フラガールのレビュー・感想・評価
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福島万歳!!
2006年の日本映画の賞と話題を総ナメした感動エンターテイメント。
個人的にも、2006年のベストは今作か「嫌われ松子の一生」か大いに悩んだ。(悩んで悩んで、僅かな差で斬新な「松子」を選んだ)
僕はこの映画が無条件で好き。
何故なら、我が福島を舞台にこんなに魅力的な作品を作ってくれたから。
福島は都道府県の中でも目立つ県ではなく(悲)、今となっちゃ原発事故で変なイメージがついてしまったが(泣)、これほど福島の魅力を伝えてくれた作品はそうそう無い。
地元なので常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)には何度か行った事がある。
この娯楽施設にこんな秘話があったとは。
炭鉱の田舎町にハワイを体験出来る施設を作る。
突拍子もないアイデアだが、最初から無理と決め付けるのは心外。
いつだって大胆なアイデアが現状を良き方向へと導く。
映画は、ベタと言ったらベタだが、それを最大限に上手く活かしきっている。
要所要所に見せ場を設け、盛り上げ方、笑いと泣きのメリハリの付け方、最後まで飽きさせない作り。
いい映画のお手本。
この映画の一番の話題は、蒼井優。
田舎娘を巧みに演じ、ラストのソロのフラダンスは見事の一言で、何の異論も無い。
でも、蒼井優と同じくらいに松雪泰子も素晴らしい。
しなやかなダンスはうっとりするほどで、男風呂に殴り込むシーンはブラボー!
気の強い中にほんの一瞬弱さも見せ、「優しくされるのに慣れてない」の台詞は特筆モノ。
この年、「嫌われ松子の一生」の中谷美紀が居なかったら、主演女優賞は独占だったろう。
富司純子も豊川悦司も岸部一徳もしずちゃんも徳永えりも、皆、好演!
公開時も今も支持されている人気作だが、それ故、アンチな意見も多い。
話がベタ過ぎという意見がある。だったら、苦悩と葛藤の複雑なドラマが見たかったのだろうか?
フラガールの事しか描いていないという意見がある。フラガールをメインにした事で、華のある映画に仕上がった。
史実に忠実ではないという意見がある。元々史実に忠実に映画化した訳ではなく、それなら何かのドキュメント番組を見ればいい。
映画の公開から数年後、福島は未曽有の大震災に見舞われた。
復興の今こそ、この映画を見直す価値はある。
復興と娯楽施設の開設…一見何の接点も無いが、希望と夢を追う姿に違いは無い。
もう何度も見ているが面白い。
何度見ても面白い。
練習はほとんどスクロール
正直、あまり何も言うことのない出来です。悪い意味で。
ただあえて言わせてもらえれば、フラダンスを題材にしてるってーのにそのフラダンスの練習シーンはスクロールです。いや、スルーっつってもいいんじゃないですか?
確かにフラダンスというのは競技スポーツとは違って、素人目から見れば練習の成果が分かりづらい類のものではありますが、(フラダンサーの皆さんスミマセン)それならば歌だって一緒のはずです。『天使にラブソングを…』はガタガタでズレズレの教会合唱団を、ほんのちょっとした工夫でたちまちのうちにファンキーな合唱団に仕上げたという展開です。それ自体がストーリー上での工夫なのですが、せめて『フラガール』もそういう展開を取り入れた方が……。
あと、キャラクターに誰一人共感を持てません。自分達が呼んでおいて「よそ者は出ていけ」とぬかす地元住民、呼ばれておいて最初から東京へ帰る気満々の先生、こんな人たちに「親の死に目に会えないのがプロ」などと日本人だけの琴線に触れるような講釈を垂れる資格はありません。
【本当の「苦・喜」の表出】
ドタバタ青春サクセスストーリーに昭和回顧・プロジェクトXの要素まで加え 且つ新進女優のアイドル映画的側面まで付与。 多くの要素を含みつつも その結合具合にムラがなく 作品にシッカリとした一本の筋が通っている。
作品の裏側ではダンス特訓の激しさが伺えるが、ラストシーンで女優達が見せる[涙雑じりの最高の笑顔]は、演技以前に その苦しい特訓をやり遂げた女優達の[本当の苦しさ・喜び][素]の部分を感じさせ 感動を最大限[Real]に近付けている。 ラストシークエンスのダンス後に一切の台詞・演技がない事も[素]の女優達である証だろう。
最高だが唐突な幕切れは、彼女達との別れを より困難で去り難くしている。
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《劇場観賞》
団結を生み出すのは、体当たりのコミュニケーション
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昭和40年(1965年)、大幅な規模縮小に追い込まれた常磐炭鉱。
危機的状況の中で、炭鉱で働く人々は、職場を失う現実・苦悩に
立ち向かう。
そんな中、町おこし事業として立ち上げた常磐ハワイアンセンター。
その誕生から成功までの実話が描かれている。
フラダンスの講師として訪れた平山まどかは、なかなか炭鉱の町の
人間に受け入れてもらえない。
しかし町の女性たちが、徐々にフラダンスの陣列に加わっていく。
そんな中、様々な出来事が起こる。
やがて平山まどかは、町から出ていくことも考えるが、生徒たちの
思いがそれを許さなかった。
講師の平山まどかと谷川紀美子の本気さが、やがて町の雰囲気をも
変えていく。
そして最後に、感動的なクライマックスが待ち受けている。
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この映画には、
たくさんの名シーンがあります。
谷川紀美子が母親の千代の前で無言のままフラダンスを踊るシーン
熊野小百合が父親の訃報を聞かされながらも舞台に出演するシーン
フラダンスが大好きだった木村早苗が引越しをするシーン
その木村早苗がフランダンスをしていることを理由に父親に殴られた顔を見せまいとするシーン。
実はプライベートで苦労をしていた谷川紀美子の事実がわかるシーン
谷川紀美子の母親の千代がハワイアンセンターのために協力するシーン
そして全てが一つになった最後のクライマックスシーン
何度も胸が熱くなります。
笑いも泣きもあって、満足度の高い映画
予告編を見たときには、全く関心を持たなかったのですが、マスコミでの前評判がいいので見る気になった作品。
昭和を扱っているところは「ALWAYS 三丁目の夕日」を連想させ、素人集団が成長していく姿をコミカルに描く展開は「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」を彷彿とさせるので、おいしいとこ取りでズルイ気がしました(^^;)。
でも、笑いも泣きもあって、満足度の高い映画でした。
しずちゃんの演技は、うまいんだか下手なんだかわかりませんが、いい味出していたと思います。でもやっぱり、最高によかったのは岸部一徳でしょう。
単純に面白い、しかも俳優陣がピッタリで、ただ豪華なだけじゃない☆
蒼井優は体当たりの役者だって伝わってきた!嬉しいし、このままでいてほしい!トヨエツは、彼しか演じられないモノを完璧に見せ付けて、出しゃばらずに輝いてて最高☆もう褒めたらキリがない映画でした。
邦画のレベルアップに貢献
主演の松雪泰子や蒼井優をはじめ出演者たちのフラダンスが見事というか、感動もの。
「スイングガールズ」といい本作といい、やっと日本の映画も誤魔化しのない役者魂が感じられる作品が多出してきた。
スピードを誤魔化すためのスローモーションが多い昨今、人間の動きの美しさを表現した本来の使い方のスローモーションが効いている。
ラスト、だらだらと出演者たちのアップを流さず、全員が舞台に繰り出して「やー!」ってフィニッシュしたところで潔く切りすてていたら、今年いちばんの作品になった。
p.s. 最近、制作会社が会社更生法を申請したが、映画を愛する気持ちが感じられる組織だっただけに残念。なんとか存続して、邦画の更なる飛躍に貢献してほしい。
2回も行っちゃった
近くの映画館で再映されたので、
もう一度、見に行ってしまいました。
「いい!」と思って2度目に行くと
興醒めさせられることが多いのですが、
今回も前回以上に感動し、泣きもし笑いもしてしまいました。
特に、最後のダンスシーンは大感動もの!
私もスタンディングオベーションをしたくなった!!
でもまさかシネカノンが
この作品後、大不振に陥るとは
このときは、まったく想像もできませんでした・・・。
拍手喝采
自ブログより抜粋で。
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いやあ、やられた。
強引な展開が気になったり、欲張りすぎで詰め込みすぎな印象もあったけど、ラストのお披露目ダンスで全部吹っ飛んだ。これ観させられたら少々のことは目をつぶって拍手喝采しちゃうよ。
役者が皆いい味出してるけど、松雪泰子が実にいい。
とにかくダンスの余韻に浸っていたい良作。
懐かしい常磐ハワイアンセンター
子供のころ、一度行きましたよ
常磐ハワイアンセンター
常夏ですよ。フラダンス踊ってました。
でも、こんな風に地元の人がやっていたとは知りませんでした。
東京のプロダンサーとかだと思っていましたね。
物語は途中涙もありますが、基本的にはハッピーエンド。それでよいんです。
しずちゃんもがんばってます。
これが実話であるだけに、頑張れば夢が叶うということを実感しました。フラダンスって手話なんですね。
常磐ハワイアンセンターの誕生秘話というと一見地味な話に見えます。
けれどもこの作品では、産業構造の転換によって追い込まれる炭坑町の町おこしと戦前からの古い価値観に束縛された女性の自立というテーマを見いだして、2時間のドラマを成立させました。
また本作が実話に基づいていて、著名な観光施設の物語であることと、主人公の平山まどかはまだ健在で地元でフラダンスを教えていることも、物語に現実感を感じさせる一因になっていると思います。
本作が2年前の映画賞を総ナメにした名作になった原動力は、なんと言っても出演者の本気度ですね。完璧な方便使い、3カ月にわたる猛特訓を重ねた、その成果が画面に結実していると思います。その真剣さは台詞回しでも激しい感情の応酬となり、すごく生き生きとした作品に仕上がっていると感じました。
それにしても、盆踊りしか知らない炭鉱娘にフラダンスを教えるとはなんと無謀なんでしょう。東京からダンス教師のまどかを呼んできたものの元花形ダンサーで気位の高いその女性は、最初は炭鉱や素人の炭鉱娘たちを馬鹿するばかり。練習を開始しても、感心ほどのダメダメぶり。なんでプロを呼ばないのよと岸辺一徳演じる担当の吉本に食ってかかったときの「田舎を馬鹿にするな!」という地元訛り丸出しの激しい抗弁がすごかったです。(まるで意味不明のレベル)
当初は渋々ダンスを教えていたまどかであったけれど、次第に生徒たちのひたむきな情熱に打たれて、本気で教え込むようになります。都落ちして人間不信にもなりかけていたまどかが生徒と一体になっていく様がすごくよかったです。
特に、フラダンスに反対する父親に生徒の一人が連れて行こうとした時、銭湯の男湯にまで乱入して、全裸の父親ととっくみ合いするところは迫力ありました。
また転居で生徒の一人と別れるとき見せるシャイな態度も、気持ちがこもっていましたね。
またこの作品にも富司純子がリーダー紀美子の母親役に出演しています。富司が出ていると作品が締まりますね。今回も強行に娘がフラダンスで踊ることを反対していたのです。偶然紀美子が真剣に練習しているところを無言で見つめているシーンが印象的でした。言葉に出さなくともわかり合えるって素敵ですね。そのあと炭坑閉山とハワイアンセンターに反対する労組員に向けて啖呵を切るところもすごく感動的でした。
本作でフラダンスは手話を兼ねていることを知りました。踊りで気持ちを伝えるという前振りは、終盤でとても感動的なメッセージを伝えてくれます。これを知ったなら皆さんもフラダンスって素敵!って思えるようになるでしょう。
随所にクグッと来るいい話を織り込んで、ラストのフラダンスに持って行きます。あのダメダメだったガールズがこんな立派なショーをこなしているなんて奇跡としか思えません。しかしこれは実話です。30年前に本当に田舎の炭坑町の少女たちがやり遂げた事実なんだと思うと、可能性を信じ、頑張れば夢が叶うということを実感しました。
追伸
その後、すっかりフラダンスのご意見番となった出演者のひとり、南海キャンディーズ・しずちゃんは、芸能界フラダンス部を結成。番組の企画で榊原郁恵、ユンソナらを従え、スパリゾート・ハワイアンズの舞台に立ったそうです。一番踊れなさそうな人だったですがねぇ。
蒼井優のダンスが最高潮
主人公・紀美子(蒼井優)は、閉塞した炭鉱町の中で自らの夢を求めて、
またある娘は、解雇された父親の代わりに家族を支えるため、
それぞれの理由でフラダンサーに応募します。
フラダンスなど裸踊りと思われていた当時、娘たちは決死の思いでした。
紀美子の母親(富士純子)も、「働く」ということは汗水垂らし泥まみれになって、石炭を掘ることだと考えており、人前でヘラヘラしながら腰を振ることを「仕事」とは認めません。
石炭を守ろうとする者も、新しい時代に挑戦しようとする者も、どちらも真剣であり必死です。
両者の激しいぶつかり合いのシーンは見ごたえがあります。
時代や土地の価値観は、住む人間の生き方を否応なく締めつけますが、夢と情熱をもって、自分や周囲を変えていく人の姿が感銘を招きます。
紀美子の母親も、少しずつ娘の踊りを理解していきます。
フラダンスの美しい手の動きには、手話のようにひとつずつ意味があるそうです。
山場のエピソードでは、これが巧みに活かされ涙を誘いました。
クライマックスは勿論、ハワイアンセンター・オープンの日、フラダンスの公演の舞台です。
人間ドラマ,音楽が相まって盛り上がり、カットバックやスローモーションも挿入して、見事な演出でした。
主人公・紀美子のソロダンスのシーン、映画は最高潮に達します。
主演・蒼井優が見せるダンスの上達は、素晴らしいの一言につきます。
蒼井優の熱演が、この映画の出来ばえを2倍,3倍に仕立て上げました。
この年の屈指の一作でしょう。
どんな作品かとみてみたら・・
今さらながら書かせてもらいます。
最近、テレビドラマの延長の作品が興行的にも成功している中、この作品は初めは小さい映画館から噂が広がって大きい映画館にも上映されるようになりましたね。
これをDVDでみて感想としては「映画館でみればもっと感動したかも」と思わせる作品でした。
出演者一人一人がフラダンスを猛練習したんだろうな・・と思わせ、つい「がんばれ!」と言ってしまいたくなりました。
本当にこういう映画を映画館で見たかったです。
この作品をみて、日本映画はまだまだいけるなと感じました。
一人でも多くの人に届けたい珠玉の1本
のっけから偉そうなことを言ってしまうが、いやぁ、蒼井優はいい女優になった。「リリイ・シュシュのすべて」の頃は、のっぺりとした印象で、正直、どこがいいのか分からなかったが、本作では主演の松雪泰子を食うほどの熱演と可憐さを見せ、見事に映画を背負っている(助演では富司純子が最高!)。
作品自体の話に戻ると「フラガール」には、イイ映画だけが持つ心地よいリズムと“イイ匂い”がある。観客を飽きさせることなく、いくつもの起伏を作って進むストーリーは見事だし、昨今流行りがちな安易であざとい泣きの演出を排除しているのにも好感が持てる。ともかく心の底から泣き、涙した後に笑える傑作だ。もし、劇場で見逃した人には、ぜひDVDを急いで借りに行ってほしい。
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