ザ・プレイヤーのレビュー・感想・評価
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ミルが熱愛中だったガールフレンドを簡単に乗り換えたり、 米国の司法制度にいろいろ疑問がある内容だが、 見応えがあるいい映画だった。 人生は運次第なのかもしれない。
動画配信で映画「ザ・プレイヤー」を見た。
1992年製作/124分/G/アメリカ
原題または英題:The Player
配給:大映
劇場公開日:1993年1月15日
ティム・ロビンス
グレタ・スカッキ
フレッド・ウォード
ウーピー・ゴールドバーグ
ピーター・ギャラガー
ロバート・アルトマン監督といえば、
著名で「M★A★S★H マッシュ」を撮ったことで有名らしい。
オレは一つも見たことがない。
ハリウッドの映画スタジオ。
脚本担当重役のグリフィン・ミル(ティム・ロビンス)は、
駆け出しの映画脚本家たちによる脚本の持ち込みに忙殺される日々を送っていた。
そのうち、ミルのオフィスには脅迫状まがいのハガキやファクシミリなどが届くようになる。
それらにうんざりしていたミルは犯人と思しき脚本家を問い詰めようと、
相手がいるという映画館を訪ねた。
そこでミルと脚本家はもみ合いとなり、
脚本家は結果的に死んでしまう。
ミルは知らぬ顔でそこを立ち去った。
ミルと脚本家が会っていたことはやがて周知となり、
ミルは警察に追われる身になる。
物語のハイライトは、
目撃者が警察署で容疑者であるミルを面通しする場面だと思う。
ミルの運命は?
刑事役のウーピー・ゴールドバーグがいい味を出していた。
ミルが熱愛中だったガールフレンドを簡単に乗り換えたり、
米国の司法制度にいろいろ疑問がある内容だが、
見応えがあるいい映画だった。
人生は運次第なのかもしれない。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
新感覚
ハリウッドの黄表紙
自転車泥棒?あー、まあいい映画だよね、暗いけど
カチンコが切られたかと思えば即座に室内からグワーっと遠ざかるカメラ。画面端から現れた車を横移動で追いかける。あ、これどっかで見たことあるな。そうか!オーソン・ウェルズの『黒い罠』だな!と心の中で小さくガッツポーズした次の瞬間、その場を横切った映画関係者の男が「『黒い罠』の長回しはいいよ」などと得意げに語り始める。
あるいは長回しの最中に意図的に画面の一部分をズームアップし、周囲の情報を遮断する手法。これはヒッチコックの『ロープ』だ。『ロープ』の頃は長回ししようとしてもフィルムの長さに上限があったから、ズームアップしている間に次のフィルムに入れ替えるというやり方で擬似的なワンシーンワンショット映画を作り上げた。しかしまたもやここで先ほどの男が現れ「『ロープ』は脚本は微妙だけど撮り方はいいね」などとのたまう。
シネフィル的欲望をことごとく粉砕するこの意地の悪さ。ロバート・アルトマンの映画が始まったんだな…という緊張感をもたらしてくれる。
本作ではハリウッド商業主義とイズムなき製作態度が彼らしい舌鋒で揶揄されている。
映画製作会社重役のミルは最低限の映画史観こそ備えているものの、そのせいでかえって己の浅薄さを露呈させてしまっている。彼がハリウッドセレブが一堂に会する式典で「次なるJ・ヒューストンやO・ウェルズやF・キャプラを輩出し〜」などという誰でも言えるようなスピーチを行うシーンは傑作だ。それに対して会場全体から拍手が沸き起こるのも軽率きわまりない。
そんな彼だが、ある日誤って一人の脚本家を殺してしまう。彼は来たるべき罰を恐れるものの、審判の日はなかなか訪れない。彼に嫌疑をかけ続けていたのはロス警察が無能だと嘲る隣町の警察たちだけだった。
一方ミルは20世紀フォックスから天下りしてきた新重役のリーヴィが気に食わず、彼に「無辜の女が策謀によって死刑に処される」というネオ・レアリズモ的映画の企画(しかも俳優は全員無名)をぶん投げる。こんな映画がハリウッドで成功するわけねえ!途中で頓挫して痛い目見やがれ!というほとんど小学生じみた悪意を新人に容赦なくぶつけるミルの愚かさに閉口する。
警官たちはミルをどうにか逮捕しようと躍起になるが、最後の切り札であった事件の目撃者はミル以外の人物を犯人だと断定した。これによりミルは晴れて自由の身となった。
月日は流れ、リーヴィは押し付けられたネオ・レアリズモ的脚本をハリウッド的ご都合主義でメチャクチャにしたゴミに作り変え「オスカー間違いなし!」と騒ぎまくる。はじめこそリアリズムが大事だと主張していた当の脚本家さえもがこの金のかかったゴミに手放しの賞賛を惜しんでやまなかった。
ミルはいつしか映画製作会社のトップに上り詰め、自分が殺した脚本家の元恋人と幸せな家庭を築いていた。美しい花と植物に囲まれた大きな白い家に高級車で帰宅したミルは、膨らんできた彼女の腹を優しくさすりながら家の中に入っていくのだった。〜THE END〜
ハリウッドなるものの圧倒的勝利を描き出すことで逆説的にハリウッドの空虚さを浮き彫りにした挑発的な作品だった。しかもこの映画全体を通してみたとき、「ミルが自分が犯した殺人の罪を償う」というハリウッド的カタルシスは何ら達成されておらず、きちんと作品そのものが反ハリウッド映画として成立している。
思えば序盤の『自転車泥棒』リバイバル上映のシーンは全てにおいて示唆的だった。貧乏な親子の辿る悲しい結末を沈痛な面持ちで最後まで見つめる脚本家と、終盤も終盤になってからヒョロッと現れ「いい映画だった」などと言ってしまえるミル。ここには映画というものに対するリスペクトの有無がはっきり現れている。そして脚本家は死に、ミルは会社のトップに上り詰めた。さて、ハリウッドの明日はどっちだ?
人間の変身
え??? そういうオチ???
あの女性が可愛そう。一生懸命やっていたのに。殺された人も。
もやもや…。
努力をしなければ生き残れない世界だけど、努力だけでもどうにもならない世界。うまい意味での転身も必要。…いいのか、これで?………お払い箱された方の気持ちを考えると、ブツブツ……。
映画が当たる要素の一つ・ハッピーエンドだそうだが、これハッピーエンドなのか?
大いなる茶番劇。
そう割り切ったうえで、その茶番をちゃかせるか、うなるか。それが評価の分かれ目。
サスペンスタッチで物語をひっぱり、それにまつわる主人公の表情も見ものです。
そして、物語以外の所でも、
正直、主要な役柄の俳優さんは、ロビンス氏・ゴールドバ―クさん以外は私の馴染みではなかったのですが、
あ、あそこにピーター・フォーク氏がいるとか、あっちこっちにたくさんの有名な俳優さんが…。
どこかで見たような方もゴロゴロ…。
ジュリア・ローバツさんも改めて演技のうまい方なんだなあと思った。
最後のオチを観るまで、ロバーツさんの演技に全て持っていかれたような印象すらあるほど。それに対してウィリス氏の演技のくさいこと。わざとですが。苦笑い~…。
ヒロインと主人公の出会いの場面とか、家を訪問する場面の意匠の美しさには息を飲みます。
カラオケ場面は郷愁と共に笑えた。
台詞も、あそことあそこでシンクロしているなってところもあって、凝っている。
有名な長回しとか、セットの美しさとか、シーンごとは職人芸的で素晴らしいんだけど、
トータルとして観るとあまり訴えるものがない…。ぶつ切り。作中にカット批判があるんだけど、それよりひどい。シーンのオムニバスを観ている感じ。主役の演技でどうにか繋がっているんだけど、その主役も「何やってんだぁ」的な方向に走っていくし…。
他のサイトのレビューに「浅はか」とかあったけど、計算なんだろうなあ。きっと。有名な監督だし、かなりの通っぽい人達が「おもしろい」と言っているし…。もやもや。(この監督の他の作品未鑑賞)
「内幕を描いた作品」とな。
監督の映画スタイル・人柄をご存じの方は絶賛。
そうでない方(私含む)は…。
映画は共同制作物というのを改めて再認識。
皆の力が結集して化学反応起こして傑作が出来る場合もあるし、脚本を制作が潰すとか、役者の演技を監督が潰すとか、そういうことあるって、改めて思い出しました。ハルベリーさんやトムクルーズ氏(『カクテル』)のラジー賞受賞も演技を演出や映像がぶち壊したゆえだったし。反対に良い脚本なんだけど、演技でぶち壊しになった作品もあるし。
と、わざと自分の映画を壊しているの?と思いたくなるような部分もあって、様々な意味でかなりおちょくっている映画。コメディとして観ればいいのか?
(ゴールデン・グローブ賞は「コメディ/ミュージカル部門で受賞)
カメオ出演している方々とか、映画のポスターや映画関連の小ネタチェックの為にまた観たくなるけれど、映画本体としては一回でいいやという感じ。
私には、シニカルすぎて、醜悪。
破城してしまっているような映画なのに、高評価をつける人がいる映画に仕上げているのはすごいと思うけれど。
やっぱり、なんでこれがいろいろな映画賞を受賞しているのかわからないけど、う~ん、ま、いっか。
最近はなんちゃって長回しが多いけど・・・フィルム時代の名作
冒頭では8分超えの長回しシーン。上手いこと撮ってるな~と思いつつも、カットだらけの映画への皮肉めいた台詞が面白い。邦画『カミュなんて知らない』ではこの映画の冒頭にオマージュを捧げる長回しがあったけど、会話の内容がかなり似ていると改めて気づく。
基本的にはティム・ロビンスが誤って殺人を犯したことのサスペンスなのだが、ハリウッドの内幕というか、脚本家への敬意と皮肉を同時に描いているかのようだ。ピーター・フォークに連れられてきたリチャード・E・グラント扮する脚本家が無実の罪で処刑される暗い映画を売り込むことが最大のテーマであり、ロビンスがFOXから引き抜かれたピーター・ギャラガーを陥れる目的で採用させたのに、試写が不評だったためにハッピーエンディングに変更するという結末が最高。無名の俳優を使うという前提もジュリア・ロバーツとブルース・ウィリスになってたからなぁ・・・こんなに風刺が効いているのによく出演したものだ。
ハリウッドライク=ハッピーエンディングというのは言葉通り。結局は商業主義の映画に落ち着いてしまうという、この映画のプロットそのものが風刺になってるわけだ。しかも犯罪者(しかも元愛人を捨てるし)がそのまま幸せになるなんて、かなりブラック。だけど、ポストカード・ビジネスの男は最後に謎となっているというオマケつき。
旅行中にロビンスが恋人となるグレタ・スカッキにヒットする要素を説明するシーンがあるけど、この映画にピタリとくる内容だった。笑いのパートは刑事のウーピー・ゴールドバーグに持っていかれた感がある。
チョイ出のカメオ出演が豪華すぎ!本人役として名前が出てくればわかるけど、役名なしの俳優も多くて困ってしまう。スーザン・サランドンなんて可哀想なくらいチョイ役。まぁ、デッドマンなんて呼ばれた主人公がそのまま『デッドマン・ウォーキング』に繋がっていくと考えると興味深いのですが・・・
カメオ出演が豪華過ぎる俳優陣
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