劇場公開日 2003年12月6日

「この上ない美しい生き様」ラスト サムライ トーレスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5この上ない美しい生き様

2011年9月12日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

幸せ

理解するという事に、この映画の素晴らしさが隠れている。オールグレンと彼を捕らえた勝元はお互いに理解し合っていく。インディアンを殺し名誉を自ら取下げ、落ちぶれていたオールグレンは人間を道具として見立て金で雇おうとする日本国に失望するが、家族など関係なくみんな仲間であり、文化を守り自分の道を曲げない勝元軍勢に惹かれたオールグレンが真の英雄になる、そう描かれた希望の湧く映画だ。日本国家は大村を中心に洋式文化を輸入し本来の日本文化を壊していく。そして人間を道具として扱い人々を洗脳していく。それに対する批判は今現在の日本状勢にも通ずるのではないか。自分の利益だけを考え、今までに築き上げてきた我が国の伝統や文化までもが壊されていくこの日本へのメッセージなのではないだろうか、あの剣の意味は。そして最大のポイントは勝元が送った日本へのメッセージ。それは、「いつまでも日本は日本でいてくれ」ではなく「これから先、何があっても我々は日本人であることを忘れないでくれ」。

トーレス