「色褪せない」ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ ケロケロケロッピさんの映画レビュー(感想・評価)
色褪せない
10代の頃に気が狂うんちゃうかと思うほど何回も観た映画。久しぶりに観た。
爆音で歌うロックンロールも、ド派手な衣装もウィッグも、恋に破れて裏切られた悲しみも、アングリーインチを抱えて生きていくこの身体も、全てヘドウィグを形作る要素なのだ。
全て受け入れたヘドウィグは片割れの形のタトゥーを消し、代わりに完全な形のタトゥーを入れ、全てを曝け出して夜の街に消える。
ゲイでもレズでもストレートでもトランスジェンダーでも、そのどれにも当てはまらなくてもいい、ありのままの自分を受け入れることの強いメッセージは、何年経っても色褪せない。むしろ今、多様性を声高に叫びつつ排他的であり続ける時代になってから観ると、より一層胸に突き刺さるものがあった。
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