リトル・ダンサーのレビュー・感想・評価
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バレエ×ミュージカルの自然な融合
今さら感ありありながら、
ロケットマンを観て、リトル・ダンサーに行き着きました。
ビリーの一途なバレエへの探究心が素直に描かれていて、ストーリーも消化不良皆無のとてもスマートな構成で、観入りました。
炭鉱夫がストを起こしている社会的背景で、
男は男らしくという価値観が根付いた街、家庭。
その中で、ボクシングよりもバレエに魅了されたビリーが、バレエを続けるために踊る。
子供らしい体つきで、全身全霊を振り絞って自己表現をするその踊りが、とても美しいと思えました。
なにより、バレエという題材を扱っているから、不自然なミュージカルって感じではなく、映画の中に自然とミュージカルの要素が自然に組み込まれている感じがとても良かった(急に踊り出すミュージカルも個人的には好きです)。
また、バレエ以外の要素として描かれる炭鉱夫の泥臭いストの様子が、優雅に踊る孤高の男子バレリーナのビリーと対照的で、それを見た家族の未来への希望となるのも納得だよなぁと思いました。
そして、団結してからの父は心強い。
田舎者で教養はないけど、息子の将来に賭けてみたいと全力サポートしてあげる。
自分の信念や自尊心を曲げてでも、息子を信じてあげる親子の力は凄いなと感じいる一方、頑固親父の思想を変えるパワーを発揮したビリーはさらに凄いなと思いました。
それから、子供同士ではバレエ教室の先生のませた娘と年柄にもない大人の会話をしたり、実はゲイだった親友を受け入れたり。
自分が暮らす環境下で、自分は少し変わっているという自覚を持った上で、だからこそ、他人の他人とは違う個性を受け入れる寛容さを手に入れていく過程は、価値観の広がりが大人への成長をよく表しているなと思いました。
子供が苦難を乗り越える作品は数あれど、
この映画が秀逸であるという点は、やはりビリーの人柄とダンスの能力にあるのだと思う。
冒頭と最後の飛び跳ねる彼のなんとも言えない表情、ダンスを踊っている時の余裕はないが全力投球しているとわかる表情(ないしは踊り自体も)は、鑑賞者の心をも動かすに値する、素晴らしいものだったと思う。
DVD買いたいな、と久し振りに思いました。
父親の葛藤する姿に、心をえぐられる
これは何度観ても、良いです。
終わりの見えない貧困、母親を亡くした少年、認知症の祖母、芸術を薪にしてくべないと生きていかれない環境の中で、息子にチャンスを握らせてやれるのはやはり、親だけなんですよね。。。
まだ子供が朝から食事を準備したり、徘徊する祖母に優しく声をかけ手を引いたり、もうその辺から涙が滲んでしまってるのですが、クリスマスの夜の友人への優しさ溢れるやりとりや、スト破りのシーンではもうたまらなくて、涙と鼻水が…
貧しい家の子が夢を叶える物語って数多あると思うのですが、この作品は父親目線で見たときに、兄と弟がいて、2人とも大切な息子で、守りたい存在なわけで、その葛藤がまた苦しいというか、酷な現実を突きつけてきます。
父親役はゲイリー・ルイスという方なんですね、存じませんでしたがグッとくるいいお芝居をされています。
主人公を演じたジェイミー・ベルは、幼少の頃からバレエ経験があるそうで結構上手なはずなのに、ビリー少年の荒削りで感情の赴くままに踊る力強い原石のバレエを演じているのがまた素晴らしい。
バレエが好きだった祖母の目にだんだん力がみなぎってくる事とか、音楽の良さなどなど書きたいことはまだありますが、いずれまた観るのでそのときに追記するとします。
これは作品の個性でもあるのですが、時々ちょっとしたギャグ要素が入れてあって、何度も観ているせいか、ちょっと邪魔に感じてしまいます。
例えば移動図書館でのお尻事件とか、自宅練習でのずぶ濡れとか。作品が暗くなりすぎるのを避けるためかなーとは思いますが。
レーティング基準
★5 最高に気に入っていて、今後も繰り返し観るべき作品
★4 とても気に入っていて、また観返すであろう作品
★3 気に入っていて、機会があったら観るかもという作品
★2 いい映画だとは思うが、私はもう観ないであろう作品
★1 自分の好みでもなく、人にも勧められないと思う作品
★0 酷い、映画に対する侮辱、謝れ、観なければよかった
序盤は退屈に感じましたが、中盤〜終盤が盛り上がって、最後は肩に力が...
序盤は退屈に感じましたが、中盤〜終盤が盛り上がって、最後は肩に力が入るほどでした。
父親が息子ビリーのダンスを認めるところあたりからが熱くなりましたー。父(と息子)の熱いドラマです!
最後までみてよかったー!
不器用さ
男家族の不器用なかんじには泣いてしまった。
お父さんがキツく抱きしめるシーンとか。
お兄ちゃんの「I miss you」はずるい。。
迷いながら、立ち止まりながら
でも進んでいく彼は本当に素敵だと思った。
悲しいときも、不安なときも、楽しいときも
全てを踊りにぶつけて、路上で踊り狂う姿が
愛しくなるような、きゅうってなった。
見せ方、秀逸
ダンスのシーンが凄く良い
楽しいダンスも怒りのダンスも。
あの曲で先生と一緒に踊りだすのよかったなー。
色んなところが、飽きさせない見せ方だった。
ビリーも、美少年。
美しい顔立ちをしてる。
お兄ちゃんも、お父さんも、感動したなあ。
家族愛と、夢と、
なんか、いろんなものが詰め込まれてたなあ。
よかった
子どもの目と皮膚と、気持ち
流行歌に合わせてベッドでジャンプしてポーズする11歳の少年。ランニング姿の彼は、見るからに貧しいが、とても楽しそう。彼の父と兄は炭鉱で働き、ボケた祖母の面倒を見るのが彼の係。母は亡くなっている。そんな少年がボクシング教室から一転、バレエに出会い、踊り始めて・・・という話。
炭鉱労働者でスト中である父、バレエ教師の女性、オカマになりかけている友人などとともにストーリーが進むが、少年の目線でしっかり「子ども時代」「実家時代」の空気を映し出していて、あの頃の弾む気持ちとか、ただただ青い空とか、ぐっちゃぐちゃのルーズさとか、なんとなく黄色い土埃とか。観ている自分も子どもに戻って、一緒に走ったり踊ったりしているような。子ども時代の皮膚感覚の再現。
そんな実家ワールドの中でほとばしる、少年の、家族の、皆の気持ちが葉脈のように流れ、話は展開してゆく・・・体育館での夜のダンスシーン、そこからの父が良かったなぁ。
父親の子供に対する愛情
私は、この映画が大好きで、何度観ても魅入ってしまい、ときには涙がこぼれてしまう。
炭鉱の町で、炭鉱労働者の父と兄は、ストライキに参加しており、経済的な余裕はない。ビリーは、父親に言われてボクシングに通っていたけれど、好きにはならず、バレエが面白かった。
ビリーが、踊りに夢中になり、楽しくて仕方ないように踊る姿が爽快だ。父親に反対されても、大好きな気持ちを止められなくて、それを踊りで表現する姿に胸が熱くなる。
父親は、そんなビリーの想いと、ビリーの将来のために、自分の信念を曲げようとする。そのときの父親の辛い涙に感情移入する。父親の想いを知って、ビリーが父親にじゃれて笑い合うシーンは、家族の温かさを感じて幸せな気持ちになる。
たくさんの感動を与えてくれる、大好きな映画だ。
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