「どんな組織でも「人」なのですね。」さらば冬のかもめ talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
どんな組織でも「人」なのですね。
上命下達の軍隊組織ですから私情をさしはさむことはできないのですが、バタスキーもミュールも、心が痛んだことと思います。処分の不条理さに。
彼らに精一杯できることといえば、せめてメドウスを「男」にしてやることぐらいだったということでしょうか。あくまでも、命令は守らなければならないので。
バタスキーとミュールにメドウスの警送を下命した彼らの上官にしてみても気持ちは同じで、任務遂行に異例の長期間を許与したのも、「せめて途中で遊ばせてやれ」という含みだったと理解しました。評論子は。
そんな重苦しい気持ちで、やっとこさメドウスを送り届けたのに、彼の身柄を受け取った基地側の担当者は、そんなバタスキーたちの重苦しさを気遣うどころか、些細な書類上のミスをあげつらうばかり。
ほとほと嫌気がさし、真実(メドウスの脱走未遂)は伏せてしまったのは、メドウスの今後の処遇を慮ってということもさることながら、くだんの担当者に対する「当てつけ」(?)の気持ちがなかった訳ではなかったことでしょう。
けっきょく、どんな組織であれ、やっぱり、動かしているのは「人」だということになるのでしょうか。
そういう思いの一本になりました。評論子には。
(追記)
本作の邦題に入っている「かもめ」は、海の男…つまり海兵隊員のことなんですね。
彼は不名誉除隊(懲戒除隊)ということですから「さらば…」なのでしょう。
季節の「冬」は、実際の季節であったほか、軍隊から放逐されるメドウスの…そうして、そういう心情のメドウスを警送しなければならないバタスキーとミュールの心情的な季節感ということなのかも知れません。
そう理解しました。評論子は。
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