ウィアーらしい、地に足がついた脚本と演出である。
微妙です
海戦映画ではなくどちらかというと船内の人間ドラマが主題でした。
古きよき時代の英国の栄誉がよく描かれています。描写も丁寧だし重厚な大作風の作品です。
しかし、何か決め手がないというかドラマチックもサスペンスも希薄です。
賞の候補になったりしたそれなりの佳作なんでしょうが、圧倒的な面白さ、或いはジワジワした感銘も受けません。故に良くも悪くも3点です。
見どころはピピン!ゴンドールの攻防戦をさぼって、こんな海にまで来てたのね
これはキャラの予習が必要な映画だと思う。字幕に頼っていると、誰が誰だかわからなくなります。ウォーリーが流されてしまった!と言われても、「誰?それ」なんて考えていると既に置いてけぼりを食らっちゃいます。翻訳にはほとんど名前が出てこないので英語にもガマンして名前を聞き取らなくてはならない。。。辛いところだ。
全体的には細かい描写へのこだわりも見られ、ツッコミは入れさせないぞ!といった製作側の意図が窺える。しかし、中盤はのんびりとガラパゴス諸島での観光旅行気分になり、ダーウィンが登場するのはもっと先ということも考えると時代考証はあっているのだろうか?などとつまらぬ疑問が頭をよぎる。また、野球も出てきたような気がするが、これもそうだ。細かいところにこだわりがあるものの、はてなマークが出てきましたね。
しかし、昆虫のナナフシをヒントに上手くラストにからめ、迫力ある戦闘を楽しませてくれました。☆はちょっと甘め。
【2004年2月映画館にて】
操作性のよい船への愛
海洋冒険小説が原作なので 主人公はそれを期待される人物像だった
作家にインスピレーションを与えたのは、トマス・コクランで ナポレオン戦争で大胆に活躍した艦長である(作戦に工夫が感じられる…)
特に、スループ〈スピーディー号〉の時の戦果は華々しい
彼の性格の残念なところ(かなり協調性に欠ける)は
作家達が修正し 別人にしているので人間ドラマを期待しては駄目かも
海洋国家英国の誇りと 操作性のよい船への愛が感じられる作品だった
映像は素晴らしいが…
映像は迫力とリアリティがあって素晴らしいのですが、ストーリーはあまり印象に残らなかったです。
登場人物が多い割にあまり個性を感じません。オーブリー艦長の凄さもいまいち伝わってこなかったです。
良かったのはマチュリン船医と、今作の癒しブレイクニーくん。
気になったのは、船員の死や負傷に物語における意味や原因に深みがないところ。
特に最初の死には不快感しかなかったです。更に次の負傷の原因が雑すぎて驚きました。リアリティを求めた結果でしょうか…
オーブリーとマチュリンの意見の対立や関係性は良かったですが、少し展開がだれているようにも思いました。
ラストはおっ、と思わせる展開があって良かったです。
ただ、ガラパゴス諸島にもちゃんと行ってあげてほしいですね。
ナポレオン時代の海での戦い
艦隊戦があるものかと思ってましたが、1対1の船と船の戦い。大砲の威力だったり、海での戦いであったり、リアリティに寄った、当時はこうだったかもという気がしてきます。
最後の決戦シーンも圧巻です。裏の裏のかきあいが面白い。まさに艦長通しの頭脳戦でもあるのが面白い。
最後にやはり敵の艦長は一枚上手だな、と感じるとこらもいいね。
この艦がわが祖国。
最初はちょっと船漕いじゃうゆったり感でしたが。
船医がアクシデントで撃たれた前後から面白くなりました。
動植物の宝庫・ガラパゴスに行くか行かないかで艦長ともめて。
治療も兼ねて行ってから、いろんな発見をするという。
ラッセルの迫力満点の演技が、オスカーノミネートも納得でした。
圧巻の戦闘シーン
船医役のポールベタニーに惚れた!
ナポレオンの活躍した時代の、フランス艦とイギリス艦(こっち視点)の戦いです。
シーンはもっぱら海上。船同士の戦闘の映像は圧巻でした。
組織の上に立つ人間の苦悩が伝わってきました。
疲れたけど観た後なかなか爽快でした。
素晴らしいリアリティ
まず、この映画は、パトリック・オブライアンによる原作小説ファンのために作られたものです。そう言い切っても良いでしょう。
帆走軍艦の時代を舞台にした小説は、欧米では一ジャンルを形成しており、日本で言えば時代小説のようなものです。それなりにこの手の小説を読み、当時の英国海軍や帆船の知識があれば、楽しめる内容ではあると思いますが、原作の少しクセのある設定を知らないといろいろと不満を感じるであろう作品となっています。
帆走軍艦の時代小説は、日本でもホーンブロワーシリーズなどいくつも訳出されています。それらの作品を読んだ感想では、痛快時代劇といったものが多く、日本の時代小説の秀作のような深みはありません。
しかし、この パトリック・オブライアンによる原作シリーズは、当時の音楽、学術などの詳細な知識や、小説としての質の高さから欧米で絶大な人気を得ているものです。
その小説の世界を本物の帆走軍艦を用いて再現したところに、この映画の価値があるのであって、その他の観点からの評価は、はっきり言って意味がありません。
今見ることができない帆走軍艦のディテールや、聴くことのできない大砲の玉が飛び過ぎていく音など、小説を読み想像するしかなかったものを実感する。そのためにこの映画は作られたのです。
補足すると、本作品は、小説の設定や一部の筋を使用して、新しい結末を作っています。原作ファンにとっても満足のいくストーリーであると感じました。
さらに補足すると、原作のマチュリンは、トカゲをイメージする顔をした小男であり、ポール・ベタニーのような長身ハンサムではありません。しかし、不満を感じさせない出来です。
最後に、原作シリーズの1作目マスター・アンド・コマンダーを是非お読みください。(本作品の原作は10作目です。)ラッセル・クロウも本作品に出演するためにシリーズ全作を読んだそうですから遅くはありません。
予想と違う~。
観に行く前の予想と、観に行った後の感想が、これほどかけ離れた物になるとは正直考えていませんでした。いや、作品のデキがどうこうというレベルではなく、予想していたジャンルの映画ではなかったという点でなのですが…。
もっと派手な“海洋スペクタクル”物かと思っていたのですが、何だかすごく“地味な”印象を受けました。宣伝でやっていたほど、少年たちが話しのメインになるわけでもなく、画面も何となく全体的に暗い感じがして、期待していたワクワク感とはまったく異なるテイストの映画でした。何よりもガラパゴス諸島が出て来た辺りから、作風がまるで「野生の王国」…今風で言うと「どうぶつ奇想天外」か?と思わずツッコミをいれたくなるような展開で、この辺でかなりテンションが下がってしまいました(こういう展開がお好きな方もいらっしゃるでしょうが…)。ですから、せっかくクライマックスの海戦シーンが始まったというのにもうその頃にはかなり疲れておりまして、あまりのめり込むことが出来ませんでした。ラストシーンにしても何か釈然としない(これはご覧になってから、お考えください)ものが残りました。テンポが悪いというか、長すぎるというか、少なくとも観終わった後に“スカッ”とした感じを期待していた吾輩にとっては、何とも消化不良のような作品でした。
「いまを生きる」「グリーン・カード」は好きなのですが、前作「トゥルーマン・ショー」でも今回のような感想をもってしまった吾輩は、ひょっとしてピーター・ウィアー作品とは相性が悪いのかも…?
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