「【”行くぞ!フラガール!”時代の流れを乗り越えて、炭鉱娘達の心意気をジェイクシマブクロのウクレレの音色を背景に、映像化した作品。後半に得られる多幸感が素晴しき作品でもある。】」フラガール NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”行くぞ!フラガール!”時代の流れを乗り越えて、炭鉱娘達の心意気をジェイクシマブクロのウクレレの音色を背景に、映像化した作品。後半に得られる多幸感が素晴しき作品でもある。】
ー昭和40年、日本の産業を支えてきた炭鉱は斜陽となっていた・・。それは、福島県の常盤炭鉱でも同じであった・・。今作は、常盤炭鉱の人員整理が進む中、市が立ち上げた常盤ハワイアンセンターの創成期の苦闘を描いた物語である。-
■印象的なシーンは数々あれど、久しぶりに鑑賞して、矢張り良いなあと思った部分のみ記す。
・平山まどか先生(松雪泰子さん、先日最新作を拝見したが、素晴らしき女優さんである。今作では気が強いが哀しき思いを抱えるフラダンスの先生を熱演している)が、ヤサグレタ風で登場するシーン。彼女が背負っていた事実が仄かに伺える・・。追ってくる借金取り。
・平山先生が、徐々に常盤ハワイアンセンターで”恥ずかしさ”を耐えながら、炭鉱のために練習する炭鉱で働いていた女性達やその娘たちの姿を見て、徐々にハワイアンダンスへの情熱を取り戻してくシーン。
熱心に練習していた早苗(徳永えり)の父親が、新たな職場として夕張炭鉱へ移るシーンなど・・。風呂場まで乗り込んで彼女の父(高橋克実)に抗議する姿・・。
・最初の踊りを炭鉱の人たちに披露するが・・平山先生の一喝”炭鉱の娘はこんなものか!”
だが、時を経ず炭鉱で落盤事故が起き、小百合(チズちゃん)の父が・・。けれど、涙を流しながら”踊る・・”という小百合。
ー毎回、この辺りから涙腺が・・ー
・いち早く、ダンサーに申し込んだ紀美子(蒼井優)の素質を見抜く平山先生。そして、彼女を応援する兄(豊川悦司)の姿。だが、炭鉱の婦人会会長の母、千代(富司純子)は冷淡で・・。
ーだが、千代が独りフラダンスの練習をする娘、紀美子の姿を見詰めるの眼差し・・。
そして、”ヤシの実が福島の気候に合わず枯れてしまうから・・ストーブを貸してくれ・・”と土下座して頼むハワイアンセンターの職員たちの姿を見て、率先してリヤカーでストーブを運ぶ千代の姿。炭鉱夫の夫を”お国のために亡くした”千代の決意に満ちた強い目・・。
”もう、富士純子さん凄すぎます・・。”毎回毎回、沁みるシーンである。-
・平山先生は、炭鉱の男たちから落盤事故が起こったのに、小百合を練習させたことを詰問され(小百合が自ら選んだことなのに・・)、町を去ろうとディーゼル列車に乗るが、駆け付けた紀美子を始めとしたフラガールたちの身振りでのメッセージ ”愛しています・・” を見て・・。
・そして、彼女たちが臨んだ、常盤ハワイアンセンターでのお披露目の”ブルー・ハワイ”を含めたダンスシーン。誇らしげに叫ぶ男の子の声 ”アレは、俺の母ちゃんだ!”
そして、圧巻の紀美子のソロダンス。彼女の髪には、早苗から届けられた真紅の花が・・。
<当時の厳しき炭鉱を取り巻く時代環境の中、新たな道を開拓した人々の頑張る姿が、何度見ても心に染み入る作品。近年の邦画を代表する一作であるのは、間違いないであろう。>
<様々な媒体で複数回、鑑賞>
■蛇足
今作がきっかけで、十数年後、更に幸せな事が起きた事は、万民が知っていることである・・。
コメント、ありがとうございました。
音楽については門外漢もいいところ、をも超えたド素人の私で、NOBUさんの音楽についての話は大変貴重です。今後ともスクリーンミュージック情報を宜しくお願いいたします。
今やスパ・リゾート・ハワイアンズ、と横文字で洒落た名称になりましたね。
映画がきっかけで日帰りで行きましたわ。
女優さんたち、すごい練習したでしょうねぇ。
今チェックしてきました!
本編DVD+ハワイアンDisc+タヒチアンDiscでした。
それに加えて台本!
すげー!
なんだか宝物のような感じで、いまだにハワイアンもタヒチアンも見てません!どちらも160分あるって、どうなん・・・