殺し屋1 : 映画評論・批評
2001年12月17日更新
2001年12月22日よりシネ・リーブル池袋ほかにてロードショー
どわははやる気だ、三池は確信犯だ!
もう最初っからトばす飛ばす。のっけでガツンとカマす三池崇史流映画術には幾度もヤられたはずなのに、またしても、あァまたしても脳天炸裂カカト落とし。
馬鹿馬鹿しいまでに凄惨すぎるヤクザ殺害、走る自転車回る車輪……脈絡が見えぬまま次々と繰り出される、図太くスピーディ、かつ偽悪的なイメージに顔面引きつらせながら爆笑していると、人相変わるまでヒモに殴られっぱなしの女の姿をベランダでひっそり覗く謎の男が、うっと放った白いナニに、もわっと3Dで浮き上がる「殺し屋1」のタイトル文字。もちろんCG。どわははやる気だ、三池は確信犯だ。
こんなに人をコケにしたタイトル、前代未聞。その後も下品さ非道さ悪辣さは萎えることなく、「ザ・セル」も真ッ青の人体鉤吊りに、舌先切断に、顔面スライスに(あぁもう書けない書きたくない)とCGIは大活躍。三池の師匠・今村昌平の「にっぽん昆虫記」を思わせる過剰に民主主義的すぎるエンドクレジットまで、こんなアホな画像を、恐るべき精度で、コツコツ作り上げてるスタッフの姿を想像してみるがいい。
まさしく本作は、ピーター・ジャクソン「ブレインデッド」と肩を並べる人体加虐系バッド・ムービー、ダーティー・コメディの記念碑的大傑作。18歳未満お断り。
(ミルクマン斉藤)
「殺し屋1」 配信中!
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