「穏やかで謙虚で礼儀正しい盲目の武士の復讐劇」武士の一分(いちぶん) Don-chan(Daisuke.Y)さんの映画レビュー(感想・評価)
穏やかで謙虚で礼儀正しい盲目の武士の復讐劇
江戸時代の生活の真実を想像して描く山田洋次監督、藤沢周平の小説の映像化の連作第一作『たそがれ清兵衛』(親子の物語)、第二作『隠し剣 鬼の爪』(友情の物語)に続く今作は、盲目の武士・三村新之丞(木村拓哉)と妻・加世(檀れい)の夫婦の物語。
妻に裏切られ、姦通の相手の男に復讐するという、きつい小説を山田洋次監督が優しい映画にしてくれた。
夫婦の世話をする中間(召使い)の徳平(笹野高史)の存在もとても良かった。
新婚夫婦らしく新しめの木造住宅もとても良かった。
城での勤務について丁寧に描かれていたし、ロケ地も新鮮な場所があって良かった。
方言が聞き取りにくいので字幕付きで視聴。
人間は見えるとどうしても騙される。
心眼を持った主人公がカッコ良くて優しくて感動した。
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R41さんのコメント
2024年4月12日
この作品が日本のチャンパラ映画の作風を変えたのかもしれません。
役所勤めで毒見役 毒によって失明し職も失う。
生きるために妻のしたこと それを悪用した上司への復讐。
最後は、毒見役の洗練された「舌」によって、この食事は誰が作ったのか言い当てる。
そもそも大切なのは家族で、そのために仕事をしていたという根源に立ち返るもので、最後にある「赦し」こそ、この作品のテーマだったと思います。