劇場公開日 2006年9月30日

「右手だけ鍛えて何するんですか?あぁ、ナニですか・・・」レディ・イン・ザ・ウォーター kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0右手だけ鍛えて何するんですか?あぁ、ナニですか・・・

2021年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 多分、自分の娘たちに見せたいがために作った映画なんでしょう。いつもならちょっとだけのカメオ出演なのに、今回は「パパはここにいるよ~」とアピールしたいためか、シャマラン監督出ずっぱりとなっていました。台詞の中でもベッドタイム・ストーリーという言葉を強調していましたし、温かいファンタジーといった点では今までの作品と一味違っています。

 そして、笑えるシャマラン映画というのも注目すべきところでしょうか。守護神は誰だ!とか議論していて、アパートの住人を勢ぞろいさせるなんて面白すぎます。インタープリターがシリアルの箱から予言するなんて、伏線が効きすぎてますし、当然最後はジアマッティが活躍するのかと思えば、やっぱりナニの彼氏だったし、下手すると爆笑してしまうところでした。

 そんなコメディ要素が隠し味となっていたにも拘らず、ポール・ジアマッティだけが真面目な演技をしていたのが痛々しかったです。もちろん彼の役どころも悲惨な境遇があったからなのですが、そのおかげで全体のバランスが崩れてしまってます。

 ジェームズ・ニュートン・ハワードの音楽も素敵だし、一貫して水の精霊と人間との関りを通して平和を訴え、近所付き合いの大切さなども教えてくれるいい映画なんです。テーマが子供向けなのに、映像が大人向けだったことも失敗の原因なのかもしれません。

【2006年10月映画館にて】

kossy