ヘドウィグ・アンド・アングリーインチのレビュー・感想・評価
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ウィッグをかぶるところから脱ぎ捨てるまで、引き込まれもぜず傍観者と...
ウィッグをかぶるところから脱ぎ捨てるまで、引き込まれもぜず傍観者として淡々と冷静な感覚のまま、ただ涙が流れつづけるという不思議な経験をした。
結局、映画館へは10回通った。
友人に言わせると'80ロックのパロディ総集編だそうだ。知識があればあるほど見所は満載らしい。
色褪せない
10代の頃に気が狂うんちゃうかと思うほど何回も観た映画。久しぶりに観た。
爆音で歌うロックンロールも、ド派手な衣装もウィッグも、恋に破れて裏切られた悲しみも、アングリーインチを抱えて生きていくこの身体も、全てヘドウィグを形作る要素なのだ。
全て受け入れたヘドウィグは片割れの形のタトゥーを消し、代わりに完全な形のタトゥーを入れ、全てを曝け出して夜の街に消える。
ゲイでもレズでもストレートでもトランスジェンダーでも、そのどれにも当てはまらなくてもいい、ありのままの自分を受け入れることの強いメッセージは、何年経っても色褪せない。むしろ今、多様性を声高に叫びつつ排他的であり続ける時代になってから観ると、より一層胸に突き刺さるものがあった。
だまされたと思って観てほしい
ミュージカル映画が苦手な人でも
だまされたと思ってみてほしい。
何か受け取るものがかならずあると思う。
私は日頃自分探しの旅なんてきくと
「なにいってんじゃい」と笑ってしまうタチ。
それでもこの映画には
単なる甘ったれた自分探しでなくって
痛々しくも崇高な感じさえ受けてしまった。
最後は映画館で恥ずかしいほど涙。
曲もイイです!
それもかなりいいです!
残された1インチの、魂の叫び
人はもともと手足が4本ずつあり、力が強すぎるために、神様が二つに引き裂きいたという神話がベース。人生とはその半身を求めて彷徨う旅であるというお話。性転換した主人公。しかし手術に失敗して股間に残された1インチのあれが、運命の人との関係を引き裂き…。ベルリンの壁もメタファーとして引用されていて、久しぶりに観たらよく出来た脚本だった。
【”The Origin Of Love”劇中の全てオリジナルのパンク・グラム・フォークロックの格好良さが半端ない作品。ジョン・キャメロン・ミッチェルの畢生の一作でもある。】
ー ”6インチから5インチ消えて、残った怒りの1インチ!”ー
・ベルリンの壁が崩壊する前に東ドイツで生を受けた、ハンセル。
”東と西の間に・・、奴隷と自由の間に・・”生まれたハンセルの半生。
・西側の軍人と恋に落ちたハンセルは、性転換手術を受けるが、当時の東独逸の医療では・・。
が、ヘドウィグと名を変えたハンセルは売れないツアーをアメリカで続ける・・・。
・少年だったトミーも、連れてツアーに出るも、・・トミーは、ヘドウィグから離れ、ヘドウィグの曲でスターになるも・・。
◇ヘドウィグを演じた、ジョン・キャメロン・ミッチェルのウイッグの金髪を振り乱しながらの、歌唱シーンが”本当に男性ですか!”と言う程、美しく、エロティックで・・。
そして、ウイッグを外し、黒髪で歌う姿。
<今作の元になったミュージカルも手掛け、今作でも、監督、脚本、楽曲製作にも加わった、ジョン・キャメロン・ミッチェルの才気煥発作品である。
ヘドウィグは、自分の片割れを、ツアーの中で見つけたのであろうか?
きっと、見つけたんだよね。>
こう見えて一途な愛と人生の哀しさを歌うヘヴィメタミュージカル
1997年から2年半オフブロードウェイで演じられたミュージカルの映画化作品。
主人公、不運ではあるけどどぎついなぁと思って見ていたら、意外や意外ラストにかけてピュアな心が明らかになって思わず涙ぐんでしまった。
主人公役の方はオフブロードウェイ初演時の方だそうだが、美しくて哀しくてとても良かった。
ロックでパンクな人生
伝説のミュージカルの映画化との事だが、その出来栄えに舌を巻いた。
ゲイのミュージシャンの半生を全編ロックミュージカルで描くのだけれど、抽象的な描写もロックを背景にする事で自然と受け入られる感覚になる。
エンディングにかけてのどこにぶつけて良いかわからない感情の表れが美しくも感じる。好みが完全に分かれる映画だと思うが、個人的には好みだった。
ずっと気にはなってたのに見てなかった
いやー、よかった。
好きだろうとは思ってたけど、予想以上にツボ。
とにかく詞がいいんだろうな。
ジョン・キャメロン・ミッチェルのビジュアルも個人的には大好き。
(特に口)
ダメな人はまったく受け付けないだろう編集だけど、抽象画を見てる気分で楽しんでほしい映画でした。
音楽が素敵
最初からインパクト抜群のヘドウィグ登場で、ガンガンロックがなってて、楽しいかんじ。
ヘドウィグの過去の語りと音楽がうまい具合にマッチしてて、ミュージカルとはまたちょっと違ったかんじなんやけど、違和感がなくて面白かった。
最後にヘドウィグやその仲間たちが見つける自分自身の姿がじんわり心に染みました。
20年近く、もう何回見たかわからないけど、その度に泣いてしまう。 ...
20年近く、もう何回見たかわからないけど、その度に泣いてしまう。
悲しいとか同情とかでなく、純粋に感動してしまう。
しかもエンドロールでじわじわ涙が溢れてくるんだよなー。
サントラが良いんだ。サントラでも泣けてしまうのです。
ボストン、カンサス、ヨーロッパ、エイジア・・・って地理バンドですか!確かに流行ってたけど。
トミー・ノーティスが隣で公演。ストーカーのように移動するバンド。回想シーンの子ども時代が面白い。男と女、東と西。二つに分かれてしまったものの狭間に立つヘドウィグ。米兵と結婚するため性転換手術を受けるが失敗。うまくアメリカに来たが、東西統一。カタワレを探すことがテーマとなっている映画。3つの性・・・
ボストン、カンサス、ヨーロッパ、エイジア・・・って地理バンドですか・・・・確かに流行ってたけど。
壁と自由
ベルリンの壁崩壊は、東西の往来により壁が無力化していた為らしい。壁建設には、38度線、万里の長城、実現するかもしれない米メキシコ間のコンクリート壁等、いずれも強い意志が働いている。壁は相容れない種類を隔てる為に必要で、壁の両側の差は壁の所為ではない。差が無くなれば壁は消滅し、差があれば壁は存在する。強い意志の力でも壁は無くせない。
音楽映画としてパーフェクト
既成の曲を使わず全てオリジナルの楽曲でしかも全曲がカッコ良くてサントラも買ったなぁ。
ストーリーはオチがある感じではなくアニメーションや幼少期にヘドウィグの過去など場面がテンポ良く変わり挟まれるライブシーンと斬新な演出。
曲が良くなかったら作品自体が大失敗してた可能性が大で映画における音楽の大切さに見事に素晴らしい楽曲群をオリジナルでしかもロックンロールで。
色々な音楽やロックンロールを扱った映画はあるがストーリー、主人公のキャラ、映像のLOOK、そして音楽と全てが魅力的でパーフェクトな本作は稀!?
70年代から00年代に通じる最高なロックンロールがセンス良くバンドで現実にデビューしていたら売れていたと思うし70年代だったら今頃は著名な方々と肩を並べているようなミュージシャンだった筈!?
そんな音楽に負けないヘドウィグのキャラに物語の展開とパーフェクトな音楽映画。
不思議な魅力の映画です
正直、ストーリーはどこまでが現実なのかよくわからなかったです。全部本当の事?
物語は頭の中で今でも混乱してるのですが、不思議な魅力があり、観て本当に良かったと感じました。
曲も…曲が本当に素晴らしかったから映画も素敵に感じたのかもしれません。
人生とは美しい
恋に愛に音楽に。素晴らしい作品です。
ヘドウィグの生き方に、ヘドウィグの愛に、人生そのものが作品です。
ミッチェルが、素晴らしい。ハイセンスで、クールで美しい。彼にしか、出来ない演技。メイクも素晴らしいです。
この、映画に出会って人生変わりました。
暗がりを抜けて
ミュージカル映画が如何せん苦手で…やはり、いまいち入り込めずに残念。
ヘドウィグの(心と身体が継ぎ接ぎ)の歌・詞の意味等は、ヘドウィグの様な(LGBTの)方々の気持ちを想像する事が、私にはまだ難しい反面、だからこそロックにして叫びたい魂が、歌が彼・彼女達には、あるのだろうと感じた。(夢中になって、打ち込めるものがある彼等を羨ましくさえ感じた。)
心と身体が不一致って、想像するだけで、心身にかなりの疲労とストレスを抱えそうな気がする。
バンド仲間唯一の女性メンバーが(男性)でいる事に疲れ(違和感を感じていたのかな?)
(女性)に戻って行くライブシーンには(その前のヘドウィグとの一悶着を、見ていたからこそ余計に)痛く感動を覚えました。
旅立つ彼女を見つめるヘドウィグの眼差しの優しいこと。
自分自身で纏った鎧・仮装を全て脱ぎ捨てて、生まれたての姿で覚束無い足取りのまま、あかり灯る方へと歩き出したヘドウィグの後ろ姿に、根拠のない幸せの始まりを思った。
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