「やっぱりキムタクは、キムタクなんだなぁ みつを」武士の一分(いちぶん) 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱりキムタクは、キムタクなんだなぁ みつを
談志教や北野組を凌ぐ熱心な信者たちが多いジャニーズ帝国の真打の中の真打やから、いつもの如く叱られちまうのが関の山だが、ハッキリ云わせてもらう。
やっぱり微妙やね。
ハンパない違和感は何なんやろう。
ヘタな訳ではないけど、上手でもない。
器用やけど不器用…
評価が難しいトコやねぇ。
ブラッド・ピットは何を演じてもブラピになっちまうように、キムタクはやっぱりキムタク。
侍としてではなく、終始、キムタクとして観てしまう。
男前なのは解りきってるけど、シックリくる何かが足りない漠然とした違和感が支配する。
持ち前の強烈なカリスマ性が、かえって仇になっているから、イメージってぇのは怖いモノである。
江戸時代に着物着てチョンマゲ結うてるにも関わらず、やっぱりキムタク。
ジーパン履いてんねんなぁ〜…。
茶髪にロン毛やねんなぁ〜…。
決闘での刀を握る姿はホントにカッコ良くて、ようやくハマってくるんだが、慣れるまで時間が掛かりすぎる。
むしろ、彼を献身的に支える妻を演じた檀れいの存在感がズバ抜けて光り輝いていた。
宝塚で15年間、娘役トップに君臨していただけ有って、芯の強さがそのまま妻のひたむきな姿勢へ繋がっていて、様になっている。
今も落ち着き有る貫禄が定着しているけど、この頃は初々しさもプラスされ、彼を完全に喰っている。
完食である。
故にホントの主役はキムタクではない。
間違いなく、檀れいである。
その他にも彼に忠実な反面、オッチョコチョイな使用人・笹野孝史のひょうひょうとした味わいも際立っており、キムタクだけを目当てにするのではなく、各々の登場人物のキャラクター性をメインにして嗜めば、素直に楽しめる映画ではなかろうか。
では最後に短歌を一首
『ジーパンを 脱ぎし侍 現れる カッコイいけど 何か足んない』
by全竜