劇場公開日 2006年11月4日

「素朴」エコール C'estさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0素朴

2022年9月1日
iPhoneアプリから投稿

この作品は監督自身の経験を織り込んだものだという。
同監督の『エヴォリューション』を観てこちらも観てみた。

映像について。
カメラは定点的である。つまりカメラ自体はあまり動かない。しかし、ある程度カット編集がされているため退屈する映像というわけではない。カメラに無駄な動きがなく、素朴な画になっている。
なによりも映像に退屈しないのは、映されるものが美しいからである。舞台となる学校がある森、川、建物、踊りのステージ、そして主役の少女たち。少女各々のリボンの色、innocenceを象徴するような白の衣装。美しかった。静かで素朴なカメラ回しと相まって映像全体として純な感じがある。

音楽について。
全体的に音楽が少ない。そのため、この映画で流れる数少ない音楽が印象に残る。少女たちが踊るときにかけるピアノ曲がそのひとつだ。この曲は初めから終わりまでフォルテで力強く流れる。まだ幼く華奢な少女たちとは対照的である。このコントラストもこの曲をより一層印象的なものにしている。

C'est