劇場公開日 2006年9月26日

「故郷いわきが再び一つになった様子が臨場感をもって伝わってくる」フラガール Koheiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0故郷いわきが再び一つになった様子が臨場感をもって伝わってくる

2021年1月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

幸せ

2006年に上映されたが、舞台は1975年の福島県いわき市である。炭鉱労働者の「むすめっこ」たちがハワイアンダンサーとして故郷を再び一つにする。上映時はまだフィルム映画が主流であったためか、昭和のにおいをうまく醸し出している。デジタル映画よりもやはりフィルム映画が良い。さて、当時のいわきでは、代々続く炭鉱の労働者層は命がけで仕事に励んでいた。しかし、石炭の時代は終焉が近く、斜陽産業となり、彼らはリストラの対象となる。そんな中、炭鉱労働者層を中心としたいわき市民の新たな雇用の受け皿として、ハワイアンセンターの建設が計画されたのだが、昔気質の頑固な男衆をはじめ、拒否反応を示す者が少なくなかった。新たな道を模索する進歩的な人々と、かつて炭鉱が主要な産業であった時代を知る者との間で、分断の様相を呈するいわきに、再び光を当てようと立ち上がったのが、労働者層の「むすめっこ」たちである。父親がリストラに遭い、食い扶持を確保するという面もあったが、彼女たちは、故郷のために、ハワイアンダンサーとしての道を歩もうと決意したのである。ハワイアンダンサーとして舞台に立った彼女らの迫力ある演技は、ぜひ劇場で鑑賞したかった。テレビの画面で観ているときでさえ、故郷いわきが再び一つになった様子が臨場感をもって伝わってくるからである。

Kohei