劇場公開日 2001年1月20日

「天才的なアイデアの勝利」ファイナル・デスティネーション 盟吉津堂さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5天才的なアイデアの勝利

2025年6月4日
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鑑賞方法:VOD

怖い

驚く

斬新

大人気シリーズなので今更ネタバレでもないと思うけれど、「死の運命」がどこまでも追いかけてくるというホラー映画シリーズの第一作。

予知によって事故死から逃れることができた主人公たちが、その後も「死の運命」に付き纏われるという映画の概要を知った時、なんとなくそれ以上でもそれ以下でもないような感じを受けてなかなか観る気が起きなかった作品である。

そして、今回Netflixで配信していることを知って視聴してみたのだけれど、やっぱりそれ以上でもそれ以下でもなかった(笑)。

でも、これがとにかく面白いのだ!
ホラー映画、サスペンス映画というのは、この先の展開がどうなるのかとハラハラドキドキさせて観客を画面に釘付けにさせることができれば大成功なのだけれど、本作はそれができている。
「死の運命」がどこまでも追いかけてくるというアイデアが秀逸であり、一人また一人と「死の運命」に捕えられて死んでいく、ただそれだけの物語なのに画面から目が離せなくなる。
アイデアの勝利と言える。

監督はジェームズ・ウォン。
悪名高き『DRAGONBALL EVOLUTION』を撮ったことで悪名高い(笑)監督であるが、本作は駄作ではない。
B級ホラーの快作と言える。

Wikipediaによればジェームズ・ウォンは香港生まれである。ただ、香港映画界での活動経験はないようだ。でも本作にはB級香港映画が持つ「面白けりゃ何でもいい!やったもん勝ち!」というテイストがそこはかとなく感じられる。

主人公たちを付け狙う「死の運命」というヤツがとにかくしつこくてちょっと笑っちゃうくらいなのだけれど、そのB級やり過ぎ感が面白さに拍車をかけている。

『DRAGONBALL EVOLUTION』を未見のためはっきりしたことは言えないのだけれど、「ドラゴンボール」もハリウッドで実写映画化などせず、バリバリのB級香港カンフー映画として作った方がカルト映画として評価されるということもあったんじゃないか、という気がする。
ジェームズ・ウォンが意外とB級やり過ぎテイストを持っている監督だったので、ちょっとそんなことを妄想してみたりした(笑)。

本作は大ヒットして人気シリーズとなった。
仮に本作がそんなにヒットしなかったとしても、これほどのアイデアをホラー映画業界が埋もれさせておくわけがない。絶対リメイクを作るはずだと思わせるほど本作のアイデアは秀逸である。天才的なアイデアと言ってもいい。

最新作の第6作はまだ日本では公開されていないけれど、シリーズ史上最高のオープニング成績を記録していて、批評家からも高評価を受けているそうである。
批評家からも高評価って、マジか?と思う(笑)。
シリーズ全作を通して観たくなった!

盟吉津堂
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