『ガスヴァンサントみたいに蒼い』というブランドを
はじめて知った時衝撃が走った。
あまりよく知らないけど10代向けのオシャレブランド。
その”蒼い”は、この「エレファント」の象徴的な”蒼”なのでは
ないのか⁉
と、思ったから衝撃的だった。だって、この映画は…。
「ドラッグストアカウボーイ」や「マイプライベートアイダホ」の
ころからファンだが、なんだか”ファンです”って言いづらいような
監督。
それがガスヴァンサント。
鑑賞してすぐに違和感を感じる。
違和感その1
まず画角がほぼ真四角。
何年かに1本、このフレームの映画に出会う。
すごく閉塞感を感じる画角。
もちろん意図的にだ。
家庭のテレビやモニターで観るときは
それほどではないかもしれないが、
映画館でこの画角はとても窮屈に感じる。
違和感その2
フォーカスがおかしい。
登場人物は画角の中心にいてベタピン。
その人物が話している相手でさえピンボケな
短すぎるフォーカス深度。
登場人物と周りの人間の関係の希薄さを感じる。
もちろん意図的にだ。
違和感その3
長回しが無駄すぎる。
まず、画面がフィックス。
その画面に登場人物がフレームインして
別方向へ歩いて行く。
カメラはその人物の背中を追う。
どこに行くでもなく、誰と話すでもなく、
ただ歩いて行く。
それを追うだけの無駄なロングテイク。
もちろん意図的にだ。
違和感その4
主人公不在。
その3の歩いて行く人物のフレームに
別の人物が交差するクロスカッティング。
カメラは交差した人物に切り替えて
また背中を追っていく。
でもその人物にも別に物語があるわけではない。
この映画の登場人物は、ただただそこにいただけなのだ。
もちろん意図的にだ。
コロンバイン高校の乱射事件を
扱った映画は他にもいくつかある。
私は考察したことはないが、
当時、大人たちはこの事件の背景や、
心理状態を研究したそうだ。
しかし、いまだに”答え”にはたどり着いてないそうな。
当たり前だ。
この事件は「違和感」しかないのだ。
この映画は、紐解くでもなく、解説するでもなく、
物語を語るでもなく。
この”違和感しかない不穏な日常”を感じるだけの映画。
なのだ。
事件の前後には、
不気味で鮮やかで気味が悪く、
胸が締め付けられるような”蒼い空”が
広がっているだけなのだ。
『ガスヴァンサントみたいに蒼い』
という10代向けファッションブランドの
ネーミングの意図が「エレファントの蒼」
ならば、私はこのブランドを軽蔑する。
ちがったらごめんなさい。
あ、でも確かに、特に、
初期のガスヴァンサント作品は
若者たちの行き場のない孤独や痛みが、
夕暮れや夜明けの光に溶けていくような”蒼”
がテーマなような気がする。
そうならばこのブランドはセンスがいい。
どういう服なのかは知らないけどね。
謝っておきます。
ごめんなさい。