ザ・ブルード 怒りのメタファーのレビュー・感想・評価
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わりと楽しめました
1979年制作。クローネンバーグ初期の作品。
幼少期の親の虐待によって神経症となったノーラは隔離治療されている。ノーラの病状を気にしながら離れて暮らす夫と幼い娘。周辺では殺人事件が次々と起こっていくが原因がわからず。
全く予想のつかない展開でした。前半、サスペンスかと思いきや、ラストになって、「きゃ〜出ました!クローネンバーグ」という描写で納得。
'Blood’ 劇中では「同腹児」と訳されていましたが、「主に鳥や昆虫が子供育てる行為、もしくはその子どもたちの集団」という意味があるらしい。怒りのメタファーというよりも、怒りの産物。
あり得ない話だけれど、それほど難解でもありませんでした。とことん、暗いですが。
オープニング、本筋とは関係ないけど、公開精神療法を行う医者と患者。どんな展開になるのかとドキドキ。ラストは不気味な未来が示され、そこそこ、楽しめました(?)
出来の悪いクリーチャー系ホラー?基本的な設定が雑。
画面や音楽の雰囲気とかはいかにもクローネンバーグっぽいんですが、内容的には出来の悪いクリーチャー系ホラー止まりで、特筆するような「変態的」な要素や「トンデモ」要素は見当たらず、あの怪物の子供たちもチャッキー以下のインパクト。かなりハードルを上げて見てしまったせいもあって、正直、期待ハズレでした。
人間の負の感情が「何か」を産み出してしまう、という設定は昔からホラーやSFにはよく見られますし、時代的な事を考慮に入れてもそこまで斬新な着眼点や工夫は無かったかなと。
特に難点だと感じたのは、ネタバラシが早すぎて、主人公を含む登場人物の誰かの妄想や陰謀などではない事が中盤を待たずに確定してしまう事。まだ前半はどういうストーリーになるのかという期待で見れましたが、本当に子供の怪物がいると周知されてしまった中盤以降は蛇足にすら感じました。
また、あの精神科医の「サイコプラスミクス」とか言う治療法にしても、単に被験者を怒らせる程度のRPGだし、そんな事で無から怪物を産み出すような副作用が生じるとはとても思ず、リアリティという観点からも感情移入しにくい。こういう心理療法が出始めた時代だと考慮しても、ちょっと設定的に飛躍し過ぎ。そもそもあんな異常現象が一回でも起きた地点で普通は治療を中止するでしょ(笑)。精神科医も真剣に患者を治したいと思うまともな医師のようで、変な人体実験や怪物を産み出して喜ぶようなマッドサイエンティストって描かれ方をしている訳でもないから、あんなに何人も怪物を産み出させて何をやりたかったのかよく分からない人物になっています。
その後、他の入院患者のエピソードと関連する事も無く、ラストに至るまでこれと言ったどんでん返しも無いまま終了。それにしても警察も新聞社も、こんなあり得ない事件をどう処理するつもりなんだろ。そっちの方が気になりました(笑)。出演者の鬼気迫る演技は素晴らしいですが…。
精神と肉体の変容
クローネンバーグ作品はいくつか見てきたが、クライムズオブザフューチャーを見たタイミングで本作も視聴。 緊張感のあるドラマが続き、低予算映画ながら最後までしっかり楽しめた。 精神と肉体の連続性や、その変容はクローネンバーグ作品の永遠のテーマだ。本作でもそのベースの部分は変わらない。 ただ、個性的なのは"怒り"が"腫瘍"として肉体に現れ。さらにその腫瘍が本人の意思から独立して動き出すという点だろう。 この発想は今見ても非常に斬新で、そのビジュアルもあいまって驚かされた。 考えようによっては、精神を病んだ患者の負の感情を"腫瘍"として摘出すれば回復するのではないだろうか? そんな事まで考えてしまった。これもある種の進化なのかもしれない。 肉体と精神が深く繋がっているのは誰もが認める所だろうが、それを飛躍させた本作のストーリーはクローネンバーグにしか生み出し得ないものだろうと思う。 嫌な予感しかしないエンディングも含めて印象的な作品だった。
グロはほぼ無いけれどイヤな気持ちになる(褒めてる)サイコでカルトな...
グロはほぼ無いけれどイヤな気持ちになる(褒めてる)サイコでカルトなB級ホラー。コドモこえー。子供の為なら妻を殺すことも厭わなかったり精神科医は療法を確立する為にしても色々?な点も多い。クライマックスまで無表情かつ冷静だった娘がギャン泣きするシーンは異形の妻より印象的。
ブルードが可愛い
ブルードたちのズングリムックリ感がイォークに見えてしまう可愛らしさがある!? 巻き添え食った女の先生が可哀相で母親の怒りから産まれるブルードって母親の存在意味が解らん!? 怒りのメタファーが単に自分の我が儘な考えのメタファーで自己中極まりない。
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