間宮兄弟のレビュー・感想・評価
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大きな事件はないけど。
2006年作品。久しぶりに見たら、半分覚えてた。
蔵様と塚っちゃんが共演した初作品だし。
この作品があったらから、役者塚地ができたわけだし。
「今日の反省会」を話し合える相手がいるのって、いいよね。
兄弟の部屋が、また味わい深し。
本棚とかじっくり見たい気がした。
後カレーね。
バブル経済崩壊後のライフスタイルを先取りした原作の無自覚な映画化
1 失われた10年が生んだ癒しのヒーローを描く原作小説
原作『間宮兄弟』はバブル経済が崩壊した日本の傷を癒す小説だと思う。
揃って女性にモテず、生まれてから一度も女性と付き合ったことがなく、子供時代から女性に関しては屈辱の個人史しかない兄弟2人。それでも時にキッカケがあると、相手のことはお構いなく勝手に思いつめ、よせばいいのに告白しては撃沈し、兄・明信は部屋に閉じこもってジャズを聴き、弟・徹信は新幹線を眺めに行く――。
30代にもなれば、兄弟と暮らす鬱陶しさに耐えきれず、さっさと一人暮らしを始めるのが普通だろう。でも、この兄弟はずっとマンションで2人暮らしを続けている。
いつものようにフラれても、立ち直りは案外早く、毎日きちんきちんと仕事に出かけていく。
明信はビール会社の社員、徹信は小学校の用務員だ。明信は亡き父と同じ弁護士を目指したこともあったが、高くそびえる司法試験の山を前に早々に引き返した。集団行動が苦手な徹信の理想は初めから用務員で、数多くの研修を受講して、見事に理想を実現した。
彼らは残業もせずに帰宅すると、TVの前でプロ野球の試合に見入りながらスコアカードをつける。
週末にはレンタルビデオを借りて好きな映画を鑑賞したり、好きな本を読みふけったり、公園で紙飛行機を飛ばしたり、夜中に巨大なジグソーパズルを始め徹夜で完成させたりする――全部、2人揃って熱中してやるのである。祖母の面倒を見ている母親の誕生日には、必ず食事会をして祝う。
ある夏、彼らは性懲りもなく女性に誘いをかける。今度は弟の勤務先の教師・葛原と、ビデオショップのアルバイト・直美。自宅でのカレーパーティとか、花火大会などを実施すると、一応女性たちが参加してそれなりに盛り上がったりするものの、最後は予想通りあえなく討ち死にしてしまうw
その後、明信の先輩・大垣の不倫と離婚騒動、直美とその彼氏とのひと悶着、彼女の妹・夕美とその彼氏の登場…などなどが絡んでいくのだが、彼らの多くも恋愛関係に満足しておらず、それぞれ悩みをかかえ、心を痛めたり煩悶したりしていく。何故か、そんなときに彼らは間宮兄弟を思い出すのである。
直美は、彼氏の気持ちに不安を抱きながら「ふられて、そのあと誰ともつきあえないとしても、将来間宮兄弟みたいに、妹とたのしく暮らせるかもしれない。あんなふうにまっすぐに生きていたら。他人の目とか、格好とか、下らないことにしばられずにいたら」と願う。
夕美はフラれた弟の背中に抱き着いて「これは違うよ。アイじゃないよ。友情の抱擁だから」と囁いてくれる。
大垣に別れて欲しいと言われた妻は、徹信の電話をきっかけに、夫に捨てられた自分の悲しみを自覚して涙を流し、最後には心を開いて離婚に同意する。
登場人物たちは間宮兄弟に癒され、読者も同じく癒されるのである。何故か。
兄弟には大きな夢とか出世欲はカケラもない。しかし、自分の足元をきちんと見据え、生活を大事にし、兄弟同士も母親も、周囲の人々も大事にするからだ。経済で、仕事で、異性獲得レースで競争に疲弊しきった人々に、それが大きな慰めとなる。
バブル経済が1991年に崩壊し、失われた10年の後、2004年に江國香織が発表した新たな癒しのヒーロー、バブル崩壊後のライフスタイルをいち早く先取りした人物、それが間宮兄弟なのである。
2 原作の癒しを十分生かせなかった映画化
バブル経済崩壊の6年後、森田監督はサラリーマンのバブル清算とも言うべき『失楽園』を撮ったが、その9年後の2006年、今度はバブル後のライフスタイルを示唆する本作を撮った。
ところが、そのテーマが森田の中で十分熟していなかったのだろうか。本作は落ち着いた笑いと癒しを描くべきところ、肝心の「癒し」の部分を十分前面に出せていないのである。
その典型が、弟が人妻・戸田菜穂にMDを渡そうとして、断られるシーン。
原作では彼女は弟の電話に対し、冷たい言葉を投げつけで受話器を置いた後、突然落涙する。しかし、映画では彼女は自分のiPodを見せて、MDはいらないというのである。これは映像で新しいゲームや家電製品を取り上げて喜んでいたバブル期のアイデアだ。
沢尻の間宮兄弟に対する親密感も描けていない。この結果、兄弟はただの道化回しとなり、ちょっと変わったギャグ映画と化してしまったように思える。
また、北川景子のキャラクターは不十分で、彼女の登場するシーンはほとんど上滑りしている。彼女の演じる夕美の彼氏は、原作では「なんか、こういう仕事、いいですね」としみじみ呟いて徹信を喜ばせるのだが、映画では奇妙に有能なオタクと変更され、最後にはフランス留学することになっている。まだ、<世界と競争>的な残滓を引きずっているのである。高嶋政宏の人物像はヘラヘラ笑っているだけで中身がない。沢尻エリカもいま一つ。
それは森田が原作のテーマに無自覚で、脚本が練れていないからだと思われる。それも無理はないだろう。失われた10年が失われた30年になるとは、当時誰も思わなかったのだから。
草食生物化
全編、和むんです。
基本仲良きことは美しきかな、で。
未婚のアラサー、アラフォー、実際こんな感じじゃないかな~と。
ちょっとボーっとしている間にこんな年になっちゃった。
今の生活もそんなに悪くもないし、と。
映画自体はつまんなくもないし、ふむふむと、なんだか観れてしまう。
けれど見終わってから不安を感じる。
こんなに、押しの少ない、ガツガツ感のない、草食動物が蔓延して日本で人口増えるわけなくねえ?!
塚地さんと蔵之介さんの存在感、演技力に感心しました。
加えて、劇中の不登校児の作文には涙。
【仲良き優しき30代兄弟の周囲は、いつも柔らかな空気に満ちている。故、森田芳光監督お得意のオフビートな笑いに満ちた軽やかな作品。常盤貴子さんを始めとする、女優陣の豪華さが凄いです。】
■間宮兄弟は30代の仲の良い兄弟。兄・明信(佐々木蔵之介)はビール会社の研究員、弟・徹信(塚地武雅)は小学校の校務員。
兄弟は日常の小さな歓びを重ね、楽しく生きている。
そんなある日、兄弟はそれぞれちょっと気になる女性を誘ってカレーパーティーを開くのだが…。
◆感想
・後期、森田監督作品は余り高評価をされていないが、私は今作や、「武士の家計簿」(算盤侍映画の発端となった秀作である。)や、遺作になってしまった「僕達急行 A列車で行こう」のオフビートな映画が好きである。
・今作の特色は、30代になっても仲良く暮らす(布団も並んで敷いている)間宮兄弟のホンワカした魅力と、彼らを取り巻く女優さん達の豪華さである
ナント、間宮兄弟のお母さんは、中島みゆきさんである!
<今作は観ていて、ホッとする映画である。そして、時々クスリと笑えて、時々沁みる映画である。
常盤貴子、沢尻エリカ、北川景子、戸田菜穂という女優陣は、当時最強だったなあ・・。>
見るのは3回目。
間宮兄弟、仲睦まじい兄弟愛に、みていてほっこりする。これは癒やしの作品だ。
初は10数年前くらいに見たが、3回目くらいになる。
間宮兄弟の実に健全なホームパーティ。
めっちゃ楽しそうである。
美人姉妹に、美人教師に、上司の妻の戸田菜穂。美人がたくさん登場するとこもいい。
間宮兄弟の純愛は全く成就しないが、
実際こんな2人、意外ともてる
と思う。学校の用務員、大手ビール会社、普通に働いていて、二人とも本当に温かいからなあ。
てつろうが、ぼったくり店でコーヒー牛乳のんで10万円ヤクザに請求されたり、笑ってしまう。
沢尻エリカみたく男に大事にされないのに、その男に惚れ込んだり世の中には、そういう女がよくいる。あるあるだ。
北川景子の初期の作品で実にバカっぽい
笑ってばかりの女役。しかし意外と優しいんだよな。こっちの妹のほうが愛おしいけど僕は。教師役の常盤貴子にはなんとも
感じないな。なんか変な役だ。
戸田菜穂は美しい。しかし、てつろうに冷たくて寂しかった。まあ当り前であるが。
レビュー見ると響かない人には全く響かない作品の典型みたいだな。まことに残念。
僕は大好き。たまにみたくなる映画で評価をもっとすべきである。
兄弟に訪れたファンタジー
夢物語だな。
突然カレーパーティーに誘って来てくれるもんかね。
そこが不思議で仕方ない。
結局過ぎてみれば、また同じ日常に戻ったのみ。
でも生きていくってそういう終ってみれば何もなかったことの繰り返しなんだな。
何も起こんなかったけど、何か残ってる。
依子、直美、夕美側にしたらそれきっかけで生活に変化あり。
何がというわけではないけど、そんなこともあったな、と。
善き日々でした。
森田監督ならではの作品
いやあこんなにオフビートで心地よい作品を久しぶりに観たなあ、原作も良いけどそれを引き立たせた脚本と監督の演出手腕に脱帽です。30代の仲がいい独身兄弟が彼女はできないけど母やばあちゃん含めて暖かい人間関係で人生を過ごしてる、そんな人生を楽しく描く良作。
意外な方が
森田芳光監督作品だったので鑑賞しましたが、それよりもキャストが豪華でビックリしました。中島みゆきが母親役なんてのも意外でした。疲れて帰宅した平日に何となくゆるゆるな気持ちになるには良いかもです。平成に製作されたはずなのに、昭和の雰囲気が醸し出されていました。
見ていて、ほのぼのするね!
仲良しの間宮兄弟が
とてもかわいいと思うのは、
私だけだろうか?
兄明信と弟鉄信は、
仲睦まじく一緒に暮らしている。
野球のスコアをつけたり、
グリコじゃんけんしたり、
布団の中で、反省会したり…
そんな2人には恋人がいない…
ある日、鉄信と同じ学校で働く
葛原先生と、レンタルビデオ屋の
アルバイトの直美ちゃんを誘って、
カレーパーティーを企画する。
不器用だけど、まっすぐな兄弟の恋に
思わず、応援したくなってしまう。
一方で、こんなに仲が良い2人がいれば、
恋人なんかいなくてもいいじゃん!
と思ってしまうのは、私だけ?
あ、あの・・・kossy's houseでツイスターゲームパーティをしませんか?モノポリーはないけど、「いただきストリート」ならありますよ・・・え?ことわる?
マニア兄弟とも喩えられていましたけど、壁にずっと掛けてあったタミヤ模型のロゴTシャツがとても目立っていた。間宮兄弟とタミヤをも引っ掛けてあったんだなぁ~などと思いつつ、そのTシャツが欲しくなっているオタクな自分に気づきました。
江國香織も森田芳光監督もいつも評価が低かったのですが、今回だけは何とか楽しめました。しかし、あり得ない設定のオンパレード。ゆるい笑いを誘うには良かったのかもしれませんが、オタクな趣味の幅が広すぎました。しかも、2人ともテレビやビデオ鑑賞を楽しんでいます。趣味の時間を惜しまずにこれだけやれるのなら、現実では完全なニートになりかねません。もしかすると、働きだしたのは最近だという裏設定があるのかもしれませんが・・・
亡き父は弁護士だったようだし、実家はかなり裕福そうなので、息子2人は働かなくても大丈夫なくらい。いわゆる“高等遊民”と呼ばれる生活でも平気でしょう。兄はビール会社の研究員なのであり得る設定なのですが、弟は静岡からわざわざ東京に出てきて小学校の校務員です。過去の説明は全くありませんでしたが、地元でオタクをやりながらブラブラしていても面白くないので、兄をたよって上京したのではないでしょうか。そんな気がしました・・・
いつまでたっても大人にないきれない兄弟。それでもしっかり働いているし、前向きに生きている。こういう友達がいてもいいな。などとも思ったのですが、あのおにぎりを目当てに山下清画伯あたりが居候してしまうかもしれません。
〈2006年映画館にて〉
居そうでいない兄弟
あんな毒気の欠片もない兄弟は中々居ないと思うが、異常に仲良くて羨ましいとは思う。母ちゃんが中島みゆきでさらに羨ましい(笑)
当時の美人女優が揃っており、兄弟そっちのけで奇妙な女性の内側の展開が恐い。
兄弟は確かに良いやつなのだが、中々付き合ったり結婚したりの決定力不足は否めない。
ビール工場勤務も用務員も今時の事情で考えれば収入的には悪くないはずだし、そこそこ良い年になれば、お見合いでカタがつきそうと思ったり…。
まぁのほほんとした気分で観るなら良しと言う作品です。
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