劇場公開日 2006年9月26日

「斜陽の常磐炭坑と常磐ハワイアンセンター誕生の物語 それはバブル崩壊後の21世紀の日本そのものの相似形になっている」フラガール あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0斜陽の常磐炭坑と常磐ハワイアンセンター誕生の物語 それはバブル崩壊後の21世紀の日本そのものの相似形になっている

2021年1月24日
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鑑賞方法:VOD

素晴らしい傑作です

久し振りに観て、全く違う角度で見えてきた事がありました

斜陽の常磐炭坑と常磐ハワイアンセンター誕生の物語
それはバブル崩壊後の21世紀の日本そのものの相似形になっているということです
喪われた20年どころか30年にもなりかねない日本の復活に向けて、一体何が必要なのか、何が求められているのかを教えてくれているのです
その事に大変に驚かされ、新たな感動がありました
ラストシーンの涙の感動はフラガール達の自己実現達成の感動だけではなく、もっと深い意味の感動が重奏音のようになっていたからこその感動であったのです

意図してそのように作られた映画であったのか、単にそのように見えただけなのか
そこは分かりません

古い産業構造、硬直化した社会、組織、政治
本作で描かれる常磐炭坑の合理化の軋みは、21世紀の日本の姿そのものです
合理化反対、常磐ハワイアンセンター設立反対を叫んでいる組合の人々、家族達
同じ仕事に固執して夕張に向かう
これもまた変われない日本の姿そのものです

昭和40年1965年、今から56年昔
常磐炭坑は21世紀の日本を先取りしていたのです
この当時に生き残りのためにハワイアンセンターを作り新しい雇用を創出しようとした発想の凄さ
それに挑戦した人々の凄さ
圧倒的です

コロナ禍で泣き面に蜂のようになった日本
プロなら笑ってステージに立つ根性が今の私達にあるのでしょうか?

日本の明るい未来は、フラガールのように全く新しい事にチャレンジすることだ
そのように21世紀の日本の私達に言われていると観ていて感じました

それを妨害したりせず、力を合わせて新しい事、新しい考え方、新しいやり方、若い人々に思いっきりやらせる
応援すること

若い人は間違ってもいい、トチってもいい
思いっきりやり抜くこと

そのように平山まどか先生から叱咤激励されたようにみえました

何やってるの!笑顔よ!笑顔!

あき240