「戦艦大和その壮絶な最期」男たちの大和 YAMATO 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
戦艦大和その壮絶な最期
2005年。佐藤純彌監督。原作・辺見じゅん。
製作費25億円。興業収入50億円の大ヒット作。
映画は、戦艦大和の乗組員となった10代の少年兵神尾の姿を通して描かれます。
少年期を松山ケンイチ、60年後の神尾を仲代達矢が演じています。
戦艦大和の沈没地点。鹿児島県坊ノ岬、北緯30度42分東経128度04分。
そこまで船を出して連れて行って欲しい・・・そう言う女性真貴子(鈴木京香)の
頼みを引き受ける神尾(仲代達矢)
神尾の回想で、エリートでも将校でもない名もなきイチ少年海兵隊員の目を通した、
「男たちの大和/YAMATO」の沈没までの壮絶な運命が描かれます。
先に観た「アルキメデスの大戦」では1兆円(今の金額で)を超える建造費の戦艦大和を
建造に反対する山本五十六と、対抗する軍部の攻防が数学者・櫂(菅田将暉)の計算力、
を利用して阻止を図る映画でした。
その理由は、今後の戦争は空母こそ建造すべき(つまり航空機を多数搭載出来る航空基地の役割)と言うことだったのです。
事実、戦艦大和は最終決戦地区・沖縄を目指すものの、鹿児島県の沖・坊ノ岬までしか行けず、米軍の航空機300機の集中砲火に合い砕け散ることになります。
素人目に考えても、動かない的(大和)が大き過ぎて、アメリカからみたら「楽勝」ですものね。
1945年4月7日。
乗組員3332名。そのうち生存者は276名。
神尾は生きて帰っても、母は空襲で爆死しており、恋人(蒼井優)は広島の原爆で死に、
天涯孤独の身になります。
同じく少年海兵隊員の友達の死を母親に告げると・・・よくも一人オメオメと帰って来れたものだ・・・と罵られる始末。
神尾たちにとり、戦艦大和に乗船するのは憧れ・夢・・・だったと思います。
(お米のご飯も最後まで食べれたみたい・・・)
結果、乗組員の大多数は死に、戦艦大和は巨大さ故に彼らを守ることは出来ず。
戦争の虚しさを強く感じる映画でした。