「赤、紅、緋 せつなくて苦しい」花様年華 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
赤、紅、緋 せつなくて苦しい
チガウ、チガウ、チガウ、何度も見た映画なのに別の映画のようだった。チガウ、映像が色と音の濃厚さが。「何を」でなくて「どんな風に」。今までの自分の理解が浅薄なことがわかった。誰?どこ?役割と会話、時間軸という層が塗られてそのまた上に別の層が塗られて混ぜて混ざったという映画だった。色彩がクリアなのでマギーの黒髪もトニーのポマード髪も一筋一筋が美しく輝いていた。4Kだからよく見えたのか、二人の各配偶者の後ろ姿や髪型や声をはっきり認識できた。二人がステーキ食べる場面が肉々してワイルドで多分この時二人は美味しくモリモリ食したんだろうと微笑ましかった。アンディ・ラウと違ってトニーの耳は小ぶりだった。マギーは握り箸だった、可愛いかった。電話と大写しの時計はドキドキする小道具だった。トニーはずっと左薬指に結婚指輪してたけれど、マギーは左中指に繊細でおしゃれな指輪をしていた。マギーのチャイナドレスは全て右脇ファスナーだった。着るのは大変だけれど背中シルエットがそれで美しくなる。マギーチャンのヘアメイクも完璧。私の宝物映画。(2022.8.30. 映画館)
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台詞が極限まで削り取られているから少しのことばと電話越しの無言が饒舌だと感じてしまう程に濃厚でした。マギーの衣装が素敵で目を奪われた。チャイナドレスって襟が高いんだ、ほっそりとした長い首のマギーは本当に美しく着こなしていた。柄も布も季節に合わせられる感じで日本の着物みたい。トニーはポマードつけた短髪に白シャツとタイで60年代の男の色気満載でした。そして二人の目と手がすべて。トニー、目だけでもう最高の演技でした。
二人の練習シーンが良かった。一つ目は夫の浮気を問い詰める練習、夫役はトニー・レオン。二つ目は互いの配偶者がどんな会話をきっかけに親しくなったかの想像練習。三つ目は彼と別れる練習。一つ目と三つ目の練習の後で、マギー・チャンは泣いてしまう。練習なのに…。三つ目の後の涙が一番悲しかった。美しくて本当にかわいらしかった。
タクシーの中で自分の肩に相手が頭をもたれさせるがままにして手まで繋いだらもう伝わりあってしまうでしょう。トニーはアンコールワットで木に見立てた岩の隙間に無言の声を絞り出して秘密を囁いて土と草でその隙間を埋めた。トニー・レオン良すぎです。訴えるような眼差しが素敵すぎでした。
音楽も濃厚、チェロがとても効果的だった。カーウァイ監督の映画にはスペイン語の歌がとても似合う。疲れている時は重いけど元気であれば何度も見ることができる映画です。
おまけ:一人だけの夕飯だったら気軽に屋台に行って麺類などを持参の容器に入れてもらってという食生活はコンビニエンス!プラスチック使わなーい!でとてもいいと思いました。共同キッチンはいい部分もあり面倒な部分もあり。香港映画の食事場面とても好きです。
コメントバックありがとうございます。
男が女に上着(?)を着せる、それだけの行為をすごく時間かけて映して、この2人が思い合っているのを表現してて、そこだけ強烈に覚えてます。
ほかは記憶ないです。
でも、きっといい映画だった!
コメントバックと、たくさんの共感ありがとうございます💕
夏の疲れが出ますよね~。豚肉食べて、乗り切ってください。
花様年華はむかーし、テレビで観た覚えがあるのですが、もしかしたら途中でやめちゃったかもしれない。
マギーに服を着せるのに、すごい時間かけてたような気がします。
結局脱いだんだっけ…?