「世の常」七人の侍 Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
世の常
家でしか観たことがなかったが、今回初めて劇場で鑑賞した。デジタルリマスターしたとはいえ、それでも聞き取れない台詞が幾つか私にはあった。実は字幕があった方が良いのかもしれない。
金にも名声にも繋がらない仕事を引き受けようという、その心意気や良し。フィクションなのだから、そんな侍6人も集まらないよ、とは言うまい。
自由が叫ばれる現代社会だが、この作品を見て、自らのテリトリーは自ら守るしかないということ、社会を維持するためにはある程度の統制が必要なのだということを、改めて思い知らされる。
性善説ではこの世は生き残れない、というのが厳然たる事実なのだ。
志乃の「弱虫!武士のくせに!」にいつの世も変わらない女性の強さを感じ。野武士を狩り、武具もどぶろくも隠し持つ、百姓たちのしたたかさに目を見張る。
そして、戦いは終わり、皆で田植えする日常へ。勝ったのは百姓らで、通りすがりの侍たちは、当て所ない旅路へ。地に根を張って生きる者らは強い。
役目を果たし村を去る侍達のある種の諦観、私の心にも確実にあるなと感じた。
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