劇場公開日 2005年12月17日

「旧日本海軍の「象徴的な敗北」」男たちの大和 YAMATO SgtJohnさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0旧日本海軍の「象徴的な敗北」

2024年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

約20年ぶりに『男たちの大和 YAMATO』を視聴しました。
この年齢になって改めて感じたのは、「合理性のない精神論に固執すると人は破滅する」ということです。この映画を今の若い世代に見せて、「昔の秀才たちもこんなにも愚かな選択をしていた」と教訓として伝えるのも意義があるかもしれません。

沖縄特攻作戦を立案した人々は、当時の日本全国から選ばれた秀才中の秀才でした。それにもかかわらず、現実的な戦局分析よりも、メンツや理念を優先する傾向がありました。その結果として、7000人の命と国家予算を費やして建造された戦艦を沈めることになった理由が、何度この作品を観ても理解できません。

映画自体については、2005年の作品であるためCGの粗さが目立つ部分もありますが、当時の街並みや戦艦大和の再現度は見事だと思います。ただし、対空射撃シーンで同じ映像が何度も使われている点や、敵機が常に近くにいる描写が続き、射撃の演出が単調に見える部分が少し気になりました。

SgtJohn