七人の侍

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説・あらすじ

数多くの傑出した黒澤監督作品の中でも、特に観客のみならず世界中の映画人に多大な影響を与えた代表作。これ以降「荒野の七人」「宇宙の七人」など、この映画を手本とした作品が多く作られたのは周知の事実。時は戦国時代のとある貧しい農村。農民たちは野盗と化した野武士たちの襲撃を恐れ、おののいていた。そこで村を守るために用心棒を雇うことを決意、食うに窮する七人の侍を探し出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。複数のカメラワークによる迫力ある立ち回りのシーンは見事。

1954年製作/207分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1954年4月26日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第29回 アカデミー賞(1957年)

ノミネート

衣装デザイン賞(白黒) 江崎孝坪
美術賞(白黒)  
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映画レビュー

4.5完璧すぎる理想

2025年6月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

黒澤明ほど自分の理念を追求し、それを映像として表現できる監督は他にいないだろう。
『七人の侍』は黒澤明の内面を見事に映像化した、集大成とも言うべき作品である。

七人の侍はそれぞれが社会の内にある
①知恵 ②実務力 ③ユーモア ④優しさ(弱さ) ⑤武士道 ⑥理想 △本能
を象徴している。

特に三船敏郎演じる菊千代は、農民出身でありながら侍を名乗り、理性と情念のはざまで揺れ動く人間の矛盾や葛藤を体現している。
彼が水車小屋の赤ん坊を見て涙する場面は、その象徴的な瞬間だろう。

本作全体にも、理性と情動の対比構造が流れている。
武士たちは秩序と統御の象徴であり、農民たちは日常の不安定さや生存欲求を抱える存在として描かれる。
黒澤は、この両者の緊張と共存のバランスの中に共同体の在り方を探ろうとしているように見える。

また、本作は戦後の日本社会のメタファーとしても読むことができる。
農民たちは当時の一般国民、侍たちは外部から秩序を提供したアメリカ、野武士たちは戦前の軍部を象徴しているとも解釈できる。
黒澤はこうした外部から与えられる秩序(統治・保護・支配)が共同体を救うという一つの理想モデルを描きたかったのだろう。

本作で特に評価されているのは、その映画技法である。
屋外撮影の自然光を活かし、カメラ位置・構図・役者の動きが一体化した立体的な画面構成は驚異的。
4Kリマスターで鑑賞したが、立体感はまるで3D映像のように感じられた。

戦闘描写のリアリズムも秀逸で、CGでは決して描けない「馬と人間の泥まみれの混沌」が展開される。
その中で描かれる必要な死。そして最後に生き残るのは知恵・ユーモア・理想である。

私がこの映画を観るたびに感じる腑に落ちない感覚──それは黒澤明が理性を少し信じすぎているのではないか?という違和感だった。
今回再見して気づいたのは、完璧に構成された作品ゆえの、その「完璧性」が持つ限界(ある種の矛盾)である。

4K UHD Blu-ray (クラリテリオン版)で鑑賞

92点

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neonrg

2.5三船が明るいw

2025年5月31日
PCから投稿

三船は演技がワンパターンで暗い演技しかできないと思ったら
よくしゃべる明るい武士を演じてた
時間が長いので前半百姓の話でリタイアするかもしれない
そこを超えれば見どころあり

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joker4444

5.0総合芸術の金字塔

2025年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、その他、TV地上波

娯楽性と、芸術性を絶妙のバランスで兼ね備えた、日本映画の金字塔。
侍たちのそれぞれの人生が、余すことなく語られる。
武士は、死に様こそがその生きた価値なのだろう。
そして、百姓は彼らに守られて生を謳歌する。

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うそつきかもめ

5.0名作

2025年2月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

戦国時代の侍を見事に描いた傑作だと思う。
志村喬が素晴らしいが他の俳優さんも適材適所
で良かった。

samurai7のコマチみたいなキャラがいたらもっと楽しかったと思う。

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四葩