「ラストの怖さの点数※こどもはこの映画は観ないでほしい」仄暗い水の底から tabotyokoさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストの怖さの点数※こどもはこの映画は観ないでほしい
今から21年も前のホラー映画です。
黒木瞳さんが美しい。
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母と幼い娘はある集合住宅へ越してきます。
ところが寝室の天井からなぜか、
シミができ水が滴ってくるではありませんか。
これが2人の幸せな生活の
終わりの始まりでした。
母娘家族の生活は
水と何者かに侵食されていき、
最後は何よりも大切な娘が
危険な目に遭ってしまいます。
母親は慌てて娘を抱きしめながら
家を飛び出し、
エレベーターで階下に行こうとしますが、
自宅の玄関から出てきたのは自分の娘、郁子でした。
…え? じゃあ、今自分が抱いてきた女の子は…?
そう思い、恐る恐る振り返る母親。
そこには……。
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その女の子は、美津子ちゃんでした。
美津子ちゃんは、昔、
主人公たちが住む集合住宅の屋上にある
貯水槽にのぼりました。
なぜか貯水槽の蓋は開いており、
身をかがめた時、美津子ちゃんの
大切な赤いカバンが、貯水槽の中に
落ちてしまいました。
美津子ちゃんは必死でした。
小さな手を伸ばし、さらに身をかがめたのです。
そして、
誤って転落し、
そのまま浮かび上がってこなかったのです。
ずっと…仄暗い水の奥底に沈んだ肉体は、
すでにグズグズに崩れ、
肌の色は土左衛門色にくすんでしまい、
変わり果てた幼い女の子が
母を求めて、泣きながら突進してくる
あのエレベーターでのシーンは、
心臓が凍り付かんばかりの恐怖と、
胸が張り裂けそうな悲愴にさいなまれます。
でも、どうしても郁子さんの気持ちに
寄り添ってしまい、
ラスボスの美津子ちゃんには、
可哀想ですが、かなり腹が立ってしまいました。
連れて行く相手を間違えてます、と…。
また美津子ちゃんは意地が悪い…、
7階まで必死に上り、エレベーターの前で
悲しみのあまり座り込む郁子さんに対して
あろうことか汚い水をぶちまけたのですから…。
まるで「もうあなたのお母さんじゃないから
あっちにいって!!」
と、突っぱねたようです。
(お母さんを手に入れるという勝利に酔いしれた、
彼女の身勝手さと傲慢さ、
そして、年相応の
幼さが伺えました…。)
このお話は、怖いよりも、
悲しさが目立つホラー映画だと感じます。
点数を高くつけてしまいましたが、
人には勧めたくない映画です…。
エンディング曲は、懐かしい、
スガ シカオさんの「青空」です。