武士の一分(いちぶん)のレビュー・感想・評価
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俺は他人から、情けや施しを受ける身の上になったのか
映画「武士の一分(いちぶん)」(山田洋次監督)から。
毒見役で、赤貝の毒にあたり、失明してしまう主人公、
木村拓哉さんが演じた下級武士、三村新之丞の言葉。
不安とイライラが募り、周りに当たり散らす。
さっきまで夢をみていて、景色や姿がはっきりしたのに、
目が覚めた途端、目の前が真っ暗で何も見えないことを
現実として、しっかり受け入れられない様子が伝わってきた。
そして、独りごとのように呟く。
「俺は他人から、情けや施しを受ける身の上になったのか」
それは、武士にとってとても恥ずかしいことであり、
そこまでして生きようとしている自分が許せないのだろう。
「他人から、情けや施しを受ける」ことが、不名誉な時代、
今で言えば「生活保護」を受給することと同じかな。(汗)
「生活保護」を受ける権利を声高々に主張するのは、
やはり何かの間違いではないだろうか。
ところで、タイトルにも使われている「一分」。
意味は「その人の面目。人間としての名誉、
一人の分際。一身の面目、または職責」
これだけは譲れないという「誇り」みたいなものかな。
P.S.
キムタクって、時代劇向きの顔じゃないな、
パイロットとか、そういう役の方が似合っている。(笑)
面白い!
悲しいシーンが続いたけれども、最後はハッピーエンドで良かったです。
殺陣がとにかくカッコ良く、あれを終盤の盛り上がりに持ってきたのはさすがだと思いました。
全体的に背景がキレイで、当時の様子がしっかり表現されていたように感じました。
「武士の一分」を持って、自分も生活して生きたいと思わされる映画でした。
とにかく、味わい深く、魅せられる映画です。
[ワガシネマ]
金曜日の夜、
ゆっくり自宅で映画を観ながら、
おいしい和菓子を食べる・・・いかがですか?
「ワガシネマ」、
今回ご紹介するのは、
映画「武士の一分」。
2006年公開された日本映画です。
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藩主の毒見役を務める侍、三村新之丞は、毒見の際に食べた貝の毒に
職場で倒れ、意識不明となる。
やがて、目は覚めるものの、自身の体の異変に気付く。目が見えなく
なっているのだ。
妻・加世と慎ましくも幸せに暮らしていた矢先のこと。
新之丞の絶望は激しいものがあった。
しかし、加世の支えもあり、光の無い世界で生きていくことを、
決意する。
が、そんなある日、加世と番頭・島田藤弥との不貞を知ってしまう。
島田に体を預けることを引き換えに家禄を保ってきたことを
知った新之丞は加世を離縁する。
その後、実は島田は加世を弄ぶために家禄を口実に加世を騙したことを知り、
島田に対し、自らの「武士の一分」を賭けて果たし合いに挑む。
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配役がとても素晴らしい・・・その一言に尽きる映画です。
新之丞の父の代から務める中間を演じる笹野高史さんとのコンビは、
最近放映されているセコムのCMでも見ることができます。
映画は、特に派手な格闘シーンなどがないまま、最後まで
進みます。
静かに魅せる、日本映画らしい映画だと感じました。山田洋次監督の
映画はとても素晴らしい。
厳しい武士の世界を感じることができるシーンが多々あります。
主人公の新之丞の仕事内容が毒見というのもすごいものがあります。
新之丞の失明の原因となる食事の際の不始末の責を取り、
上司である樋口作之助(小林稔侍)が切腹するシーンも、
「武士の一分」たるものなのかと感じます。
そして、加世を騙した島田藤弥にも、シーンこそないものの、
「武士の一分」たる行動が最後に。
何か、今の時代に足りないものが、武士社会の一角を描くこの映画には、
あるような気がしました。
意外によかった!
なんとなくつまらなそうな映画だなと思っていたんですが
(監督さんごめんなさい)
意外とよかった。
話は単純でなんということはないけど、
じんわりと心にしみる夫婦の絆がよかった。
じーんときた。涙が出た。
妻役の檀れいがすごくよかった。
名前はよく聞くけど、顔も分からない状態だった私。
この作品で彼女に惚れた。
演技くさくない自然な演技。
決して正統派美人ではないし肌もたるんでるんだけど(失礼)、
着物がよく似合う純和風の顔。
声、話し方、仕種・・・
どれも控えめで夫に仕える良き妻をよく演じていた。
常に夫のことを思う。
その姿は時に母のようにも見え、強く美しかった。
(対する夫の振る舞いは時に子供のように見えた・・・)
私がもし男だったらこんな女性を妻にしたい。
そう思えるほど素敵なたたずまいだった。
木村拓哉について。
残念ながら・・・この役は彼には合っていなかった。
決して嫌いではないんだけど
(「HERO」はかなりはまり役だと思う)、
女顔で顔の幅も狭く、渋さや貫禄が足りない。
体型もひょろっとしていて華奢な感じ。
そのため武士役が似合っていなかった。
カツラ、着物も合っていなくて、たまにギャグ(コント)に見えてしまうことも・・・。
今回の役のような亭主関白風味の武士ではなく、
まだ少年っぽさの残る武士なら合っていたかも。
現代的な顔なので、とにかく深みが感じられなかった。
同じ大物俳優ならば、
着物を着て違和感のない福山雅治とかのほうがよかったなと思った。
また、演技も微妙だった。
やはり「現代ドラマのキムタク」風味が抜けきっていなくて、
話し方も「今のまんまキムタクじゃん」と思うようなところもあった。
残念。
全体としては大袈裟な演出がなく落ち着いた様子で、
「ツルッ」としていた印象。
少し物足りない感じで奥深さがもっと欲しいと思った。
だが、妻や徳平の主人(木村拓哉)への寄り添う姿、
夫婦の愛、絆がじんわりと心に響き、
見終わった後清々しい気持ちになれるいい映画だったと思う。
ほんと、意外によかったなあ。
それにしても武士って大変だなと思った。
誇りのために腹きりが当然の世界なんて・・・。
今のように保険もなく綱渡りの世界。
それを支える女は強いなあ。
いつの世も、土壇場で強いのはプライドに振り回される男ではなく、
「縁の下の力持ち」になれる女なのかもしれない。
そう思った。
臨場感がない
松竹の旧いオープニング・ロゴで始まり、本編の色調も落ち着いている。キムタクも期待通りキムタクしてるし。彼は変にどうこうしない方がいいの。今の日本、ほかにオレ流で通せる人いないでしょ? 貴重な存在だ。
だが、これだけの顔ぶれ揃えて、なんてスケールが小さいだろうって思ってしまう。ロケが最後の何処だかわからない河原ぐらいで、あとはセットでCGの合成も見え見え。しかもサイズがビスタで小さい。
いちばん引っ掛かるのは、主人公が行動を起こす原動力。「アイツは人間じゃねぇー、叩っ切ったる!」てなほど悪侍を憎くならないのだ。板東三津五郎が壇れいに悪さするシーンが端折られてるからだ。なーんか、テレビ局と主役ふたりに気ぃ使ってるような作りなんだよね。
かみ合ってない
自ブログより抜粋で。
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『暗いところで待ち合わせ』を観た後だと木村拓哉の盲目の芝居は見劣りがして、この映画に限ったことじゃないが、どう役作りしても木村拓哉にしか見えない。
話もなんだかありきたりな印象で、『たそがれ清兵衛』を観たときのようなインパクトはなかった。
夫婦愛の話とチャンバラ時代劇としての話がうまくかみ合ってないのも気になる。
オーソドックスな純愛ラブストーリーが長年トップアイドルの座に君臨する木村拓哉らしいといえばらしいし、重鎮山田監督らしい丁寧な作りにも好感を覚えるが、見所に欠いた凡作。
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