七人の侍

ALLTIME BEST

劇場公開日:1954年4月26日

解説・あらすじ

数多くの傑出した黒澤監督作品の中でも、特に観客のみならず世界中の映画人に多大な影響を与えた代表作。これ以降「荒野の七人」「宇宙の七人」など、この映画を手本とした作品が多く作られたのは周知の事実。時は戦国時代のとある貧しい農村。農民たちは野盗と化した野武士たちの襲撃を恐れ、おののいていた。そこで村を守るために用心棒を雇うことを決意、食うに窮する七人の侍を探し出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。複数のカメラワークによる迫力ある立ち回りのシーンは見事。

1954年製作/207分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1954年4月26日

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第29回 アカデミー賞(1957年)

ノミネート

衣装デザイン賞(白黒) 江崎孝坪
美術賞(白黒)  
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映画レビュー

5.0 言わずもがな、

2025年10月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

驚く

斬新

tohoシネマ「午前10時の映画祭』で鑑賞。

4K画質に耐える71年前の作品って、
凄い!という表現では足りない。

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スズパパ

4.0 何の得にもならない事に取り組む倫理観

2025年10月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

興奮

戦国時代末期のとある山間の農村で、村人たちは、収穫期になると野武士たちに収穫した穀物を奪われていた。麦の刈り入れが終わった頃に四十騎の野武士達が村を襲う、という話をしてたのを聞いた村人が村に戻り、長老と相談し、侍を雇って野武士と戦うことにした。
侍を探すため宿場町を訪れた4人の村人は白米を腹いっぱい食わせるという条件で侍に声をかけたが、ことごとく断られた。そんな時、近隣の家に盗賊が押し入り、人質をとって立てこもる事件が発生した。通りかかった初老の侍が髪を剃り僧に扮してその家に近づき、握飯を与えて盗賊を油断させ、隙を見て斬り殺した。その侍は勘兵衛という浪人で、村人たちは彼に村に来てくれるよう頼んだが、四十騎もの野武士を相手にするには少なくとも侍が七人は必要だと言われ、断られた。同宿の人足たちが、断った勘兵衛をなじり、勘兵衛は翻意して村人の依頼を引き受けた。
勘兵衛は人を集めるため、通りすがりの侍・五郎兵衛に声をかけ仲間にした。また、過去に何度も同じ戦場で働いてた七郎次と偶然再会し彼も仲間に入れた。一方五郎兵衛は茶店の裏で薪を割っていた平八を誘い入れた。更に、果たしあいで剣術の腕を披露した久蔵も仲間に加わった。若い勝四郎も行動を共にすることとなり、六人となった侍たちは翌日村に向けて出立しようしていた。そこに、勘兵衛につきまとっていた男が現れ、持っていた家系図を見せ、自分は菊千代という侍だと主張した。勘兵衛らはこの男を相手にしないまま村に向かったが、菊千代は勝手について来た。
やがて侍たちが村に着くが村人たちは怯えて家から出てこなかった。すると、突然、急を知らせる板木を打つ音が鳴り響き、野武士が襲ってきたと思った村人たちは一斉に家を飛び出し、侍に助けを求めた。しかしこの板木は菊千代が打ち鳴らしたものであった。侍たちと村人たちとの顔合わせを成立させたことで、菊千代は七人目の侍として認められた。
勘兵衛たちは村の周囲を巡り、村の守るための方策を練り、野武士と対決することになるが、さてどうなる、という話。

午前十時の映画祭15にて鑑賞。
名作と言われていて、観たいと思ってたが、207分もある長い作品だし、なかなか時間も合わず、今回やっと劇場鑑賞出来た。
雨の中での野武士との戦いはなかなかの迫力だった。
ただし、同じ手に何度も引っかかる野武士達はバ○か?とは思ったが。
戦国時代の侍だったら、良い勤め先を見つけ、家来にしてもらい、手柄を立て、褒美や領土をもらう、というのがその時代の目的だったと思うが、勝っても何の得にもならない、飯を食べさせて貰うだけであんな命懸けの戦いを取り組む倫理観はちょっと理解に苦しむが、カッコよかった。
現にラストは百姓の勝ち?
侍は4人も殺されたし、やっぱり合わない戦いだったなぁ、と思った。
志村喬は終始カッコよかった。三船敏郎は何を言ってるのか聞き取りにくかったが、コメディ担当だったのだろう。鬱陶しかったが、重要な役だとは思った。
志乃役の津島恵子は凛々しかったし、島崎雪子は美しかった。
鑑賞できて良かった。

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りあの

4.0 ついに観ました(午前十時の映画祭)

2025年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

日本人として一度は観ておくべきかなと思い、午前十時の映画祭行きました。

正直、言うほど刺さらなかったのですが、冷静に思い返すと、日本人の気質というか、日本人社会の縮図が上手に描かれていたと思います。現代にも当てはまりますね。

・百姓は、自分では決められず右往左往。長老の意見に、羊のように従う。
・強いものに頼らざるを得ないのに、その侍を異端扱い。
・戦争のようにその他組織として動くときは、優秀な長が必要。
・人が動くのは金だけではない、という状況はある。
・老人ほど頑固。それを助けようとする若者が犠牲になる。
・緊急時、規律を破るものがいるときは、そこから崩れる。
・真面目なようで、裏では何を隠しているかわからない。
・貧乏だけど、働かざる者食うべからず。

貧乏だし、色々と大変だけど、子供もたくさんいて、映画が作られた当時は日本に希望が持てる時代だった気がしました。

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Kazu

3.5 人間の描き方の奥深さに感服しました

2025年10月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

驚く

これだけの名作を実は未鑑賞でした。
劇場公開を機に、この長さを配信で観るのは辛いと思って鑑賞しました。
タイトルバックの筆書きの文字が斬新だなぁ~といきなり冒頭に感服したあと、所々役者さんの日本語が耳慣れなくて聞き取れない部分があるものの淡々と鑑賞。中盤あたりで名作だろうけれど古風な雰囲気は今の作品と比べるとどうなの?とベルイマンの処女の泉を観たときと同じような感想を抱き始めましたが…

ところが中盤以降、人物描写が深々と心に染みてきました。
村人も、武士たちも、大義名分だけではない自分可愛さと自己都合を内に秘めながらもこうありたい自分と葛藤している様が浮かび上がってくるからです。
誰一人として完璧な人は居ない。
けれどこう有りたいと願う姿を持つ人と持たぬ人の差は既に青年、壮年においても歴然たる差を人にもたらすことを今更ながら痛感しました。
群像の心情をここまで深く描きながら、一概に人間の醜さという感想を観客に抱かせない手腕が素晴らしいと感じました。
それもこれも含めて人間なんだよなぁ。
ラストの勘兵衛のセリフがひときわ心に染みました。
劇場で鑑賞できて良かったです。

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さとうきび