「 予備知識ないまま観ると、テヒとジヨンの篤き友情に驚かされてしまう...」子猫をお願い kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
予備知識ないまま観ると、テヒとジヨンの篤き友情に驚かされてしまう...
予備知識ないまま観ると、テヒとジヨンの篤き友情に驚かされてしまう。今の日本ではこんなテーマの映画など作れそうもないとショックを受けたくらいだ。
女性中心の友情ドラマと言えば、ある程度社会経験を積んだ女性の友情物語、もしくは男性との恋愛が中心となる物語、『猟奇的な彼女』に見られるような誇張された強い女性の映画が考えられる。しかし、この映画の中にある等身大で純粋な友情は初めての経験だった。
ヘジュのように一流企業に就職して一流の社員を目指すあまりに純粋さを失ってゆくというありがちな没個性の軸と、ジヨンによって現代の不況を象徴する失業と貧困を対比させる。稼業の手伝いと、失いそうになるアイデンティティをボランティアに見出すテヒが、その二人の間に立たされて真の友を見つけるのだ。
映像の小技も冴えている。ケータイメールの文字、タイプライターの文字が電光掲示板のようにスクリーンに溶け込んでハングル文字の芸術性を高めていたり、朽ち果てんばかりのジヨンの家の天井と、鏡に落とすナイフが微妙に絡み合うコントラストを作りあげたりしている。この貧困の象徴であるかのような仁川の町とソウルの繁華街との対比が絶妙なのだ。そして現代には欠かせないケータイでのやりとりも、5人の仲の良さを表現する効果を出している。
男への恋心とか、若き男たちの描写などは、女流監督だけあって、未熟ではあるのだが、逆に男を排除することに新鮮さを覚えた。20歳の頃の一番の親友は誰だったかな、と思い出してしまう。。。
韓国の映画は3年前から見始めています。最初は耳慣れない韓国語に違和感ありましたが見ると面白くて
今は病み付きです(笑)
今度は、猫たちのアパートメント、観られたら良いかなと思います。私は猫が運ぶ幸運をイメージしています。また、どうぞよろしくお願いします☆
タイプライターを黙々と打つ女性に障害のある男性が
女性に質問する場面、若い女性の携帯が一斉に着信してメロディーが流れる場面
時代の移り変わりが表現されていました。昔の親友ではなく、今を生きる現実的な姿が根底にありました。
美玖さん、いつもコメントありがとうございます。
この映画は5点をつけるほど、新鮮で強烈な印象が残っています。
今でこそケータイ画面だとかチャット画面は当然のように映像化されていますが、公開当時は新しかったんです・・・多分。