「世界はトム•クルーズを観る」ラスト サムライ belleさんの映画レビュー(感想・評価)
世界はトム•クルーズを観る
大村益次郎がまるで悪徳商人かのように描かれているが、彼は医師で学者
である一方、政治、外交、軍事に秀でた、陸軍、海軍の基を作るまでに至る
聡明な人物である。
「ラストサムライ」の台詞にも出てきたが、
映画「300」(2007年)の舞台「テルモピュライの戦い」で言えば、大村は、
アケメネス朝ペルシャのクセルクスなのだろう。
「300」に対し、イラン政府がペルシア人(イラン人の先祖)を激しく冒涜
していると非難したが、映画製作関係者達は、
「映画は史実と異なる形で語っているもので、歴史を正確に伝えるもの
ではない。」と説明している。
つまり「ラストサムライ」の大村益次郎は、近代化の象徴なのである。
とにかく、この映画の渡辺謙は良かった。(国際俳優として知名度が
上がったあと、マスコミの前に出る度にレオが〜トムが〜と頻発するのは
ウンザリだが、、、)
この映画の小雪も良かったが、その後、ハリウッドから声がかからないのは
顔が寂しげすぎるからなのか、英語力が原因なのかはわからないが、今は
3児の母。
真田広之が叫ぶと、何となく「俺はこんな端役じゃものたりねぇ」と
言っているような気がして仕方がなかったが、ドラマ「将軍」をつくる
原動力になったのかもしれない。
芯のある演技を魅せた小山田真は、その後もハリウッドで活躍している。
とにかく、トム•クルーズから目を離すことができない。
ただのイケメンというだけではなく、演技力が素晴らしい〜
彼の場面にはたるみが無く、本当によくやっていると心底、感じてしまった。
日本のドラマや映画で50000回斬られてきた男という
「斬られ役のプロ (福本清三)」は、この映画ではオールグレンの監視役を
していたが、最後の戦闘シーンでは迫力のある見事な死に方を見せてくれた。
斬られ役だった男の集大成とも言える。共演したトム・クルーズからは、
「定年で辞めるなんてもったいない、ぜひハリウッドにおいでよ」と声を
かけられている。なんと幸せな役者人生!!
福本さんは2020年に旅立ってしまいましたが、「お疲れ様でした。
そして、トム•クルーズとの共演、しかと拝見いたしました。」と
言いたいです。
写真家のサイモン(ティモシースポール)は、どこかで見たことがあると
思ったら、映画「ターナー、光に愛を求めて」の主演、画家ターナー役の
人でした。p(^_^)q
